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門司港の観光トロッコ列車、動き出す

2008-03-15 17:43:46 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
門司港観光トロッコ列車、動き出す(毎日新聞北九州版)

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 北九州随一の観光名所・門司港の魅力アップを図る「観光トロッコ列車」が、13日の鉄道事業許可申請で実現に向けて動き出した。和布刈地区への集客と同時に、関門人道トンネルを通じた下関市側との連携も視野に入れている。
 北九州市と平成筑豊鉄道(本社・福智町)の申請によると、JR門司港駅近くから和布刈公園まで、休止中の貨物線2キロを利用して走らせる。09年の開業を予定し、年間10万人以上の利用を目指す。
 和布刈地区は関門海峡の最も狭い部分に面している。頭上に関門橋があり、目の前を多くの船が行き交う。また歩いて下関市に渡れる関門トンネルの人道口もある。
 列車運行に合わせ、市は和布刈公園に民間の観光施設誘致を検討。また終点より先にある線路を使って手こぎ車両などで遊べる「レールパーク」の整備も考えているという。
 途中駅と関門トンネル人道口が近いことから、市門司港レトロ室は「下関側と協力してトロッコ列車とトンネル、バス、関門渡船を組み合わせた周回コースをアピールしたい」と話している。【古川修司】
〔北九州版〕
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鉄道ファン以外の方のため解説しておくと、JR門司港駅から門司港先端へ向けて大規模な専用線が延びている。このうち、門司港~外浜はJR貨物が第1種免許を持つ鹿児島本線の一部で、そこから先の区間が北九州市が第1種事業者である田野浦公共臨港線になっている。
この臨港線には、過去、平成筑豊鉄道から鹿児島本線経由で三井鉱山のセメント列車が運転されていたが、三井鉱山が産業再生機構傘下に入って再建されることになった際、鉄道輸送を廃止し、列車がなくなってしまったため、田野浦公共臨港線は2004年3月に「休止」となった。(写真は当時の貨物列車)

鉄道事業法では、休止は原則として1年が限度で、それ以降は廃止か復活させるか決定しなければならないが、休止から4年経った現在も休止のまま廃止を免れ現在に至っている。

国鉄分割・民営化当時には、この臨港線が運輸局への届出漏れで「幽霊線路」になるという事件もあった。国鉄と連結する専用線はJR貨物が一定期間内に届出をすれば、そのまま専用線の認可を受けたものとして引き続き運行できる法律があったが、JR貨物が届出を忘れ、北九州市も気づかず忘れていたために、運輸局からの認可がない状態で「違法営業」になっていることが、10年近く経ってから発覚するという事件だった。結局、関係者の協議によって認可申請を出し直し、運輸局が改めて営業を認可することで決着した経緯がある。

休止のまま廃止を免れたとしても、肝心の列車運行が復活する見込みが全くない田野浦公共臨港線の今後が気がかりではあるが、ともかくもトロッコ列車に和布刈地区までの運行認可が下りたのは初めてである。この路線は海のすぐそばを走り、風光明媚であるだけでなく、途中区間には和布刈トンネルもあるためトロッコ列車を運転するにはとても向いている。トンネルを越えた和布刈地区には市営プールもあるので、夏季にはプール前に駅を設ければ利用客の利便にもつながるだろう。

運行が開始された暁には、是非1度といわず何度でも乗りに行きたい路線である。JR小倉駅にも近いので、東京からでも大阪からでも日帰りで乗りに行ける便利さもある。

ただ、気がかりなのは路線の今後もそうだが、運行にJRが関与していないことである。行政中心のイベント運行では安定的な運行は難しいのではないだろうか。

成功したトロッコ列車の先行事例である嵯峨野観光鉄道、ノロッコ号などはいずれもJRが定期運行をしている。軌道に乗せるためには「いつでも運行していて、乗れる」という形にする必要があるが、そのためにはJRの協力が不可欠である。JR九州が乗り気でないならJR貨物でもかまわない。ぜひ、JRとの協力関係を築き、定期運行できる形にして認知度を上げる努力が求められるといえよう。

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