JDFが政府に被災障害者への支援を要望した。
ラビット 記
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2011年5月23日
内閣総理大臣 菅 直人 様
厚生労働大臣 細川 律夫 様
総務大臣 片山 善博 様
国土交通大臣 大畠 章宏 様
日本障害フォーラム(JDF)
代表 小川 榮一
被災障害者等の今後の支援についての要望
平素より障害者施策の推進に格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
このたびの東日本大震災における未曾有の被害について、各方面で様々なご尽力とご配慮をいただいていることに、心より敬意を表します。
現在、震災より2か月が経過していますが、引き続き緊急の援助が求められるとともに、今後の復興・再生に向けた新たな課題も見えてきています。
今後とも障害者の支援が効果的に行われるよう、下記の項目につき要望します。
記
1.インクルーシブな社会の構築を基本としてください。
今回の大震災では、多くの障害者が被災したほか、障害のない人々も、住まいや働く場などを奪われ、社会生活上の何らかの障害を有したとも言えます。今後の仮設住宅の整備とバリアフリー化等を含め、被災地域の中期的長期的な復興・再生にあたっては、排除や分け隔てのない「インクルーシブな社会」の構築を旨として行ってください。これは、現在改正の作業が進められている障害者基本法や、障害者権利条約の精神とも一致するものです。
2.「復興構想会議」に障害当事者を参加させてください。
この観点から、閣議決定に基づいて開催された「東日本大震災復興構想会議」の委員に、障害当事者やその関係者が含まれていないことに懸念を抱かざるをえません。
同会議は、「復興基本法案」における提言機関にも位置付けられると報じられていますが、このことからも、インクルーシブな地域社会の構築のため、会議やその検討部会、関連機関等に障害当事者を参加させてください。
また、現在進められている障がい者制度改革推進本部/会議との連携も行ってください。
3.復興と社会保障を両立させてください。
今後の復興の過程において、復興費用の確保などの名目で社会保障費の削減はしないでください。
インクルーシブな地域社会を構築する目的と、社会保障は相反するものでは決してなく、むしろ補完しあうものです。
4.個人情報保護に関する便宜をお願いします。
震災から2か月が経過した現在も、被災した障害者の安否確認が続けられています。
過去の震災の経験から、地域の防災関係者が「災害時要援護者」の情報共有を一定程度できる指針は示されていますが、現在被災地では、支援者が必要な情報を入手できず、在宅障害者などを確認することができない状況にあります。
一定の条件の下に、障害者団体や支援団体等にも情報を開示し共有できるよう、より具体的な指針を示してください。
5.放送や情報伝達における情報保障を徹底してください。
今回の震災では、相次ぐ余震や原発事故の情報など、生命や財産に関わる情報が今も日常的に流されていますが、多くの障害者がその内容を知ることができない状況が続いています。テレビ放送(生放送・緊急放送を含む)や、地域における災害情報等の伝達においては、手話、字幕、解説音声、分かりやすい内容等による情報保障を徹底してください。
また、政府広報や各省庁・自治体等から発信されるニュース等については、テキストデータ、点字、ルビ付き資料など障害当事者がアクセスできるものを準備し、また関係機関の連絡先を掲載する場合は、電話番号のみでなく、ファックス番号やEメールアドレスも記載してください。
6.障害者自立支援法等の柔軟な運用と、国の費用負担を願います。
被災の実情を踏まえ、障害者にかかる手続きや、障害者自立支援法等の制度利用について、下記の事項を含む特段の配慮をお願いします。
また、被災したすべての障害者や事業所等が、支援の対象から漏れ出ることがないよう、下記の事項を含め、広く国が費用を負担する仕組みとしてください。
(1)特定疾患等の証明書の再発行にかかる手続きを簡略化してください。
(2)震災に伴い交通手段がなお限られていることから、通院等にかかる交通手段やその費用を確保し、本人に追加の負担がかからないようにしてください。
(3)居住市町村以外での生活を余儀なくされている障害者へのサービス給付を含めて、障害者自立支援法等の柔軟な運用を行ってください。「被災県」以外に避難している被災障害者に対しても、十分な支援を行ってください。
(4)2011年度末は自立支援給付事業体系への移行期限となっていることから、被災の実情を考慮しこの期限の延長を講じてください。
(5)社会福祉施設等への介護職員の派遣に当たっては、被災地の受け入れ事業所が自立支援給付等公費給付により負担する仕組みには無理があるので、国の負担での派遣が可能となるようにしてください。
(6)社会福祉施設等災害復旧費の国庫補助に当たっては、居宅介護事業所など特定の事業所を除外することなく、被災のあったすべての事業所が支援を受けられるようにしてください。
JDF事務局
東京都新宿区戸山1-22-1(日本障害者リハビリテーション協会内)
TEL: 03-5292-7628 FAX: 03-5272-1523 E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp
