線翔庵日記



おまつり、民謡、三絃、名水、温泉、酒、そして音楽のこと…日々感じたことを綴ります。

おとっさま!!

2012年01月16日 18時50分53秒 | おまつり
「新野の雪祭」が今年も終わってしまった。昨年は出かけたのだが、今年は行くことができなかった。新野の雪祭は民俗学徒にとっては、夏の盆踊りとともに、特別な場所なのだ。

自分が初めて新野の雪祭へおじゃましたのは平成元年の1月14日の晩。当時、昭和天皇崩御の直後であったので、世の中は歌舞音曲の「自粛」がキーワードであった。この年は、何と「乱声」の「ランジョランジョ~」が自粛された。

しかし、それ以来、随分通ってきた。まったくくだらない「ハッピーマンデー」という、どうしようもなく無意味な休日設定のおかげで、1月15日の「成人の日」の休日がなくなってしまってから、新野へは本当~に行きづらくなってしまった。

新野の祭りで、いちばん好きなシーンは数々あるのだが、自分がお気に入りなのは「庭の儀」だ。「乱声」から「お庭開き」で、庁屋から笹をもってササラ衆が飛び出し、面形の舞の最初である「サイホウ」を待ちかまえる瞬間。これはもう涙ものなのだ。

「サイホウ」の顔を見ると、
ああ!新野へ来た!
と思う瞬間だ。

新野では面形の神様のことを「おとっさま」と呼ぶ。
「おとっさま!いい腰つきだね~!」などと、声がかかる。

また、花祭の味噌塗りとはちがって、「サイホウ」は「ホッチョウ」と呼ばれる男根状の棒を擦り付けられる。基本的には女性専用のハズなのだが、自分もなぜか何回か擦られた(笑)


「サイホウ」の顔を見ると、「ああ今年も会えた!」と、いつも思うのだ。


それまでの延々と続く、神事舞の部分も新野の魅力だが、やはりお庭での舞は感動でいっぱいだ。

遠山の霜月祭や天龍村の霜月神楽とは、おもむきのちがう田楽祭。やはり五穀豊穣を祈る祝祭的雰囲気を感じる。今年は行けなかったが、来年こそは行きたいな!
コメント
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