(承前)
渋谷を出て、メトロの半蔵門線と都営地下鉄大江戸線を乗り継いで、六本木へ。
リヒターは1932年生まれ、ドイツの画家。
画廊は手前の大きな部屋と奥の小さな部屋からなっており、手前に「abstract paiting」の新作(世界初公開作を含むという)が、奥には1992年からの旧作が展示されている。
遠くから見ると一見風景写真に思われる作品などがあり、この画家が「写真がある時代にあえて絵を描くとはどういうことか」といった根源的な疑問を念頭に置きながら制作してきたことが、つたわってくる。
手前の部屋の「抽象絵画」は「947-3」「950-2」「943-2」「945-2」などと副題がついている。
カラーフィールドペインティングでも、カンディンスキー流にバイオモーフィックな形態が浮遊する画面でもなく、黄緑や白、ピンクなどさまざまな色が激しく混ざり合っている。
おそらく、塗った色がよく乾かないうちに、ローラーで新たな絵の具を重ねた結果、多くの色が混じり合い、重なり合ったのだろう。ただし、場所によっては、下の層とあまり混ざっていないところもある。ローラーは画面の4辺に平行、あるいは垂直に走っているが、時折斜めにも転がされている。
絵の具のレイヤー(層)を確認しているうち、あれっ? と思ってしまうことがあるのは、同じ絵の具の層が、画面の位置によって下の方にあったり、上の方にあったりするからのようだ。
ポロックやフランケンサーラーなどとはまた異なる、肉体の動きのあとを取り入れた独自の抽象画が、展開されていたのだ。
2017年12月16日(土)~18年1月31日(水)午前11時~午後7時、日月曜・祝日休み
WAKO WORKS OF ART(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3階 www.wako-art.jp/)
渋谷を出て、メトロの半蔵門線と都営地下鉄大江戸線を乗り継いで、六本木へ。
リヒターは1932年生まれ、ドイツの画家。
画廊は手前の大きな部屋と奥の小さな部屋からなっており、手前に「abstract paiting」の新作(世界初公開作を含むという)が、奥には1992年からの旧作が展示されている。
遠くから見ると一見風景写真に思われる作品などがあり、この画家が「写真がある時代にあえて絵を描くとはどういうことか」といった根源的な疑問を念頭に置きながら制作してきたことが、つたわってくる。
手前の部屋の「抽象絵画」は「947-3」「950-2」「943-2」「945-2」などと副題がついている。
カラーフィールドペインティングでも、カンディンスキー流にバイオモーフィックな形態が浮遊する画面でもなく、黄緑や白、ピンクなどさまざまな色が激しく混ざり合っている。
おそらく、塗った色がよく乾かないうちに、ローラーで新たな絵の具を重ねた結果、多くの色が混じり合い、重なり合ったのだろう。ただし、場所によっては、下の層とあまり混ざっていないところもある。ローラーは画面の4辺に平行、あるいは垂直に走っているが、時折斜めにも転がされている。
絵の具のレイヤー(層)を確認しているうち、あれっ? と思ってしまうことがあるのは、同じ絵の具の層が、画面の位置によって下の方にあったり、上の方にあったりするからのようだ。
ポロックやフランケンサーラーなどとはまた異なる、肉体の動きのあとを取り入れた独自の抽象画が、展開されていたのだ。
2017年12月16日(土)~18年1月31日(水)午前11時~午後7時、日月曜・祝日休み
WAKO WORKS OF ART(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3階 www.wako-art.jp/)
(この項続く)