『相良海老』を1か月近くかけて読了、他に浮気しながら少しずつ読んでました『安明間記』との副題もあり、安永と明和年間の田沼三代(意行・意次・意知)を記した物ですが、反田沼感情いっぱいです。
田沼推しは何度も挫折しそうになりますが、我慢して読みました。
反田沼の書ですが、田沼意次の家紋が丸に一文字から七曜紋に変える理由などはこの書が参考になっている面もまりますし、意知が佐野善左衛門に暗殺される時に鞘ぐるみで脇差を抜くなど、この書でも悪く書けない場面は逆に歴史的信頼も上がる(もしくは寛政期辺りでも田沼政権に認められたところもある)という穿った読み方もできます。
途中にあった話では…
石田三成は、佐吉と呼ばれた頃に美少年として豊臣秀吉に愛されて佐和山20万石の大名になり権力を恣にした。
同じく美少年だった田沼意次は、龍介(龍助)と呼ばれた頃に徳川吉宗に愛されたけど600石しか与えられず、吉宗は「龍介を寵愛してるけど天下の為になる人物じゃないから大禄は与えない」と言った。
だから、秀吉より吉宗の方が人を見る目があって凄いってことらしいけど…
むしろ吉宗の方が、人間としてクズじゃね?
まあ、2人とも根っからの女好きだから、この話し自体的外れですよね
また、後の世に田沼意次に利用された無能な大老とも言われている井伊直幸に対しての狂歌が記されていて
立(たて)からも 横から見ても 二本棒
伊井馬鹿ものと 人はいふなり
確かに縦も横も「井」の字は二本棒だし、「ばかもの」は井伊家の官職である掃部「かもん」をやじっているのでしょうね
個人的に井伊直幸公は、大好きですし名君のひとりと思っているのですが…
てか、幻の11代藩主とも称される井伊直富さんの評価は当時から高かったのですね
父に諫言して自害した風説まであったとは驚きました。
この本、田沼推しには精神的にキツいですが、相良藩があった牧之原市で購入できました