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京品ホテルに強制執行

2009-01-29 21:18:19 | その他(国内)
<京品ホテル>従業員立ち入り禁止の強制執行 東京・品川(毎日新聞)

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 東京・品川駅前の老舗「京品(けいひん)ホテル」(港区)廃業に反対する従業員労働組合が自主営業を続けていた問題で、東京地裁は25日、従業員らをホテル施設から退去させ、立ち入り禁止とする強制執行を行った。今月15日の仮処分決定に伴うもので、執行の際に労組と警官らが激しいもみ合いとなり、組合側によると3人がけがをし、うち1人が救急車で病院に運ばれた。

 前夜からの徹夜組も含め組合員や支援者約300人が午前5時ごろ、強制執行を止めるためホテル入り口の歩道でスクラムを組むと、間もなく警視庁のパトカーなどが到着。前を通る第一京浜国道の3車線のうちホテル側2車線が交通規制される中、午前7時過ぎに地裁の執行官らが立ち退きを求めたが、組合側が拒否した。

 このため、午前9時過ぎに警視庁の機動隊員ら約200人が組合員らを次々と列から引き離した。「暴力反対」「帰れ」などの怒号が飛び交い騒然となったが、約30分でほぼ全員がホテルから退去させられた。

 その後会見した東京ユニオンの渡辺秀雄委員長は「私たちが(反対の)旗を降ろさない限り問題は絶対解決しない。解雇を撤回させる」と闘争継続を表明。従業員が加入する同ユニオン京品支部の金本正道支部長は「こんな悔しい思いのまま終わらせる訳にはいかない。必ず、必ず戻ってきます」と涙ながらに訴えた。

 一方、ホテルの日本料理店で9年間働いた佐藤光子さん(75)は、約3カ月間自主営業を続けた仲間が目の前で手荒く排除されていくのが悔しかった。自主営業中は連日満員。存続を求める署名も7万人分集まった。「これほど愛されたのになぜ廃業するのか」。

 会社側は「裁判所の力で違法状態は是正された。世間をお騒がせし、深くおわびする」との談話を出した。

 この問題は、ホテルを経営していた「京品実業」が昨年10月20日、多額の債務による経営悪化などを理由に廃業、131人の従業員のうち正社員39人とパート社員30人を解雇したのがきっかけ。債権者が破たんした米証券大手のリーマン・ブラザーズの日本法人の子会社だったため、従業員らは「ホテルは赤字でなく、土地転売を目的とした不当解雇だ」と反発し、24日までホテルと飲食店の自主営業を続けた。

 しかし、京品実業側が立ち入り禁止などの仮処分を申請し、東京地裁が15日に認めた。組合側は執行停止などを申し立てたが、却下された。【東海林智、工藤哲】
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1月15日に強制執行を認める仮処分命令が出されており、執行は間違いなしと見られていたが、この強制執行にはどうしても釈然としないものが残る。

確かに、建物の所有権は京品実業にあり、自主営業をしている労働組合の行為は「不法占拠」ではある。しかし、別の報道によれば、倒産はバブル期の副業で失敗したせいであり、本業のホテル業では黒字を出していた。「営業利益の出ているホテルを廃業するのはおかしい」という従業員側の主張はもっともであり、建物売却以外の方法で債務を返済する道もあったのではないかと思われる。

解雇回避の努力をすべきであるのにそれを怠り、もっとも安易な倒産整理の道を選んだ経営者もさることながら、そうした企業倫理を問うこともせず、「使用者による事業の決定は、事業者が自由に行い得る」(蓮井俊治裁判官)とした裁判官の決定も、あまりに机上の空論だと当ブログは考える。この裁判官は法律書は読めても企業倫理とは何か、従業員の生活をどうすべきか、といったことに考えが及ばなかったらしい。勉強しかできないおぼっちゃま秀才はこれだから困る。

ついでに言えば、京品実業を支配しているのは倒産したリーマン・ブラザーズだった。この恥ずべき金融ブローカー集団は、額に汗して働くことなど何一つせず、他人が額に汗して作り上げた経済価値を強奪することを生業とするもっとも堕落した連中であり、金融資本主義が生んだ鬼っ子である。

私と仕事上のつきあいがある地元の中小企業のある社長が私にこう訴えかけてきたことがある。「なあ君、おかしいと思わないか。額に汗して働く者よりも、冷や汗を手に握りながらギャンブルにいそしむ連中の方が巨万の富を得る世の中なんて。こちとらどこの工事を請け負っても、買い叩かれ、利益も出ない状態で四苦八苦しているというのに」。資本主義体制の中でも、心ある経営者たちはこの事態を真剣に憂えているのだ。

額に汗して働く者から経済価値を強奪し、そのあげくに世界経済を大混乱に陥れてきた金融ファンドなど出ていけ。それが当ブログの主張である。死にぞこないの金融ファンドのために、従業員を強制執行で追い出してまで追い銭をくれてやる必要などどこにあろう。私たちはむしろ、世間知らずのおぼっちゃま秀才裁判官とは全く逆の要求をする--「お前たちこそ出て行け」と。怠け者で強欲で恥知らずの金融ファンドにとどめを刺し、リーマン・ブラザーズの葬式を出してやることこそ、今、私たちがなすべき仕事なのだ。

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