ピザでも餅でもトロロ芋でも、引っ張ったりちょっと混ぜたりするだけで充分粘る。
納豆の場合は、混ぜれば混ぜるほど伸びて粘るという、本人の努力次第というところが違う。
本人の功績、手柄というところが違う。
最近は手柄が立てにくい世の中である。
特にサラリーマンは手柄が立てにくく、手柄が見えにくい。
明治、大正、昭和と日本男子の本懐は、立身出世であった。
故郷に錦であった。
仰げば尊し、我が師の恩、であった。
身を立て、名をあげ、やよ励めよ、であった。
定年退職後のおとうさんたちは、納豆に手柄を求めるのであった。