北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■小川原脩展 アジアの大地 (2023年3月4日~7月2日、倶知安) 4月16日(3)

2023年04月25日 10時55分31秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 隣室で開かれていた「アジアの大地」展も見た。
 すべて戦後、1979~98年の、中国やチベットなどに材を得た作品である。

 「桂林で」などの絵については、戦争中に長沙、衡陽まで足を伸ばしていながら、そのすこし上流側にある桂林には訪れていなかったことから、ずっと気になっていたという趣旨の画家の談話が紹介されていた。
 なるほど。隣室の「戦時のスケッチ」ともリンクする展示内容なのだ。

 「壺売り」「九官鳥の風景」といった、晩年特有の薄塗りによる滋味深い作品の中で、「樹」という横長変形の絵が気になった。初見である。
 緑の大木(太い幹も緑)の内外で鳥が飛び、木の下には、頭上に物を載せた女たちが歩いているのだ。
 インドの夏のような情景は、一瞬でありながら、永遠の時間をとらえているように思われ、目を離すことがなかなかできず、ずーっと絵の前に立っていた。


 受付では多数の絵はがきを売っていた。1枚50円と格安だ。
 見ていると、羊蹄山を題材にした絵が意外と多い。
 筆者は晩年の小川原脩さんと札幌時計台ギャラリーでの個展で会った際、羊蹄山は身近だけに描きにくい、というような話をされていたような記憶があるのだが、記憶違いかもしれない。 

 12ないし13枚セットになっているのは「美術館友の会」で、ばら売りのは美術館の会計という。
 計26枚買ってきた。

 美術館の北側を通る道をまっすぐ、国道5号まで進んでいった。
 道内屈指の豪雪地帯として知られる倶知安だが、今年は残雪が少ない。


2023年3月4日(土)~7月2日(日)午前9時~午後5時(入館は4時半)
小川原脩記念美術館(後志管内倶知安町北6東7) 

・JR倶知安駅から約2.3キロ、徒歩30分
ニセコバス「金毘羅寺前」から約1.5キロ、徒歩19分
 ※小樽ー倶知安ーニセコが1日4往復、札幌―小樽―倶知安―ニセコを結ぶ「高速ニセコ号」が1日3往復



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。