世間がコロナでこんなに大騒ぎをしているときに、そういうことを考えてる場合か
自分で自分に問いかけつつも、こんなことを考えている。
「紅生姜って健気ではないか」
牛丼の片隅にひっそりと寄り添うあの姿。
紅生姜は牛丼の牛肉とあまりにピッタリ合う
牛丼の中の牛肉をひとしきり食べる。
ふたしきり、みしきり食べる。
そのあとほんのちょっぴり口に入れる紅生姜の何というおいしさ。
これがタクアンではダメなんですね。
福神漬でもダメ、柴漬もダメ、どうしても紅生姜。
「余人をもって代えがたい」とはまさに紅生姜のこと。
紅生姜はお好み焼き、たこ焼き、焼きそばにもたどり着いた。
どれもこれも一流とは言い難い中小の会社ばかり。
紅生姜は流れる水に逆らったりしない。
流れ着いたところで生きていく。
紅生姜のこういうところが好きだ。
いまや牛丼もたこ焼きもお好み焼きも、紅生姜無くしては成り立たない。
生姜を赤く染めたものが紅生姜であるが、突然自分の身体を断りもなしに、真っ赤に染められても文句を言わないところがいじらしい。
これまで日本人はあまりにも紅生姜を冷遇してきた。
と、コロナ禍で大騒ぎしている世の中で、くだらないとは思いつつ、紅生姜の生き方に人生を学ぶのであった。