ほぼ1年ぶりにNYから一時帰国した知人と南青山のイタリア料理店で再会。昨年、潜血反応がでたことから遅まきながらの精密検査と、NYで展開している旅行業の顧客へのあいさつ回りが目的。NYへの観光客が一段落するこの時期に毎年ひと月ほど帰国している。まずは、気がかりだった大腸の検査に異常がなく一安心。診察した医者曰く、もし大腸がんだったらとっくに死んでいますよ、とのことで、このところ立て続けにがんで落命する友人がいたので本当にほっとした。
表参道駅から5分ほどにあるこのイタリア料理店はトスカーナ出身のシェフの手になる郷土料理が中心だが味、量ともに申し分ない。この知人も酒は飲まないから大ぶりのデザートをふくむコース料理をとって一人6000円。イタリア料理には事欠かないNYでもいくつかイタリア料理店で食事を共にしたことがあるがそれらに全く引けを取らない素晴らしい店だ。落ち着いた店内に、3組しか客がいなかったのも静かでよかった(店にとっては厳しいかもしれないが・・・)。
昨年暮れのパリでのISによるテロのあと、NYのタイムズスクエアにもテロ警報が出るなど、観光客の足は遠のいていてNYでの旅行業界は難しいらしい。そんな中で、日本から透析患者の旅行の話が持ち込まれたという。もちろん、費用の高いNYでは透析すること自体が目的ということではなく、あくまで観光が中心だという。団体旅行では透析中の患者は受け付けないということなので、富裕層の個人旅行という形態になる。透析している方で何とか旅行したいという人はいるのだろう。この話が現実性があるのか、再会した翌日も知り合いの病院で透析の様子を見学すると言っていた。
この知人は2000年に渡米したから既に15年経ち、その間に米国のグリーンカードを取得してすっかり彼の地に根を下ろしている。この間、弁護士の紹介など何度かささやかな手伝いをしたことがある。大切にしたい、古い知人のひとりだ。