いま日本は老人の全盛期である。
日本中、どこへ行っても老人だらけ。
日本の人口の4人に1人が65歳以上の高齢者という時代になった。
これから商売を始めようとする人は、当然老人相手の商売ということを考えなくてはならない。
バブルの時代は若者の全盛期だった。
商売相手は若者だった。
若者はクルマを欲しがっていたので、クルマが商売になった。
いま老人は何を求めているのか。
バブルの時代と違ってクルマのような高額商品は望むべくもない。
まして年金老人は金を持ってないので、とりあえず小型商品ということになる。
老人が欲しがり、かつ値段が安い商品。
とりあえず孫の手が商売になるのではないか、と提案したい。
商売になる、ということは産業になる、ということである。
孫の手を買おうと思ってもデパート、コンビニに売ってなく、かろうじて観光地の土産物屋の店頭で、木刀などと一緒に並べられている粗末な竹製のものしかない。
だがやがて、コンビニの店頭の一番目立つところに孫の手が林立する日がやってくるのだ。
竹製だけでなく、桂、黒檀、屋久杉などの銘木製。
アモルファス、タングステン、チタンなどゴルフのクラブ並みの高級品が続々と登場する。
握り手のところが銀で数十万円、などというブランドものも出てくる。
これから先、老人は増えるばかりだ。
ゴルフ人口は減る一方だが、孫の手人口は増加の一途をたどる。
一人で二本、いや五本セット、痒い場所によってウッド、アイアンと使い分けるフルセットを持つ老人も増えてくる。
市場を世界に広げてみよう。
老人は世界的にも増加中だ。
日本の孫の手は掻き味がいい、さすが日本刀の国、エッジの利かせ方が独特である。
ということになって孫の手の輸出大国となっていく。
孫の手産業はやがてトヨタ、ニッサン並みの大企業となる。
誰もが「ウー、カイカイ」を声に出していたのが、孫の手によって手が届かなかった背中の痒みが快感になって「気持ちいい~」となるに違いない。
と思うのはアタクシだけでしょうか。