毎年のことなのだが、クィーンズタウンで住む家を決めずに行く。
夏の間はクィーンズタウンでフラッティング、要は一部屋、間借りをするわけだ。
友達の家に住むこともあるし、知らない人の所に行って友達になったこともあった。
あらかじめ住む所が決まって行く時もあるが、ここ数年は行ってから見つけてみようとあまり決めないで行く。
なんか自分の運試しをしているようで、そういうのが妙にワクワクするのだ。
今年は何の縁かアロータウンに住むことになった。
家主は前から知っている人で別ルートからその人にたどりつき、とりあえずその人の家を見せてもらった時からその家に一目ぼれした。
もうこれはピンときた、なんてものではない。
ピストルで胸をズキューンと撃たれたような、ううむそんなものじゃあ足りないな。
そうだなあ、強いて言うならばヤマトの波動砲で惑星ごと吹き飛ばされたぐらいの衝撃。
それぐらい強い直感で、この家に引き寄せられた。
庭には畑がありビニールハウスもある。
クライストチャーチに比べ寒いので、ズッキーニ、きゅうり、トマトはハウスの中で育つ。
もちろんコンポストもやり放題。
イチゴが植えられて鳥よけのネットがかぶせてある。
庭を見ればその住人がどれぐらいの気持ちでやっているか分かる。
見た目だけの人も居れば、真剣に取り組んでいる人もいる。
畑は空いていたので、とりあえずキャベツを植えた。
ログハウス調の木を組み合わせた家は山小屋の雰囲気をかもし出している。
そしてなんと、自家製の燻製器まである。
スモークサーモン、スモークチーズ、これならベーコンも作れるか。
夢は広がるぞ。
家の中の本棚には日本語の本もどっさり。
本棚の片隅には宮崎駿のナウシカの漫画が全七巻。
おおおお、ナウシカかあ、二十年ぐらい前に一度読んだか。
ニュージーランドでナウシカなんていいじゃあ、ありませんか。
雨の日にゆっくり本を読むなんて楽しみもできた。
場所がまたいい。
アロータウンの町外れで、車の通りはほとんどない。
とにかく静かなのだ。
家の周りではトゥイがきれいな声でさえずり、この声で目が覚めるのは1日の活力源だ。
トゥイの泣き声は独特で綺麗な声の中に時折ギジギジというような音が混ざる。
7種類ぐらいの音を出すと、何かの本で読んだ覚えがある。
友達のトモコは初めてニュージーランドに来た時にキャンプをして、朝この鳥の声で目覚めた時に、宇宙人かUFOがやってきたと勘違いしたそうな。
確かにこの鳥の声は電子音のようにも聞こえるし、これがたくさんいればそんな夢も見るだろうな。
ここは鳥の国なのだ。
裏側はすぐに山で5分も行くと展望台があり、おあつらえ向きにベンチなぞ置いてある。
この国のこういうところが好きだ。
夕暮れ時にボーっとするにはもってこいの場所である。
町を見下ろす高台という雰囲気で人は殆ど来ない。
たまに来るのは地元の人だけで観光客が全く来ない。
クィーンズタウンは観光の町なので賑やかなのは仕方ない。
だがここ数年、街の喧騒にうんざりしていた感はある。
昔は街のど真ん中、モールになんぞ住んでいたこともあったが、その家は今やおしゃれなバーになっている。
特にクリスマスから年末年始にかけては、街にいたくない。
郊外の家なら静かでよかろうと思うが最近ではそうでもなくなってきている。
若ければ街に繰り出しパーティーもいいが、年をとったのか落ち着く場所で飲むことが多くなった。
ここの家はまさに隠れ家。
家の横は墓地だが、日本的なヒュードロドロ「恨めしや~」というものは一切なし。
ただひたすらに静かな場所であり、裏山へも墓地を通っていく。
家の正面は教会で、日中は人を見かけるものの夕方になれば誰もいない。
食卓の窓から教会の白い壁と大きな木が見えて、この雰囲気もまた良い。
とにかくすべてが気に入ってしまった。
難点というか悩みと言うのか、忙しすぎてほとんどこの家に帰っていない。
帰ってきて一泊してすぐに次のツアーといった具合で、フラットメイトと御飯を食べたのも数回だ。
そうこうしているうちに年の瀬がそこまで来ている。
