ここからはナサニエル・フィルブリック 「復讐する海」 その3の続きです
これまでの粗筋:
捕鯨船エセックス号は巨大なマッコウクジラに体当たりされ転覆します。20名の乗組員は3艘のボートに乗り分け南米チリー沿岸を目指しますが、途中の島に残留した3人、とボートの5名が生き残っただけでした しかもボートの乗組員は仲間の遺体を食料として食いつなぎながら生き延びました
爺がこの本に興味を感じたのは食い物が無いという困窮した状態で「食人(カニバリズム)--食料として人を食う--」が食った人にどの様に影響するかでした
爺ならば「世間の非難に耐えても」夕暮れになると外でゆれる木の影が「食べた山田君に見えたり」「廊下の隅に田中君が恨めしそうに立っていて」ついには耐えられなくなって「精神が壊れてしまうか」「自殺をしてしまう」のでないかと思うのです
エセックス号の生き残り5名は又残りの人生を船乗りとして身を立てます
成功した者成功しなかった者、人肉を食べた事と無関係にそして立派に人生を送りました
2等航海士は晩年気が狂いますがそれは「船が襲われたとき何故マッコウ鯨に銛を打たなかったか?」という事が今の言葉で「トラウマ」となり彼の心を悩まし続けて結果と思われます
教会も地域の人々も生き残りの5名が人肉を食べた事を「おぞましい事ではあるが声高に非難する事をも避けたようです」
先に「終戦のローレライ」で人肉を食べる日本兵の話が創作として語られますが、そこに見られるような「その日を境に人間でなくなってしまう」様な反応は記述されていません
別な話ですが最近の考古学者の中でも「中東の紀元前後の墳墓から500も600も頭蓋骨を発掘し整理する研究に従事すると、日本人の学者は老いも若きも精神的に耐えられない」との反応を示すそうです 西欧の学者に言わせれば「単に大昔の骨というか遺物に過ぎない」物なのにと怪訝な顔をされるそうです
なんとも日本人の神経の繊細でか弱い事(その事は悪い事ばかりでは有りませんが)西欧人の精神のタフな事或いは我々と構造の違う事を痛感しました
最近松岡前農相の自殺、7メートルの漁船で朝鮮から密航などいろいろ考えさせられる折節です
木造帆船の大きさについて又別の機会に書いてみたいと思います
これまでの粗筋:
捕鯨船エセックス号は巨大なマッコウクジラに体当たりされ転覆します。20名の乗組員は3艘のボートに乗り分け南米チリー沿岸を目指しますが、途中の島に残留した3人、とボートの5名が生き残っただけでした しかもボートの乗組員は仲間の遺体を食料として食いつなぎながら生き延びました
爺がこの本に興味を感じたのは食い物が無いという困窮した状態で「食人(カニバリズム)--食料として人を食う--」が食った人にどの様に影響するかでした
爺ならば「世間の非難に耐えても」夕暮れになると外でゆれる木の影が「食べた山田君に見えたり」「廊下の隅に田中君が恨めしそうに立っていて」ついには耐えられなくなって「精神が壊れてしまうか」「自殺をしてしまう」のでないかと思うのです
エセックス号の生き残り5名は又残りの人生を船乗りとして身を立てます
成功した者成功しなかった者、人肉を食べた事と無関係にそして立派に人生を送りました
2等航海士は晩年気が狂いますがそれは「船が襲われたとき何故マッコウ鯨に銛を打たなかったか?」という事が今の言葉で「トラウマ」となり彼の心を悩まし続けて結果と思われます
教会も地域の人々も生き残りの5名が人肉を食べた事を「おぞましい事ではあるが声高に非難する事をも避けたようです」
先に「終戦のローレライ」で人肉を食べる日本兵の話が創作として語られますが、そこに見られるような「その日を境に人間でなくなってしまう」様な反応は記述されていません
別な話ですが最近の考古学者の中でも「中東の紀元前後の墳墓から500も600も頭蓋骨を発掘し整理する研究に従事すると、日本人の学者は老いも若きも精神的に耐えられない」との反応を示すそうです 西欧の学者に言わせれば「単に大昔の骨というか遺物に過ぎない」物なのにと怪訝な顔をされるそうです
なんとも日本人の神経の繊細でか弱い事(その事は悪い事ばかりでは有りませんが)西欧人の精神のタフな事或いは我々と構造の違う事を痛感しました
最近松岡前農相の自殺、7メートルの漁船で朝鮮から密航などいろいろ考えさせられる折節です
木造帆船の大きさについて又別の機会に書いてみたいと思います