今日の札幌は、晴れ、雨、雪そして晴れと目まぐるしく天気が変化し、夜に入ってからは晴れているからだろうか、放射冷却により一段と気温が下がってきている。暖かなコートなしでは危険だ。
こんな天気の中で、たまたまアイスランドについて調査していたら、今日のレイキャビクはほぼ札幌と同じ気温、天候になっている。アイスランド、レイキャビクは、緯度は札幌より遥かに北だがメキシコ湾流(暖流)のためにそれほど寒くはない。ただ、この時期、日照時間が極端に短い(今日の日の出 10時41分、日の入り 15時49分)のは精神的には厳しい。1990年代に仕事でしばしば冬のレイキャビクを訪れたことがあるが、真っ暗ななか仕事を始め、昼食が終わったらもう暗かったというのが記憶に残っている。この気候のために冬は自殺者が多いと聞いたことがある。
漁業と地熱発電を利用したアルミニウムの精錬、それにアイスランドウールなどで30万人ほどのこの国は堅実に運営されていたのだが2000年代に入って極端な対外借り入れを行った結果、対外債務破綻をきたし、2008年からはIMFの管理下にある。最近の地元の新聞によれば国外で保有されているアイスランドクローナを還流させてクローナの価値を安定させるためには2015年まで今の緊縮策を継続する必要があるという。
世界的な財テクの波に流され、身の丈に合わない一時のバブルを楽しんだツケはいまさらながら大きい。しかし、西側諸国(および民間金融機関も含め)が厳しい緊縮財政を求める中、中国がその資本力を使って急接近している。アイスランドの規模であれば、中国にとってはなんらの負担にも感じないのだろう。
そして北海および北極海への権益をねらって中国が官民を挙げてアイスランドに食い込んでいる。かつてNATO軍(米軍)の巨大な空軍基地があったケフラビック空港はソ連の崩壊をうけてもう用済みという事で2000年代に入ってから米空軍は撤退してしまった。いつかそこに中国の旗が翻るようになることも非現実的な話ではない。
1990年代、レイキャビクではクジラの肉がレストランのメニューにあったが、今はどうなっているだろうか。その時に会ったアイスランドの人々はまじめで仕事熱心だった。なお、アイスランドでは名前に直近の親の名前を使うという父称(母称)制度で西欧の制度と異なっており、また、名前で性別が判るという独特の社会だった。
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