ナウシカも燻製もしばらく先になりそうだな。
夏の間はクィーンズタウンでフラッティング、要は一部屋、間借りをするわけだ。
友達の家に住むこともあるし、知らない人の所に行って友達になったこともあった。
あらかじめ住む所が決まって行く時もあるが、ここ数年は行ってから見つけてみようとあまり決めないで行く。
なんか自分の運試しをしているようで、そういうのが妙にワクワクするのだ。
今年は何の縁かアロータウンに住むことになった。
家主は前から知っている人で別ルートからその人にたどりつき、とりあえずその人の家を見せてもらった時からその家に一目ぼれした。
もうこれはピンときた、なんてものではない。
ピストルで胸をズキューンと撃たれたような、ううむそんなものじゃあ足りないな。
そうだなあ、強いて言うならばヤマトの波動砲で惑星ごと吹き飛ばされたぐらいの衝撃。
それぐらい強い直感で、この家に引き寄せられた。
庭には畑がありビニールハウスもある。
クライストチャーチに比べ寒いので、ズッキーニ、きゅうり、トマトはハウスの中で育つ。
もちろんコンポストもやり放題。
イチゴが植えられて鳥よけのネットがかぶせてある。
庭を見ればその住人がどれぐらいの気持ちでやっているか分かる。
見た目だけの人も居れば、真剣に取り組んでいる人もいる。
畑は空いていたので、とりあえずキャベツを植えた。
ログハウス調の木を組み合わせた家は山小屋の雰囲気をかもし出している。
そしてなんと、自家製の燻製器まである。
スモークサーモン、スモークチーズ、これならベーコンも作れるか。
夢は広がるぞ。
家の中の本棚には日本語の本もどっさり。
本棚の片隅には宮崎駿のナウシカの漫画が全七巻。
おおおお、ナウシカかあ、二十年ぐらい前に一度読んだか。
ニュージーランドでナウシカなんていいじゃあ、ありませんか。
雨の日にゆっくり本を読むなんて楽しみもできた。
場所がまたいい。
アロータウンの町外れで、車の通りはほとんどない。
とにかく静かなのだ。
家の周りではトゥイがきれいな声でさえずり、この声で目が覚めるのは1日の活力源だ。
トゥイの泣き声は独特で綺麗な声の中に時折ギジギジというような音が混ざる。
7種類ぐらいの音を出すと、何かの本で読んだ覚えがある。
友達のトモコは初めてニュージーランドに来た時にキャンプをして、朝この鳥の声で目覚めた時に、宇宙人かUFOがやってきたと勘違いしたそうな。
確かにこの鳥の声は電子音のようにも聞こえるし、これがたくさんいればそんな夢も見るだろうな。
ここは鳥の国なのだ。
裏側はすぐに山で5分も行くと展望台があり、おあつらえ向きにベンチなぞ置いてある。
この国のこういうところが好きだ。
夕暮れ時にボーっとするにはもってこいの場所である。
町を見下ろす高台という雰囲気で人は殆ど来ない。
たまに来るのは地元の人だけで観光客が全く来ない。
クィーンズタウンは観光の町なので賑やかなのは仕方ない。
だがここ数年、街の喧騒にうんざりしていた感はある。
昔は街のど真ん中、モールになんぞ住んでいたこともあったが、その家は今やおしゃれなバーになっている。
特にクリスマスから年末年始にかけては、街にいたくない。
郊外の家なら静かでよかろうと思うが最近ではそうでもなくなってきている。
若ければ街に繰り出しパーティーもいいが、年をとったのか落ち着く場所で飲むことが多くなった。
ここの家はまさに隠れ家。
家の横は墓地だが、日本的なヒュードロドロ「恨めしや~」というものは一切なし。
ただひたすらに静かな場所であり、裏山へも墓地を通っていく。
家の正面は教会で、日中は人を見かけるものの夕方になれば誰もいない。
食卓の窓から教会の白い壁と大きな木が見えて、この雰囲気もまた良い。
とにかくすべてが気に入ってしまった。
難点というか悩みと言うのか、忙しすぎてほとんどこの家に帰っていない。
帰ってきて一泊してすぐに次のツアーといった具合で、フラットメイトと御飯を食べたのも数回だ。
そうこうしているうちに年の瀬がそこまで来ている。
ナウシカも燻製もしばらく先になりそうだな。