難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者と車

2005年07月10日 10時00分01秒 | 生活

車内から難聴者がどういう基準で車を選ぶか。もちろん予算や家族構成、利用目的もあるだろうが、やはり車の静粛性だ。一昔前の車は走行音やエンジンの回転音が車内に響いて、会話が出来なかった。一時、ワイヤレスの送受信機を装着して乗っていたが、いちいち付けるのが面倒になってやめてしまった。
先日も難聴者の知人の車に乗せてもらったが、失礼ながら定年退職された方にしてはずいぶんと立派な車だなと思ったが、家族と会話をするために静粛な車を選んだと言う。やはり。

車内の会話といえば、会社の慰安旅行とか団体旅行で観光バスを使うが、幹事のゲームもガイドさんの名ガイドも良く聞こえないので、楽しさも半分以下だ。
東京都の難聴者協会はこのバスのバリアフリーに取り組んだ。全国中途失聴・難聴者大会のバスツアーのバスに補聴設備を付けたのだ。懸念したノイズもそう入らずに磁気ループで、バスの放送が補聴器ではっきり聞こえた。本当に簡単なアンプを付けるだけなので、普及すればかなり助かる。
さらに、普通は屋内の部屋で行う要約筆記も付けた。バスにオーバーヘッドカメラを積み込み、ガイドさんの話を要約筆記して、それをビデオカメラで撮って、ビデオ入力して車内のテレビに映したのだ。
バスの行き先表示は文字で出るようになって来たが、考えてみると、バスや劇場など聴覚障害者の生活におけるバリアーはまだまだたくさんある。

雨の中、車に鍵をかけようとして、何度もリモートキーのスイッチを押したがロックされない。いったん家に入って再度よく見たら、エンジンがかかっていた。停車中のエンジンの音が聞こえなかったのだ。
まだ、代車に乗っている。