難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

台風情報と聴覚障害者

2005年07月27日 09時08分55秒 | 生活

050727_0742~001.jpg050726_2216~001.jpg台風7号が昨夜20時過ぎ、千葉県鴨川市に上陸した。暴風雨圏がないとはいえ、東京を直撃すれば震度5の地震のエレベータ難民みたいに隠れた被害が出たかもしれない。大きな被害が出なかったのが何よりだ。

今日のNHKの台風のニュースには字幕が付いていたが、だいぶ前から運動した成果だと思うと感慨深い。通常番組にL字型のテロップを表示されることも多い。これらは聴覚障害者の長い運動の成果だ。
1970年代、テレビの字幕放送がまだ普及していない頃、台風が近づくたびに、パソコン通信のニフティサーブのFHANDのメンバーがテレビの台風情報を聞き取って流していた。その中心がいまは亡きかっくんだった。
このグループがパソコン通信のチャットによるRT字幕を始めた。その後インターネットのIRC方式になり、今でも続いている。これが今の生放送に使われている入力方式の原型だ。

台風情報は接近してくる1時間ごとに放送される。しかし、字幕や文字情報ないので聴覚障害者には分からない。テレビ局にたった5分放送して残り55分は別の映像が流れているだけだから、その間に文字表示すれば良いと要望すると生放送だから無理と言う。
聴覚障害者団体は台風や災害の発生するたびに要望を繰り返してきた。有珠山の爆発、ダイアナ妃の死去、など枚挙にいとまがない。
なかなか実現しないところに阪神淡路大震災が発生した。聴覚障害者団体は全国的に支援活動を展開すると同時に、テレビ局に報道に文字と者話を付けるよう強く要望した。全難聴と全日本ろうあ連盟が共同文書を出したのもこの時が初めてだ。

災害の情報はローカルなその場所での情報が重要だ。携帯電話などが役に立つことが、新潟の地震でも再確認されたが、普通のテレビでは難しい。確実に有効な方法はまだない。

ラビット 記