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今度は八丈島沖で震度5弱

2009-08-13 22:54:08 | 気象・地震
2009年8月13日07時49分頃に八丈島東方沖で発生した地震について(気象庁報道発表)

気象庁記者会見の対象となる震度5弱以上の地震がまた発生した。今度は八丈島沖だ。日本近海、それも関東沖合がかなり騒がしくなってきた。

別の報道によれば、今回の八丈島沖の地震は太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込む場所で起きたプレート境界型地震だ。このメカニズムは発生が予想されている東海地震と同じものだが、東海地震はフィリピン海プレートとユーラシアプレートがぶつかる地点で発生すると予想されている。メカニズムは同じでも、東海地震の想定震源域からはあまりに遠すぎて、直ちに関連ありとは言えないと思う。

ただ、この地震もまた「全く無関係」とも言えない。震源の位置から考えて、9日や11日の地震と本震-余震の関係にあるものではないが、やはりこれら地震に影響されて起きたことは否めない。今しばらく、関東~東海沖は騒がしい状態が続くと考えられる。

一方、11日の駿河湾での地震に関しては、気象庁の第2報により、発震機構(地震のメカニズム)の部分が「横ずれ断層型」から「横ずれ成分を持つ逆断層型」に変更されている。このような訂正発表自体は、地震の分析が進むに従って当然、あり得るもので、珍しいものではない。

ところで、当ブログが「気象・地震」カテゴリを設け、日常的に異常気象や地震の分析をしているせいか、M6級の地震が立て続いたここ数日は通常の2倍近いアクセス数が続いている。興味・関心を持っていただいていることをありがたいと思う反面、ますますきちんとした記事を書かなければならないと身が引き締まる思いだ。

地震関連の検索から当ブログにたどり着き、初めてアクセスした方も多いと思われるので、差し支えのない範囲で私自身のことを述べておくが、私は気象庁の予報官でも気象予報士でもなく、そうした職業に就くための資格も持っていない素人である。ただ、中学生時代、気象学に興味を持ち、雲や台風・地震のことを独学で学んでいた。NHKラジオ第2放送で9時10分、16時、22時の1日3回放送される「気象通報」という番組を聞いて天気図を作成する作業を2年ほど続けた。

中学3年生の頃、担任の先生が理科担当だったこともあり、進路指導のときに気象大学校(気象庁の予報官を養成するための特別学校)に行きたいと相談したところ、「物理学の知識が必要だから高校では理系を選択しなければならない」「気象大学校のレベルは京都大学並み」と言われ、最終的に自分には無理と思って断念した。

だが、このとき天気図の作成を2年間続けた経験が、気象学に関する知識を広げることにつながり、異常気象や地震の分析をする際に大いに役立っている。今でも私は「気象通報」を聞けば、紙の天気図に落とさなくても脳内で気圧配置などがわかり、大まかな気象予測(1日~数日後の天気の予測)くらいは立てることができる。

この「気象通報」という番組は、かつてはラジオたんぱ(現ラジオNIKKEI)でも1日1回放送されており、遠洋漁業に出ている漁船などがこの番組を元にして天気図を作成し、台風や強風、大雨、波浪などへの備えをしていた。現在では通信手段の発達によって船上でも気象庁や民間気象予報会社から天気図などの情報をすぐに取り寄せられるようになり、「気象通報」の重要性は下がっているが、少しでもこうした需要がある限り、公共放送であるNHKでは放送が続けられるだろう。

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御巣鷹事故から24年

2009-08-12 22:22:27 | 鉄道・公共交通/安全問題
「8・12」遺族の悲しみ、日航社員の教訓に(読売新聞) - goo ニュース

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 520人が犠牲となった日航ジャンボ機の墜落事故から24年を迎える今月12日、日本航空の社員教育施設「安全啓発センター」(東京都大田区)の展示品に、事故後まもない時期に遺族がつづった文章が加わる。

 同社では現在、事故後に入社した社員が約8割に上る。事故を直接知らない社員に遺族の声に触れさせ、安全意識を高めたい考えだ。

 「いまだに朝に夕に、特に夕方6~7時になると空を見上げては、亡き我が子の名を呼ばない日はありません」(1986年9月発行)

