安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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大間原発差し止め訴訟 函館市長、堂々意見陳述

2014-07-06 23:18:33 | 原発問題/一般
大間凍結「函館市民の総意」 東京地裁で初弁論 市長が陳述、国側は却下求める(北海道新聞)

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 青森県大間町で建設中の大間原発をめぐり、函館市が国と事業者の電源開発を相手取り、建設差し止めや原子炉設置許可の無効確認などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、東京地裁(増田稔裁判長)で開かれた。国側は、函館市に原告適格(訴える資格)はないと却下を求めた。函館市側は工藤寿樹市長が意見陳述し、「最終的に住民の生命、安全を守らなければならないのは基礎自治体の市町村。大間原発の建設凍結は函館市民の総意だ」と訴えた。

 自治体が原発の差し止めを求めた訴訟は初めて。電源開発側も却下を求めた上で、函館市側が大間原発の問題点と指摘した「巨大活断層の見落とし」や「不十分なテロ対策」などについて争うとした。

 工藤市長は意見陳述で、函館市と大間原発は最短で23キロしか離れておらず、事故が起きた場合、人口が多い同市から市民が速やかに避難するのは困難と説明。「福島の事故を踏まえ、30キロ圏の自治体は避難計画の策定を義務付けられたが、原発建設の同意権は認められないままだ。手続きや手順を見直すこともなく建設を続けるのは、極めて横暴で強圧的なやり方だ」と主張した。

 被告側は答弁書で、函館市側が憲法の地方自治に関する規定から「地方自治体の存立を維持する権利(地方自治権)」を導き、訴えの根拠とした点に反論。「憲法は地方自治を制度として保障したもので、自治体の具体的な権利を保障したものではない」と述べた。<北海道新聞7月4日朝刊掲載>
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函館市が提訴した大間原発差し止め訴訟で、工藤壽樹・函館市長が堂々と意見陳述をした。陳述全文は、函館市サイトで読むことができる。

これに対し、国側は市の主張に全く反論できず、「市側に訴訟適格性がない」(訴える資格がない)として門前払いを求めることしかできなかった。地域と住民を守るため、堂々と原発の違法性を訴えた函館市に対し、情けない限りだ。

「憲法は地方自治を制度として保障したもので、自治体の具体的な権利を保障したものではない」という国側の主張は詭弁だ。日本国憲法に基づく権利をできるだけ具体化させず、抽象的な「概念」へと後退、空洞化させようとする企てを、自民党政府は戦後一貫して行ってきた。その行き着く果てが「閣議決定で戦争参加を可能とする」憲法破壊のクーデターだ。

これに対し、函館市の訴訟は「地域から住民とともに憲法に規定された権利を個別・具体化していく闘い・試み」のひとつとして重要な意味を持っていることを、いま一度確認しておきたい。

意見陳述全文を読むと、市側の主張には説得力に富んでおり、福島原発事故を教訓として地域と住民を原発災害から守ろうとする強い意志が感じられる。当ブログは函館市の訴訟を全面的に支持する。

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7月5日早朝の岩手県沖地震について

2014-07-06 22:11:19 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第72報)-平成26年7月5日07時42分頃の岩手県沖の地震-(気象庁報道発表、PDF)

東北で、久しぶりに震度5弱を観測する地震があった。報道発表によると、地震規模はM5.9、震源深さは49km、発震機構(地震のメカニズム)は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型。これは、昨年8月4日の宮城県沖地震(資料)とほぼ同じだ。

東日本大震災は、震源深さが約10kmという浅い場所での地震だったが、最近、震源が40~50km程度のやや深めの場所での地震が増えてきている。昨年5月18日、福島県沖を震源とする地震(資料)も深さ46kmの震源の地震だ。逆に、最近は10km程度の浅い震源の地震は減少傾向にあり、興味深い。

報道発表の仕方からわかるように、気象庁はこの地震も東日本大震災の余震活動の一環と見ている。もちろん、地球的規模から見れば10kmか40~50kmかは誤差の範囲だろうから、これらの地震を東日本大震災の余震活動の一環とする気象庁の見解に、当ブログが正面から異議を唱えることは差し控えたいと思う。しかし一方、2012年頃までは、余震も10~20kmの比較的浅い震源に集中し、40~50km程度の深さで起こるものがほとんどなかったことを考えると、最近の地震は東日本大震災の余震活動の一環と捉えるとしても、以前のものと「毛色」が変わってきている。

数年後に再び東北沖を震源に巨大地震が起き、「いま考えれば、数年前の40~50km震源の地震は前震活動だった」などと振り返られることがないよう、最近の毛色の変わってきている地震活動については、少し丁寧に見ていく必要があると思う。

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