
ギャラリーたぴお主宰者で、美術家の林教司さんから手紙が来た。
開催中の展覧会「LA.TAPIO」で、作者不詳の絵が2点あるから、見に来てくれないかという趣旨だった。
1月29日に見に行った。
「たぴお」では、林さんと、その知り合いの作品を集めたグループ展が開かれていた。
楢原武正、今荘義男、田中季里、三浦恭三の各氏。
それに、もともとの「たぴお」のオーナーだった故竹田博さんのコラージュが、奥の壁に掛かっている。
作者不詳の絵は100号クラスの大きな油彩(あるいはアクリル)で、2点あった。
いずれも、オールオーバーな「熱い抽象」の作品。
1点は、濃い灰色の地に、薄い灰色を刷毛のようなタッチで画面に躍らせているもの。

もう1点は、白や黄色、紺、赤の飛沫が、画面を覆っている作品。冒頭の画像である(手前に置かれているのは、楢原武正さんの立体)
これは、ジャクソン・ポロックを思わせるが、「中心がない」ことに関してはポロックよりもさらに徹底している感がある。
絵の具はわずかに褪色していて、その感じは、神田日勝の晩年の「馬と人」などを思い出させた。
おなじ時代だとすれば、60年代から70年代初めあたりの画壇は、いまよりもはるかに抽象画が多かったから、作者を当てるのはよけいに難しい作業になる。
手前には楢原さんの立体が置かれて、なんだかワンセットの作品みたいにも見えてくる。
2点とも、題も、サインもない。
もちろん、見るのは初めてである。
首をひねっていると、ちょうど先週の個展で展示した作品の搬出に訪れていたYさんが
「八木保次さんの作品に似てますね」
と言った。
なるほど。
八木保次さんは、ごく初期は別として、一昨年に世を去るまでほぼ半世紀の間、一貫して「熱い抽象」の絵画に取り組んできた。
おなじく全道展の会員で、同じころに亡くなった妻の八木伸子さんはずっと具象だったので、好対照であった。
ただし、筆者が知る八木保次さんの絵は、縦位置の水彩画がほとんどだった。
しかし、いったん八木保次説を耳にしてしまうと、そこから離れて考えられなくなってしまう。
Yさんが作品を出し終わったあとも、会場でしばらく待っていたが、林さんは戻ってこなかった。
どなたか、心あたりのある方は、筆者か、たぴおにご連絡いただければ幸いです。
※2月4日追記。札幌の最上慎一さん(ごぶさたしております)からコメントがあり、以前北海学園大で教壇に立っておられた小林英樹さんの作品だそうです。
小林さんは「ゴッホの遺言」「色彩浴」などの著作で知られていますが、考えてみたら、実作を見たことがあんまりないのでした。
ググって唯一出てきた画像が、下のリンク先にあります。
http://www.google.co.jp/imgres?start=220&sa=X&hl=ja&rlz=1T4ADRA_jaJP416JP420&biw=1264&bih=518&tbm=isch&tbnid=x0ruv9F_b9qWUM%3A&imgrefurl=http%3A%2F%2Faigei-artmuseum.blogspot.com%2F2012%2F11%2Fno2-deeds-of-colors1989.html&docid=Z8C53UmMZ2Dx8M&imgurl=http%3A%2F%2F4.bp.blogspot.com%2F-2mfV2FU-JpQ%2FUHzyGKovXSI%2FAAAAAAAAAF8%2FfkGWvahR348%2Fs400%2Fkobayashihideki02.JPG&w=400&h=265&ei=tNbwUtyWJIrmkAXziYDABw&zoom=1&iact=rc&dur=15643&page=12&ndsp=19&ved=0CFYQhBwwGzjIAQ
2014年1月27日(月)~2月8日(土)午前11時~午後7時
ギャラリーたぴお(札幌市中央区北2西2 道特会館)
開催中の展覧会「LA.TAPIO」で、作者不詳の絵が2点あるから、見に来てくれないかという趣旨だった。
1月29日に見に行った。
「たぴお」では、林さんと、その知り合いの作品を集めたグループ展が開かれていた。
楢原武正、今荘義男、田中季里、三浦恭三の各氏。
それに、もともとの「たぴお」のオーナーだった故竹田博さんのコラージュが、奥の壁に掛かっている。
作者不詳の絵は100号クラスの大きな油彩(あるいはアクリル)で、2点あった。
いずれも、オールオーバーな「熱い抽象」の作品。
1点は、濃い灰色の地に、薄い灰色を刷毛のようなタッチで画面に躍らせているもの。

もう1点は、白や黄色、紺、赤の飛沫が、画面を覆っている作品。冒頭の画像である(手前に置かれているのは、楢原武正さんの立体)
これは、ジャクソン・ポロックを思わせるが、「中心がない」ことに関してはポロックよりもさらに徹底している感がある。
絵の具はわずかに褪色していて、その感じは、神田日勝の晩年の「馬と人」などを思い出させた。
おなじ時代だとすれば、60年代から70年代初めあたりの画壇は、いまよりもはるかに抽象画が多かったから、作者を当てるのはよけいに難しい作業になる。
手前には楢原さんの立体が置かれて、なんだかワンセットの作品みたいにも見えてくる。
2点とも、題も、サインもない。
もちろん、見るのは初めてである。
首をひねっていると、ちょうど先週の個展で展示した作品の搬出に訪れていたYさんが
「八木保次さんの作品に似てますね」
と言った。
なるほど。
八木保次さんは、ごく初期は別として、一昨年に世を去るまでほぼ半世紀の間、一貫して「熱い抽象」の絵画に取り組んできた。
おなじく全道展の会員で、同じころに亡くなった妻の八木伸子さんはずっと具象だったので、好対照であった。
ただし、筆者が知る八木保次さんの絵は、縦位置の水彩画がほとんどだった。
しかし、いったん八木保次説を耳にしてしまうと、そこから離れて考えられなくなってしまう。
Yさんが作品を出し終わったあとも、会場でしばらく待っていたが、林さんは戻ってこなかった。
どなたか、心あたりのある方は、筆者か、たぴおにご連絡いただければ幸いです。
※2月4日追記。札幌の最上慎一さん(ごぶさたしております)からコメントがあり、以前北海学園大で教壇に立っておられた小林英樹さんの作品だそうです。
小林さんは「ゴッホの遺言」「色彩浴」などの著作で知られていますが、考えてみたら、実作を見たことがあんまりないのでした。
ググって唯一出てきた画像が、下のリンク先にあります。
http://www.google.co.jp/imgres?start=220&sa=X&hl=ja&rlz=1T4ADRA_jaJP416JP420&biw=1264&bih=518&tbm=isch&tbnid=x0ruv9F_b9qWUM%3A&imgrefurl=http%3A%2F%2Faigei-artmuseum.blogspot.com%2F2012%2F11%2Fno2-deeds-of-colors1989.html&docid=Z8C53UmMZ2Dx8M&imgurl=http%3A%2F%2F4.bp.blogspot.com%2F-2mfV2FU-JpQ%2FUHzyGKovXSI%2FAAAAAAAAAF8%2FfkGWvahR348%2Fs400%2Fkobayashihideki02.JPG&w=400&h=265&ei=tNbwUtyWJIrmkAXziYDABw&zoom=1&iact=rc&dur=15643&page=12&ndsp=19&ved=0CFYQhBwwGzjIAQ
2014年1月27日(月)~2月8日(土)午前11時~午後7時
ギャラリーたぴお(札幌市中央区北2西2 道特会館)
帰宅したら、ブログを書き直します!
わたしもなかなか飛び回れなくて、申し訳ありません。