「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第35報)(4月11日、福島県浜通り沖の余震)
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第36報)(4月12日、千葉県東方沖の余震)
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第37報)(4月12日、福島県浜通り沖の余震)
ここ数日、大規模な余震が発生するペースが速く、当ブログ管理人の解説が全く追いつかないので、ここでまとめてコメントする。
1.4月11日、福島県浜通り沖の余震
発生日時:4月11日17時16分
発震機構:東北東-西南西方向に張力軸を持つ正断層型 (速報値)
地震の規模:M7.0(速報値)
場所および深さ:福島県浜通り(いわきの西南西、約30km付近)、深さ6km(暫定値)
震源深さが6kmときわめて浅いところで発生したため、揺れが大きくなったが、その分、揺れた範囲は小さかったと思われる。注目していただきたいのは発震機構だ。3月11日の東日本大震災は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型だったから、圧力のかかる方向が逆になっている(逆断層型は活断層同士が内側へ押し合って発生するのに対し、正断層型は外向きに引っ張り合って発生する)。
3月11日の東日本大震災は、桁外れに大きな地震だったため、この地震自体が地殻の大きなずれやゆがみを発生させたと見られる。地震学者は、東日本大震災に伴って内側に押しつけられすぎてゆがんだ地殻が、そのストレスを発散させるために逆方向に動いたことが原因ではないかと指摘している。余震のひとつに違いないが、余震ひとつとっても3月11日の東日本大震災がいかに桁外れだったかを再認識させてくれる。
2.4月12日、千葉県東方沖の余震
発生日時:4月12日08時08分
発震機構:東北東-西南西に張力軸を持つ横ずれ断層型(速報値)
地震の規模:M6.4(暫定値)
場所および深さ:千葉県東方沖、深さ26km(暫定値)
震源深さは、やや浅め。横ずれ断層型というのは、地殻が上下方向でなく横方向にずれて発生する。日本近辺では余り発生例のないケースだが、東日本大震災で発生した新たな地殻のずれを解消するために起きたものかもしれない(圧力のかかる方向が、1の余震と同じ東北東-西南西であることにも注意してほしい)。
3.4月12日、福島県浜通り沖の余震
発生日時:4月12日14時07分頃
発震機構:北北東-南南西方向に張力軸を持つ型(速報値)
地震の規模:M6.3(速報値)
場所および深さ:福島県浜通り、深さ約10km(速報値)
規模は1の余震よりマグニチュードでほぼ1小さいので、エネルギーは約30分の1程度だが、例によって浅いところで起きたため揺れが大きくなったと考えられる。福島県沖を震源とする地震は見たところどれも震源がきわめて浅く、それほどのエネルギーでなくても激しい揺れが伴うことが多い。今後も注意が必要だ。
圧力のかかる方向は1・2の余震とはまた別で、これも東日本大震災による地殻のずれを修正するための別の地震というところだろうか。
●1~3の余震を全体的に見て
地震学者が指摘するように、東日本大震災が桁外れであったため、地震それ自体が新たな地殻のずれやゆがみを発生させたのだとすれば、今後もこれを修正するための地震はかなり長い期間、起きると考えられる。場合によっては今後数年間はこうした「後処理」的地震の発生があるかもしれないが、そうした地震が発生した場合、地震学的に東日本大震災の余震活動かどうかを判定するのは時間が経過するほど困難を伴うだろう。
この地域はプレート境界近くにあるため、地殻の内部には移動するプレートによって常に巨大な力がかかり続けている。地殻のずれやゆがみは大きなものほど早く修正され、次第に小さなものへと及んでいく。つまり、余震活動は初め活発で、次第に衰えていく。地震の規模もそれに伴い、小さくなっていくに違いない。
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第36報)(4月12日、千葉県東方沖の余震)
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第37報)(4月12日、福島県浜通り沖の余震)
ここ数日、大規模な余震が発生するペースが速く、当ブログ管理人の解説が全く追いつかないので、ここでまとめてコメントする。
1.4月11日、福島県浜通り沖の余震
発生日時:4月11日17時16分
発震機構:東北東-西南西方向に張力軸を持つ正断層型 (速報値)
地震の規模:M7.0(速報値)
場所および深さ:福島県浜通り(いわきの西南西、約30km付近)、深さ6km(暫定値)
震源深さが6kmときわめて浅いところで発生したため、揺れが大きくなったが、その分、揺れた範囲は小さかったと思われる。注目していただきたいのは発震機構だ。3月11日の東日本大震災は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型だったから、圧力のかかる方向が逆になっている(逆断層型は活断層同士が内側へ押し合って発生するのに対し、正断層型は外向きに引っ張り合って発生する)。
3月11日の東日本大震災は、桁外れに大きな地震だったため、この地震自体が地殻の大きなずれやゆがみを発生させたと見られる。地震学者は、東日本大震災に伴って内側に押しつけられすぎてゆがんだ地殻が、そのストレスを発散させるために逆方向に動いたことが原因ではないかと指摘している。余震のひとつに違いないが、余震ひとつとっても3月11日の東日本大震災がいかに桁外れだったかを再認識させてくれる。
2.4月12日、千葉県東方沖の余震
発生日時:4月12日08時08分
発震機構:東北東-西南西に張力軸を持つ横ずれ断層型(速報値)
地震の規模:M6.4(暫定値)
場所および深さ:千葉県東方沖、深さ26km(暫定値)
震源深さは、やや浅め。横ずれ断層型というのは、地殻が上下方向でなく横方向にずれて発生する。日本近辺では余り発生例のないケースだが、東日本大震災で発生した新たな地殻のずれを解消するために起きたものかもしれない(圧力のかかる方向が、1の余震と同じ東北東-西南西であることにも注意してほしい)。
3.4月12日、福島県浜通り沖の余震
発生日時:4月12日14時07分頃
発震機構:北北東-南南西方向に張力軸を持つ型(速報値)
地震の規模:M6.3(速報値)
場所および深さ:福島県浜通り、深さ約10km(速報値)
規模は1の余震よりマグニチュードでほぼ1小さいので、エネルギーは約30分の1程度だが、例によって浅いところで起きたため揺れが大きくなったと考えられる。福島県沖を震源とする地震は見たところどれも震源がきわめて浅く、それほどのエネルギーでなくても激しい揺れが伴うことが多い。今後も注意が必要だ。
圧力のかかる方向は1・2の余震とはまた別で、これも東日本大震災による地殻のずれを修正するための別の地震というところだろうか。
●1~3の余震を全体的に見て
地震学者が指摘するように、東日本大震災が桁外れであったため、地震それ自体が新たな地殻のずれやゆがみを発生させたのだとすれば、今後もこれを修正するための地震はかなり長い期間、起きると考えられる。場合によっては今後数年間はこうした「後処理」的地震の発生があるかもしれないが、そうした地震が発生した場合、地震学的に東日本大震災の余震活動かどうかを判定するのは時間が経過するほど困難を伴うだろう。
この地域はプレート境界近くにあるため、地殻の内部には移動するプレートによって常に巨大な力がかかり続けている。地殻のずれやゆがみは大きなものほど早く修正され、次第に小さなものへと及んでいく。つまり、余震活動は初め活発で、次第に衰えていく。地震の規模もそれに伴い、小さくなっていくに違いない。