表門から天守に向かう時、天秤櫓の前に「鐘の丸」と呼ばれる曲輪の跡が残っています。
この鐘の丸は、築城時から本丸御殿が完成する前の間、藩主の家族が住んでいた場所だったのですが、それと同時に時報や様々な合図を行う鐘と鐘楼があった事からこの名が付けられました。
しかし、鐘の丸の位置では岩盤に反響して音が割れてしまう事から、2代藩主・井伊直孝の嫡男・直滋が天秤櫓と太鼓門櫓の間にある現在の場所に移され、それ以降は音が割れる事も無く、美しい音色を響かせるようになったと言われています。
その後、この鐘は彦根藩によって何度も作り直された物だったのですが、12代藩主・直亮の時代に、より美しい音色にするため大量の黄金を混ぜて鋳造したところ、それまでにない程に美しい音色を響かせるようになったのです、以降160年以上の間、同じ鐘が使われていて、秋の『玄宮園の虫の音を聞く会』と共に日本の音風景百選に選ばれています。
以前に太鼓門櫓のお話をした時に「太鼓が遠くまで鳴り響く構造になっている」と言いましたが、太鼓と同じように城下や家臣に合図を伝達する手段が鐘だったのです。
特に、時報鐘の音が早く打ち鳴らされたのは桜田門外の変を知らせる時でした、そういう意味では、この鐘も彦根の歴史を見て伝えている物なんですね。
しかし、桜田門外の変のような緊急を知らせる事は、260年近く続いた江戸時代でもそんなにある事では無く、普段の鐘は時刻を知らせる為にも使われていてたのです、江戸時代には1刻(2時間)ごとに鳴らされていたそうですが、今は6時・9時・正午・15時・17時の1日5回鳴らされているんですよ。
この時に、より正確な時刻を打つ為にラジオの時報を聞いて鐘を打っておられます。時報鐘という名前が残す時間に対するこだわりを感じさせていただけるお話ですね。
さて、時報鐘の紹介をわざわざ大晦日に書いている理由なのですが、大晦日・鐘と言えばやはり除夜の鐘ではないでしょうか?
時報鐘では毎年『彦根城で除夜の鐘をつく集い』が行われます、日時は12月31日の23時30分から24時30分までです。
一年の締め括りを彦根城自慢の鐘をうって彦根市内に響かせてみてはいかがですか?
・・・さてここからは余談です
除夜の鐘は、108回撞かれますがそれには大きな意味があります。
一般的に有名なのは人間の煩悩を表した数だという事ですが、この数はどこから出てきたのでしょうか?
その内容は、「六根」(眼・耳・鼻・舌・身・意)に苦楽・不苦・不楽があり6×3で18類
18類には浄・染があるそうで18×2で36類
36類も三世(前世・今世・来世)に渡るので36×3で108類になるんだそうです。
つまりは、今生きている分だけではなく、前世や来世の煩悩まで含まれているんですね。人間ってどれだけ煩悩の塊なんでしょうか?
別の説では月の数12と二十四節気の数24と七十二候の数72を足した数が108となることから、1年間を表しているとも言われているそうです。
この鐘の丸は、築城時から本丸御殿が完成する前の間、藩主の家族が住んでいた場所だったのですが、それと同時に時報や様々な合図を行う鐘と鐘楼があった事からこの名が付けられました。
しかし、鐘の丸の位置では岩盤に反響して音が割れてしまう事から、2代藩主・井伊直孝の嫡男・直滋が天秤櫓と太鼓門櫓の間にある現在の場所に移され、それ以降は音が割れる事も無く、美しい音色を響かせるようになったと言われています。
その後、この鐘は彦根藩によって何度も作り直された物だったのですが、12代藩主・直亮の時代に、より美しい音色にするため大量の黄金を混ぜて鋳造したところ、それまでにない程に美しい音色を響かせるようになったのです、以降160年以上の間、同じ鐘が使われていて、秋の『玄宮園の虫の音を聞く会』と共に日本の音風景百選に選ばれています。
以前に太鼓門櫓のお話をした時に「太鼓が遠くまで鳴り響く構造になっている」と言いましたが、太鼓と同じように城下や家臣に合図を伝達する手段が鐘だったのです。
特に、時報鐘の音が早く打ち鳴らされたのは桜田門外の変を知らせる時でした、そういう意味では、この鐘も彦根の歴史を見て伝えている物なんですね。
しかし、桜田門外の変のような緊急を知らせる事は、260年近く続いた江戸時代でもそんなにある事では無く、普段の鐘は時刻を知らせる為にも使われていてたのです、江戸時代には1刻(2時間)ごとに鳴らされていたそうですが、今は6時・9時・正午・15時・17時の1日5回鳴らされているんですよ。
この時に、より正確な時刻を打つ為にラジオの時報を聞いて鐘を打っておられます。時報鐘という名前が残す時間に対するこだわりを感じさせていただけるお話ですね。
さて、時報鐘の紹介をわざわざ大晦日に書いている理由なのですが、大晦日・鐘と言えばやはり除夜の鐘ではないでしょうか?
時報鐘では毎年『彦根城で除夜の鐘をつく集い』が行われます、日時は12月31日の23時30分から24時30分までです。
一年の締め括りを彦根城自慢の鐘をうって彦根市内に響かせてみてはいかがですか?
・・・さてここからは余談です
除夜の鐘は、108回撞かれますがそれには大きな意味があります。
一般的に有名なのは人間の煩悩を表した数だという事ですが、この数はどこから出てきたのでしょうか?
その内容は、「六根」(眼・耳・鼻・舌・身・意)に苦楽・不苦・不楽があり6×3で18類
18類には浄・染があるそうで18×2で36類
36類も三世(前世・今世・来世)に渡るので36×3で108類になるんだそうです。
つまりは、今生きている分だけではなく、前世や来世の煩悩まで含まれているんですね。人間ってどれだけ煩悩の塊なんでしょうか?
別の説では月の数12と二十四節気の数24と七十二候の数72を足した数が108となることから、1年間を表しているとも言われているそうです。