 新たに展示されるのは、事故が発生した85年に遺族が発足させた「8・12連絡会」事務局に会員が寄せた手紙の抜粋。事故後2年以内に会報「おすたか」に掲載された遺族の声で、肉親を突然失った悲しみが伝わってくる。

 同センターは予約すれば一般の見学も可能。問い合わせ先は03・3747・4491。
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御巣鷹のあの忌まわしい事故から24年、また夏がやってきた。遺族も年々高齢化していく中で、日航が遺族と共に歩む姿勢を見せ、社員啓発に事故の教訓を取り入れていこうとしているのは良いことだ。

あらゆる交通機関は労働集約型産業であり、いかに機械化が進もうとも、現場の安全は人で持つ。ここ数年、日航が社員教育に事故の経験を取り入れ始めたのは、安全を守っていく上で社員こそが宝物だと経営陣が知ったからだろう。

安全啓発センターの展示物も年々充実している。ただ、電話で見学予約を取ろうとしたところ、「3ヶ月先まで予約でいっぱい」と言われ、果たせなかった。すでに5万人を超える人がこの啓発センターを見学したという。交通機関の安全に対する国民の関心が高まっているのは嬉しいことだが、せっかくいい施設を作ったのだから、もう少し混雑を緩和してくれないだろうか。

御巣鷹尾根への登山道 改修工事完成(毎日新聞)

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 520人が犠牲になった85年の日航ジャンボ機墜落事故で、慰霊の日(8月12日)を前に、墜落現場の群馬県上野村・御巣鷹の尾根に通じる登山道の改修工事が終わり、竣工(しゅんこう)式が31日あった。高齢化が進む遺族のため、慰霊登山の負担軽減と安全性の向上を図った。

 登山口から墜落現場に建つ「昇魂之碑」までは長さ約800メートル、高低差約180メートル。村が県と財団法人慰霊の園の支援を受け、4月末から整備していた。傾斜がきつい場所に階段830段(幅1.2メートル)を設け、鉄パイプ製の手すりも438メートルにわたって付けた。落石防止ネットも2カ所に整備している。工事費は約2000万円。

 同村楢原の登山道入り口で開かれた竣工式には関係者14人が出席。神田強平村長は「事故から24年を迎え、遺族も慰霊登山が難しくなっている。今回の整備は、みなさんに喜んでもらえるものと確信している」とあいさつし、昇魂之碑まで登って献花した。【畑広志】
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高齢化する遺族のために、今年は上野村の事業として登山道が改修され、より一層「昇魂之碑」に行きやすくなった。当ブログ管理人も、9月の5連休あたり、いよいよここを訪れてみようかと考えている。実現するかどうかは、そのときになってみないとわからないが…。

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駿河湾沖で発生した地震について

2009-08-11 23:32:02 | 気象・地震
今朝5時7分、駿河湾を震源として発生し、静岡県で震度6弱を記録した地震について、現時点でわかる範囲でコメントしておこう。

地震の第1報(気象庁報道発表)

最初に地震発生の情報を聞いたとき、当ブログ管理人はおととい9日夜に発生した地震(8月9日のエントリにて既報)と関連があるのではないかと考えた。9日の地震がこの地震の前震(余震のうち本震の前に起きるもの)だと考えたのだ。

ただ、9日の地震がM6.9だったのに対し、今日の地震はM6.5であり、規模としては今日の地震のほうが小さい。にもかかわらず、今日の地震のほうが揺れたのは、震源深さが23kmと浅いところで発生したからである。9日の地震と全く逆だ。

9日の地震と今朝の地震では震源地もやや離れているし、震源深さも全く違う。おまけに、9日の地震のほうが(震度はともかく)規模が大きかった以上、9日の地震を今朝の地震の前震と位置づけることは適当ではないから、この両者はお互いに関連があるものの、それそれが独立した別個の地震(本震-余震の関係ではない)と見なければならない。

上記資料から発震機構(地震発生のメカニズム)は「横ずれ断層型」とわかる。東海地震はプレート境界型だから、それとは全く違う活断層型地震だ。メカニズムのみに着目すれば、東海地震との直接的関係はとりあえず小さいと当ブログは考える。また、気象庁及び地震防災対策強化地域判定会(マスコミで今朝から「東海地震の判定会」と報道されているのはこの判定会のこと)もそのように見ている。

東海地震に関連する情報 第1号
東海地震に関連する情報 第2号
東海地震に関連する情報 第3号
(いずれも気象庁報道発表)

ただ「全く関係がないのか」と問われると、そうとも言い切れない。事実、「今回の地震で東海地震が起こりやすくなった」と指摘する専門家もいるし、私自身も、プレートが押し合うことによって生じた地殻内の歪みが原因となって活断層が動いたのであるならば、それは東海地震との関係を指摘せざるを得ないと考えるからだ。

東海地震に関しては、現在を「長期的前兆活動の中期」とする見解で大方の地震学者が一致しているとされるが、将来、東海地震が発生したとき、今朝の地震が「今思えば、あれも前兆のひとつだったに違いない」と振り返られる地震になることは間違いないだろう。

また、今後も静岡地域でM6~7、震度で5弱以上の地震が頻発するようになれば、東海地震が「長期的前兆活動の後期(発生へ向かう最終段階)に入った」と評価されるようになるだろう。そのとき、今朝の地震がターニングポイントとして記憶されるものになることは間違いないが、それを評価するにはもう少し(短くてもあと数年)推移を見なければならない。

いずれにしても、この地域でこのクラスの地震が起きたのは65年ぶりとのことだ。大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づく判定会が臨時招集されたのも、同法制定以降初めてのことではないか。

なお、東海地震については、当ブログ管理人のサイトで取り上げているので、興味のある方は参考までにご覧いただきたい。

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東北地方、ついに梅雨明けせず

2009-08-10 23:15:07 | 気象・地震
梅雨明け:東北南・北部は特定せず 気象庁(毎日新聞)

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 気象庁は10日、東北南部・北部が梅雨明けしたかどうか特定しないと発表した。太平洋高気圧の張り出しが弱く、梅雨明け発表の目安としている立秋(8月7日)を過ぎても、ぐずついた天気が続いているため。

 今後もオホーツク海高気圧の影響で、冷たく湿った北東風「やませ」が吹き込みやすく、曇りや雨の日が多くなって日照不足と低温の傾向が続く見込みという。東北南部・北部の梅雨明けを特定しなかったのは03年以来。
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過去エントリにて既報の梅雨明け、東北地方はとうとう見送られた。
東北の梅雨明けが見送られたのは「平成の大凶作」の1993年のほか、98年、03年と続き今年で4回目。しかもほぼ5年周期だ。

8月に入って以降、日照不足と低温傾向はさらに強まっている。稲を頭まですっぽりと水で覆う「深水管理」などの対策が必要だが、農村は人手不足でそうした対策ができない地域も多い。仮に対策ができたとしても、異常低温の影響はずいぶん緩和されるだろうが、日照不足だけはいかんともし難い。

このままなすすべもなく93年の悪夢の再現となるのか。日照不足と低温による異常気象は、重大局面を迎えつつある。

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【速報】御前崎沖を震源とする地震発生

2009-08-09 23:58:09 | 気象・地震
地震速報(気象庁)

本日19時56分に発生した地震だが、震源地がきわめて不気味だ。
東海地震の想定震源域より若干南にずれているものの、きわめて近い。

しかもM6.9というのはかなり大きい。震源深さが340kmと、相当深い場所での地震だったおかげで、揺れが地上に到達する前に減衰してくれたからよかったが、震源深さが数十kmの浅いところだったら大惨事は避けられなかっただろう。

この地震が東海地震と関係があるかどうかは現時点ではわからない。地震には大きく分けて活断層型とプレート境界型の2種類があるが、今回の地震が前者であった場合は関連は薄いと考えていい。ただ、後者であった場合、東海地震との関連はきわめて強いということになるわけで、重大事態と考えなければならない。仮に今回の地震がプレート境界型であった場合、大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づく地震防災対策強化地域判定会(判定会)の臨時招集もあり得るのではないか。

ただ、いずれにしても、東海地震の想定震源域にきわめて近い地域でこのクラスの地震は過去数十年なかったことだ。気象庁は通常、震度5以上を観測しないと発震機構などの情報を発表しないが、今回の地震に対しては何らかの見解を示すべきだろう。

大気中のプラスイオン濃度を測定し、地震予知活動を行っているNPO法人、e-piscoは、首都圏近郊でのプラスイオン濃度が異常に高まっているとして、5月頃から首都圏で大地震発生を予測し、警戒を呼びかけてきた(参考情報)。e-piscoは地震発生時期を8月、規模をM7~8と予測しており、時期・規模ともほぼ的中させた。今後、この団体への注目度はより高まるのではないか。

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のりピー逮捕に衝撃

2009-08-08 23:48:21 | 芸能・スポーツ
酒井法子容疑者を警視庁逮捕 覚せい剤取締法違反容疑(朝日新聞) - goo ニュース

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 警視庁は8日夜、タレントの酒井法子容疑者(38)が覚せい剤を所持したとして、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕した。東京都港区の自宅で微量の覚せい剤を所持していた疑いがある。

 酒井容疑者は、夫の自称プロサーファー高相祐一容疑者(41)が3日未明に同法違反(所持)容疑で逮捕された後、行方が分からなくなっていた。

 同庁は東京都港区の酒井容疑者の自宅を家宅捜索。捜査関係者によると、微量の覚せい剤を押収したという。また、自宅からは、覚せい剤の吸引用のストローも押収されており、このストローの付着物が酒井容疑者のDNA型と一致していたことも明らかになっている。
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「日本芸能界でもっとも薬物が似合わなそうな人を1人挙げよ」と言われたら、酒井法子と答える人も多かっただろう。それほど彼女のイメージは「清純、清楚」だった。のりピーと同い年であり、彼女に青春を投影しながら生きた私にとってもこの逮捕は衝撃だ。

この事件の数日前にやはり薬物で逮捕された押尾学といい、芸能界の薬物汚染は想像以上に深刻と言える。このままでは日本芸能界は薬物で崩壊しかねないし、当局がこれほどまでに芸能人の摘発を進めているのは、相当の危機感の表れではないかと思う。

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東北地方未だ梅雨明けず 30年に1度の異常気象

2009-08-03 23:26:31 | 気象・地震
異常気象分析検討会での検討結果の概要~2009年7月の異常な天候をもたらした要因の分析(気象庁報道発表)

今年の長梅雨の特徴は、停滞前線(注)がなかなか北に押し上げられず、長く日本付近にとどまっていることだ。通常であれば、停滞前線が太平洋高気圧によって北に押し上げられ、日本付近を離れると梅雨明けとなる。数年に1度の割合で、停滞前線が南に押し下げられて日本付近から離れ、梅雨明けとなる場合もある。

だが不幸なことに、今年は太平洋高気圧のが中途半端に張り出しているせいで、そのどちらのパターンにもならず、停滞前線は依然として日本列島の上にある。

今年はエル・ニーニョ現象が6月から発生している。この現象が発生すると、日本周辺ではフィリピン付近の海水温が低くなり、これが太平洋高気圧を弱める要因になるとされ、冷夏と密接な関係を持つ。一方、これと逆の現象であるラニーニャ現象が日本付近の気象に与える変動はエル・ニーニョほど強くないと言われる。

エル・ニーニョの発生もあり、今年の夏は冷夏でほぼ決定と考えてよいだろう。気圧配置及び前線の停滞状況から考えると、東北地方の梅雨明けはこのまま発表されない(梅雨明けの日を特定しない)という結果も十分考えられる。

農作物への影響が心配される状況だ。現に、長雨で根腐れなどの被害が出始めた野菜は大幅な高値となりつつある。コメに関しては、8月上旬のまさに今が出穂期と呼ばれる大切な時期だが、さすがに今年の気温が低いと言っても対平年比で-0.5度程度なので、「平成の大凶作」と言われた1993年の悪夢の再現とはならないだろう。1993年は、平年比で気温が-5度という地域もあり、東北地方で女の子の身売りという悲劇が起きた戦前よりも作柄がひどい地域もあったと言われる。

ただ、8月もこのままで推移すれば、北日本では作況指数が70~80台(著しい不良)となる地域も出てくるだろう。新米が高騰し、備蓄古米の放出に追い込まれる事態になるかもしれない。

注)停滞前線とは、湿った冷たい空気と湿った暖かい空気が衝突した際に形成される前線のことで、この時期のものは梅雨前線、秋に発生するものは秋雨前線と呼ばれるが、気象学上の正式な名称は停滞前線である。

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