人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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国は今こそ貨物列車迂回対策を!

周遊きっぷ、廃止へ

2013-02-15 23:02:25 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
JRグループ、「周遊きっぷ」の販売を3月末で終了(レスポンス)

JRグループの公式発表はこちら

上記リンク先の記事&発表の通り、「周遊きっぷ」が3月限りで廃止と決まった。1998年に旧周遊券に代わって登場して以来15年。登場当時は67もあったゾーンはダイヤ改正のたびに少なくなり、昨年春からはついに13ゾーンを残すのみ。廃止は時間の問題と思われた。

実家に帰省する際に新白河駅で「下関・北九州ゾーン」の周遊きっぷを買ったら、駅員から堂々と「私は過去3回しか発券したことがありません」といわれた。「そんなに売れてないんですか?」と聞いたら「売れていません」と即答され、面食らった。

ネット上では一部に惜しむ声もあるものの、当ブログ管理人は惜しいとは思わない。過去の記事で取り上げたオレンジカード廃止のような一時代の終わりという感慨もない。厳しい言い方をすれば、時代を築く前に命脈が尽きた印象だ。

多くのファンが指摘しているように、国鉄時代に発売開始された周遊券と異なり、周遊きっぷは乗り放題となる「ゾーン券」がJR会社間にまたがって設定される例がほとんどなく、いかにも国鉄分割の弊害を象徴するような切符で使い勝手が悪かった。周遊券時代は、フリー区間までの経路が指定されている代わりにフリー区間への往復の経路も合わせて時刻表に価格が記載されていたから、「フリー区間までの単純な往復だけでも元が取れるかどうか」の比較が容易にできたのに対し、周遊きっぷはゾーンへの往復の経路が指定されていない代わりにその都度自分で計算しなければ往復乗車券より安いかどうかが判定できない。これだけでも面倒なのに、計算してみると、実際にはほとんどのゾーンで単純な往復だけでは元が取れなかった(この切符を買う意味があるのは、ゾーン内を相当乗り回せる人だけだろう)。

ゾーンは狭く、通常の乗車券との価格の比較も面倒で、その上、元も取れないような切符を誰が買うだろうか。実際、周遊きっぷが発売された98年以降、15年の乗り鉄人生の中で、この切符を使っている人に出会ったのは1回きりだった。ファンにとって使い勝手のよかった周遊券廃止に対する批判をかわすためのアリバイ作りとして考案された切符だったと私は断言できる。

これで、JRグループ6社が共同で発売する割引切符もほとんど姿を消すことになる。残ったのはJRグループ各社単位で地域を限定して発売される割引切符とツアーだけになった。


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