ラビット 記
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2011年5月23日
内閣総理大臣 菅 直人 様
厚生労働大臣 細川 律夫 様
総務大臣 片山 善博 様
国土交通大臣 大畠 章宏 様
日本障害フォーラム(JDF)
代表 小川 榮一
被災障害者等の今後の支援についての要望
平素より障害者施策の推進に格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
このたびの東日本大震災における未曾有の被害について、各方面で様々なご尽力とご配慮をいただいていることに、心より敬意を表します。
現在、震災より2か月が経過していますが、引き続き緊急の援助が求められるとともに、今後の復興・再生に向けた新たな課題も見えてきています。
今後とも障害者の支援が効果的に行われるよう、下記の項目につき要望します。
記
1.インクルーシブな社会の構築を基本としてください。
今回の大震災では、多くの障害者が被災したほか、障害のない人々も、住まいや働く場などを奪われ、社会生活上の何らかの障害を有したとも言えます。今後の仮設住宅の整備とバリアフリー化等を含め、被災地域の中期的長期的な復興・再生にあたっては、排除や分け隔てのない「インクルーシブな社会」の構築を旨として行ってください。これは、現在改正の作業が進められている障害者基本法や、障害者権利条約の精神とも一致するものです。
2.「復興構想会議」に障害当事者を参加させてください。
この観点から、閣議決定に基づいて開催された「東日本大震災復興構想会議」の委員に、障害当事者やその関係者が含まれていないことに懸念を抱かざるをえません。
同会議は、「復興基本法案」における提言機関にも位置付けられると報じられていますが、このことからも、インクルーシブな地域社会の構築のため、会議やその検討部会、関連機関等に障害当事者を参加させてください。
また、現在進められている障がい者制度改革推進本部/会議との連携も行ってください。
3.復興と社会保障を両立させてください。
今後の復興の過程において、復興費用の確保などの名目で社会保障費の削減はしないでください。
インクルーシブな地域社会を構築する目的と、社会保障は相反するものでは決してなく、むしろ補完しあうものです。
4.個人情報保護に関する便宜をお願いします。
震災から2か月が経過した現在も、被災した障害者の安否確認が続けられています。
過去の震災の経験から、地域の防災関係者が「災害時要援護者」の情報共有を一定程度できる指針は示されていますが、現在被災地では、支援者が必要な情報を入手できず、在宅障害者などを確認することができない状況にあります。
一定の条件の下に、障害者団体や支援団体等にも情報を開示し共有できるよう、より具体的な指針を示してください。
5.放送や情報伝達における情報保障を徹底してください。
今回の震災では、相次ぐ余震や原発事故の情報など、生命や財産に関わる情報が今も日常的に流されていますが、多くの障害者がその内容を知ることができない状況が続いています。テレビ放送(生放送・緊急放送を含む)や、地域における災害情報等の伝達においては、手話、字幕、解説音声、分かりやすい内容等による情報保障を徹底してください。
また、政府広報や各省庁・自治体等から発信されるニュース等については、テキストデータ、点字、ルビ付き資料など障害当事者がアクセスできるものを準備し、また関係機関の連絡先を掲載する場合は、電話番号のみでなく、ファックス番号やEメールアドレスも記載してください。
6.障害者自立支援法等の柔軟な運用と、国の費用負担を願います。
被災の実情を踏まえ、障害者にかかる手続きや、障害者自立支援法等の制度利用について、下記の事項を含む特段の配慮をお願いします。
また、被災したすべての障害者や事業所等が、支援の対象から漏れ出ることがないよう、下記の事項を含め、広く国が費用を負担する仕組みとしてください。
(1)特定疾患等の証明書の再発行にかかる手続きを簡略化してください。
(2)震災に伴い交通手段がなお限られていることから、通院等にかかる交通手段やその費用を確保し、本人に追加の負担がかからないようにしてください。
(3)居住市町村以外での生活を余儀なくされている障害者へのサービス給付を含めて、障害者自立支援法等の柔軟な運用を行ってください。「被災県」以外に避難している被災障害者に対しても、十分な支援を行ってください。
(4)2011年度末は自立支援給付事業体系への移行期限となっていることから、被災の実情を考慮しこの期限の延長を講じてください。
(5)社会福祉施設等への介護職員の派遣に当たっては、被災地の受け入れ事業所が自立支援給付等公費給付により負担する仕組みには無理があるので、国の負担での派遣が可能となるようにしてください。
(6)社会福祉施設等災害復旧費の国庫補助に当たっては、居宅介護事業所など特定の事業所を除外することなく、被災のあったすべての事業所が支援を受けられるようにしてください。
JDF事務局
東京都新宿区戸山1-22-1(日本障害者リハビリテーション協会内)
TEL: 03-5292-7628 FAX: 03-5272-1523 E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp