難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

被災難聴者へのピアサポートの事前研修(2)

2011年05月01日 23時56分36秒 | 東北地方太平洋沖地震

東京精神保健福祉士協会の災害ボランティア委員会の作成した「災害支援に出かける人のために・・・」というリーフレットは心理的サポートをする専門家だけでなく、私たち難聴者自身も学んでおく必要がある内容だ。2005年に作成されたもののようだ。#fukushi #311care #hinan #jishin

ラビット記
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◯災害支援に出かける前に
 ●被害地についての情報を知る
 ●携帯すべきもの
 ●服装

◯被災者の特性
 ・精神の麻痺(ショック)
 ・無力感
 ・(死別、負傷・家財喪失等による)悲嘆
 ・(援助の遅れ・情報の混乱等による)怒り
 ・(自分だけが生き残ったこと・適切に振る舞えなかったことなどによる)罪責
 ・ストレス反応〈些細なことでのイライラ・不眠・フラッシュバック〉

◯被災者への対応
 ●支援場面で気をつけること
 ・心のケアをすることを全面に出さない。
 ・その場で役に立ちそうなことをする(掃除・話し相手等)
 ・不合理と思えることも対象者の思いを大事に援助する
 ・適切な話の聞き方をする

〈話の聞き方〉
 ・話を妨げず聞き役に徹する
 ・対象者のニーズを読み取る
 ・善悪の判断や批判をしない
 ・感情を抑えず話をさせる

 ●怒り・悲しみへの対応
弁解せずにじっくりと話を聞き、相手の感情が一端出尽くした後に「お気持はわかりました」と言って、相手が落ち着いているようなら具体的な話に入る。
「それは辛いですよね」「本当に辛かったでしょうね」というように悲しみの感情を受け止め、そばにいてあげる。
 参考文献:デビット・ロモ 1955「災害と心のケア」

◯援助者のセルフケア
 ●必ず休みを取る
 ・オーバーワークになる
 自分自身が疲れを感じなくなる
 〈対処法〉
 ・深呼吸・体操などでリラックスする
 ・ティータイムを取る
 ・楽しみを見つけ気分転換する
 ・睡眠・栄養を十分にとる

 ●仲間を作る
 ・ペアで行動する
 ・客観的に見る目を持つため
  仲間が無理をしていないか
  声を掛け合うことが大切
 ●その日の活動を仲間と振り返る時間を持つ
 ・感じたことを語り合う
 ・情報を共有する
 ・共感とアドバイス 

※心理的回復のプロセス(省略)


被災難聴者へのピアサポートの事前研修(1)

2011年05月01日 00時39分29秒 | 東北地方太平洋沖地震

被災地の難聴者に対して、難聴者がピアサポートする重要性が指摘されている。
確かに、コミュニケーション疎外とその心理的な影響、蓄積された屈折した感情や精神的な問題は同じ障がいを持つものがよく理解できる。
しかし、だからと言って難聴者が誰でもどういう時でもピアサポートできるということではない。

難聴という障害は他人に分かりにくい障害であると同時に自分で覚知できにくい障害でもある。
難聴は聞こえない、聞きにくいという障害、周囲の人や社会との関係性が築けなくなる障害、この二つが周囲に理解されにくいという障害という特徴がある。

被災難聴者に対してピアサポートするには、このことが難聴者の社会参加、難聴者の心理、精神にどのような影響をおよぼすのか、自身の体験だけではなく、広く様々な難聴者の経験を踏まえて理解しなければ、相手の状況に応じたサポートが出来ない。
出来ないとは言い過ぎかもしれないが、被災難聴者は未曽有の大震災でいまなお生活の面でも心理的にも極限状態にあることを考えれば心して置かなければならないだろう。

ラビット 記