安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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原発を止める55の方法(宝島社)

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規制緩和が生んだJR事故(国鉄闘争共闘会議パンフレット「国鉄分割民営化20年の検証」掲載)
ローカル鉄道に国・自治体・住民はどう向き合うべきか(月刊『住民と自治』 2022年8月号掲載)
核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

【お知らせ】本日発売の週刊「AERA」誌にご注目下さい!

2011-12-12 23:15:34 | 書評・本の紹介
本日発売の週刊「AERA」誌(12月19日号)に、「ママから始まる日本の”革命”」と題する記事が掲載されています。福島原発事故以降、子どもを守ろうと各地で母親たちが動き回り、現実に政治や行政を動かしつつある実態を、4ページも割いて特集してくれています。

詳細は記事をお読みいただきたいと思いますが、母親たちがしなやかに繋がりながら、自分のアイデアを持ち寄り具体化していく様子が生き生きと伝わってくる記事です。

母親たちの動きを「持ち寄り民主主義」「ママ・レボリューション」と称した記者の慧眼に改めて感謝したいと思います。

この記事の最後に、経産省前で10~11月にかけて行われた女たちの100人座り込みのことが取り上げられています。この記事に関しては、私と連れ合いがAERA誌の取材を受けました。

私たちを取材した記者はフリーの方で、みずからも母親としてこの問題に強い関心を持っている人です。第一印象は、とてもかわいらしい中にも強い意思を秘めている人で、ある意味、私の理想の女性像に近いとても魅力的な方でした。

取材の動機は、当ブログ11月6日付の記事「女たちの経産省前座り込み」を終えて(感想)を読んで、この記者の方がとりわけ「手作り」「多様性」といったキーワードに象徴されるこの運動の「創られ方」に関心を持ったことがきっかけでした。

この記事の冒頭に使われている「女たちの100人座り込み」閉会集会(10月29日)の写真も、私が撮影したものを提供しました(サムネイル写真)。この写真は、10月29日、3日間にわたる座り込みを終えた福島の女性たちが、経産省を取り囲む「人間の鎖」行動のために自分たちの手で編んだ毛糸を、30日から座り込みを始める全国の女性たちに引き継いでいるシーンです。3日間にわたった座り込みと「人間の鎖」行動の成功を象徴するシーンであり、会心の1枚です。私自身、どこかに出したいと思いながら、そのままになっていたもので、結果的には、AERA記者から大変喜ばれました。

この行動を振り返り、改めて思うことがあります。「組織を作って大きくし、拳を振り上げて大きな声を出す」という男性主導の運動が半世紀かかっても変えられなかったこの国を、母親を中心とする女性たちはわずか半年で変えようとしています。こうした運動は、2011年の年明け早々に起きた「アラブの春」にも共通するものです。

余談ですが、AERA誌の取材中、私は記者の方に、「コミュニケーションの重要性ばかりが叫ばれながら、実際には日本社会がますます分断と分裂を強め、違う階層同士の間には対話すら成立しないという状況が起こりつつあるのではないか」という懸念を伝えました(11月28日付記事参照)。この懸念に対し、記者の方は、「それでもお互いが摩擦し、神経をすり減らしながらでも対話していく以外にないと思います」と対話の重要性を強調していました。

「あいつは考えが違うから」と投げ出してしまうのでなく、違う考え方を持つ相手だからこそ対話を続け、変えていく。女性たちの運動が短期間できわめて大きな成果を上げている背景にはこのような粘り強く柔軟な姿勢もあると思っています。

当ブログ管理人にとって、むしろ記者の方から今後を生きる上で重要な示唆を与えていただいたと思っています。その意味では、単なる記者と取材対象者という関係性を越えた有意義な取材であり、受けてよかったと思っています。

原発事故以降、高濃度汚染された福島在住という状況の中で、当ブログ管理人は何度も絶望しかけました。しかし、一方で日本社会にこうした素晴らしい女性が大勢いて、民主主義の新たな担い手として登場しているとわかったことで、まだ希望を捨ててはいけないという気持ちも持つことができました。今後はこうした女性たちがこの社会の新しい未来を作っていくことを信じたいと思います。

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