人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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国は今こそ貨物列車迂回対策を!

社会保険庁の呆れた実態

2007-05-20 20:12:19 | その他(国内)
今日のTBS系「報道特集」で、社会保険庁で起きた年金記録紛失事件が取り上げられた。97年に基礎年金番号制が導入されてからは、何度転職しようが、適用を受ける年金制度が変わろうが同じ番号で処理が行われる。しかし、それ以前は年金制度ごとに年金番号がバラバラだったため、転職や失業、退職のたびに同一人物に異なる年金番号が割り振られた。その結果、誰に割り振られているのかわからない「行方不明年金番号」が発生し、なんとその件数、5000万件にも上るというのだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070512-00000000-san-soci

このニュースは大々的に報道されたので多くの方がご存じだろう。そしてほとんどの方が、将来の人生設計、生活設計に直結する年金をこれほどまでにずさんに管理していた社会保険庁に怒り、失望を感じたことだろうと思う。

だが、私はこのニュースを聞いても「やっぱりそうか」と思うだけで、別に驚かなかった。社会保険庁の仕事がずさんだということを前々からずっと知っていたからである。

一例を挙げると、こんなことがあった。
私の前の職場で、一週間の勤務時間が30時間未満のパートタイマーがいた。社会保険庁が管轄する健康保険(政府管掌健康保険)には週の勤務時間が30時間以上の人が加入するルールになっている(30時間未満の人は自分で保険を掛ける必要がなく、扶養してくれる人がいる場合にはその人の被扶養者になればいい)。厚生年金も同様で、週30時間以上勤務する人が加入する。インターネットで調べれば素人でも簡単に調べることができる。
ところが、こんな簡単なことすら知らない上司がいて、健康保険に加入させないままパートタイマーの勤務時間を週30時間以上になるように延長させようとしていた。当然、それを指摘する人がいて揉めたあげく、社会保険事務所に問い合わせてみることになった(本当は法律で決まっていることだから、問い合わせるまでもなく結論はわかっているのだが、上に対しては弱く下に対しては強いダメ上司を説得するには社保庁という「外圧」を利用せざるを得なかったのである)。
ところが、社会保険事務所に問い合わせる段階で驚くべき事が起きた。

私「週の勤務時間が30時間に満たないパートタイマーを雇っているのですが、健康保険に加入させる必要はありますか?」
社保庁担当官A「雇用しているのであれば入っていただきます」(もちろんこれは間違い)

再度電話すると別の担当官が電話に出たので同じ質問をする。
担当官B「健康保険の加入条件は勤務時間により異なります。週あたり30時間に満たない勤務の人は加入させる必要はありません」(これが正解)
私「そうですよね。そちらのAさんが違うことを仰っていたのでBさんからも言っておいてもらえますか」
担当官B「わかりました」

しばらくすると、また社会保険事務所から電話。出てみると先刻のAさんからである。
担当官A「雇用している以上は健康保険に入らなければなりません」
私「そんなことないでしょう。Bさんだってその必要はないと仰っていますし、第一、あなた方が発行した社会保険の手引きに“加入は週の労働時間が30時間以上の場合のみ”と書いているじゃありませんか」

すると、A氏は一瞬の沈黙の後、こう言い放ったのだ。
担当官A「…それでしたら(加入させなくて)結構です」

…怒るよりも呆れてしまい、声が出なかった。
「どこの職場にも、仕事を知らない奴はいる」と個人の資質の問題にして片付けてしまう手もあったかもしれない。しかし、仮にも社会保険庁の職員がその程度のことも知らないでどうするのだろうか。

社会保険庁の役人だから自分の年金もしっかり管理してくれているはず、などというのは幻想である。実際にはこのレベルの職員がたくさんいるのが社会保険庁なのだ。
今の国会で、社会保険庁の組織改革案が議論されている。政府案通り法案が成立すれば、社会保険庁は非公務員型の「ねんきん事業機構」に移行することになるが、今でさえ記録の管理がきちんとできていない状態で新組織に移行などという事態になったらどうなるのだろうか。
組織改革のゴタゴタでまた資料紛失…などという事態にならなければよいのだが…

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