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■ゲルハルト・リヒター “Paiting Works 1992 - 2017” (2017年12月16日~18年1月31日、六本木)=東京'18-イ(4)

2018年01月31日 11時11分11秒 | 道外で見た展覧会
(承前)

 渋谷を出て、メトロの半蔵門線と都営地下鉄大江戸線を乗り継いで、六本木へ。

 リヒターは1932年生まれ、ドイツの画家。
 画廊は手前の大きな部屋と奥の小さな部屋からなっており、手前に「abstract paiting」の新作(世界初公開作を含むという)が、奥には1992年からの旧作が展示されている。
 遠くから見ると一見風景写真に思われる作品などがあり、この画家が「写真がある時代にあえて絵を描くとはどういうことか」といった根源的な疑問を念頭に置きながら制作してきたことが、つたわってくる。

 手前の部屋の「抽象絵画」は「947-3」「950-2」「943-2」「945-2」などと副題がついている。
 カラーフィールドペインティングでも、カンディンスキー流にバイオモーフィックな形態が浮遊する画面でもなく、黄緑や白、ピンクなどさまざまな色が激しく混ざり合っている。
 おそらく、塗った色がよく乾かないうちに、ローラーで新たな絵の具を重ねた結果、多くの色が混じり合い、重なり合ったのだろう。ただし、場所によっては、下の層とあまり混ざっていないところもある。ローラーは画面の4辺に平行、あるいは垂直に走っているが、時折斜めにも転がされている。
 絵の具のレイヤー(層)を確認しているうち、あれっ? と思ってしまうことがあるのは、同じ絵の具の層が、画面の位置によって下の方にあったり、上の方にあったりするからのようだ。
 ポロックやフランケンサーラーなどとはまた異なる、肉体の動きのあとを取り入れた独自の抽象画が、展開されていたのだ。


2017年12月16日(土)~18年1月31日(水)午前11時~午後7時、日月曜・祝日休み
WAKO WORKS OF ART(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3階 www.wako-art.jp/






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