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後知恵バイアス———後からならなんでも言える

2020-05-05 | Weblog
05/11/21

後知恵バイアス———後からならなんでも言える

●後知恵はいつも正しい
 何か事が起こってから、その原因に言及することを後知恵という。それにバイアスが付くのは、後知恵には、誤りが多い、あるいは真偽不明のことが多いからである。たとえば、
・自動車事故を起こした。あの時、もっと慎重に運転していれば
 よかった。
・地震で戸棚が転倒した。転倒防止棒を設置しておけば良かった。
いずれもそれなりに納得できる「正しい」原因のようであるが、本当にそうだろうか、と疑ってみると、たとえば、前者については、「慎重に」が心理的用語のために検証不能、後者は、転倒防止棒をしてあったとしても折れてしまって役立たずだったかもしれない。
このように、後知恵は、その真偽を問うことなく、自分自身に対しても、また人に事を解説する時にも、ごく普通に展開される一つの推論である。
自分で自分を納得させる推論としては、実に都合がよい。なにせ、自分の頭の中の知識を使っての推論なのだから。また、ニュース解説者などにとって、TVという情報権威付けのお膳立てもあって、その後知恵解説はすんなりと視聴者には受け入れられやすいし、視聴者にもそれでそれなりに納得してもらえる。
かくして、後知恵推論花盛りとなりがちであるが、繰り返すが、後知恵推論には真偽の確認が出来ないことが多いので、心ある人からすると、「そうは言うけど本当?」となりがちである。さらに、後知恵推論は、既有の知識の枠内に限定した狭い推論をしがちであるため、新奇な事態では誤る可能性が高くなる。
こうした後知恵推論が、事故の原因分析、犯罪の動機分析で使われるとどうなるであろうか。事故や犯罪が起こると、それが大規模かつ特異であればあるほど、どうしてそれが起こったのかを知りたくなるのは当然である。そこに後知恵推論への誘惑がある。

●事故の原因分析
事故が起こると、その原因は何かとなる。警察にとっては事故に関係した人々を裁くための論理を構築するため、一般には、次の事故の防止に役立てるためである。
事故分析は、事が起こってから時間を逆にさかのぼってその原因を探るので、逆問題と言われる。逆問題なので、当然、そこで展開する推論は後知恵となる。ただ、通常の後知恵推論とは違って、事故の場合には、多くの証拠が現場に残されることが多い。これが、後知恵バイアスを防ぐのに役立つ。たとえば、ブレーキ痕の長さから事故時のスピードをかなりの精度で推測できる。これは、後知恵ではなく、れっきとした科学的推論である。多くの事故分析では、こうした保全資料を科学的に分析することで、真の原因に迫る。
問題は、原因が錯綜していたり、どうにもわけがわからない時である。そんな時に使われるのが人為ミス説という後知恵の定番である。これなら、人がかかわる事故の原因としてはほぼ当たりである。これですべてが解明され、事は一巻の終わりとなる。しかし、このような形での人為ミス説は、思考停止のための概念装置でしかないし、次の事故防止のために実効性のある対策もままならない。

●犯罪者の動機分析
事故分析の人為ミス説と似たような後知恵の定番が、犯罪者の動機分析である。
こちらのほうは、たとえば、証拠にもとずいて殺人がどのようにおこなわれたかを完全に解明でき犯人が検挙されても、ひつようにおこなわれる。場合によっては、それによって、罪が軽くなることさえある。
犯罪の動機探しは、ほとんど証拠のない逆問題解きになる。「むしゃくしゃしていたから放火した」「無視されたから殺した」などなど。もっぱら犯人の自供からからーーこれも後知恵なので真実とは限らないことがあるーー、その動機を推論することになる。それが衆目の納得のいくものであれば、それで終わり。納得がいかない動機説明(供述)がなされると、最悪は精神鑑定となる。

●後知恵バイアスを克服する
後知恵バイアスと名を打ったために、後知恵が悪者のような話になったが、しかし、後知恵にもそれなりの利用価値があることは確かである。。
まずは、後知恵を無造作に使ったり、その真実性を頭から信じてしまうようなことがないように注意すること。そういうこともあるかもしれないが、別の可能性もあるかも、としれないと常に疑いの心を持つ。
2つは、後知恵は、自分の既有知識を使っての推論である。したがって、知識の質を良質なものにする努力を怠たらないようにする。そうすれば、後知恵にも理ありとなる。
 3つ目は、あいまいさ耐性をつけること。浅薄な後知恵が展開されるのは、ともかく早くわかってしまいたい、何が何やらわけがわからないのはいや、との気持ちが強い時である。訳がわからない状態であれこれと思いをめぐらすことをを楽しめるくらいになれば言うなしである。
最後は、検証マインドである。事実や証拠による検証がなされるまで事の真実を納得しないメンタリティも必要である。科学的思考と言っても良い。(K)



ワードマップ  安全、安心の心理学

2020-05-04 | Weblog
05/12/5海保
海保分、13個すみ



ワードマップ 
安全、安心の心理学
危険から自分と社会を守る心の技法


海保博之・宮本聡介著  新曜社刊


はじめに

序章 安心、安全の心理学の周辺

安全、安心の心(K)すみ
安全・安心社会の構図
安全・安心の科学
  工学、設計学、数学、心理学、社会学、倫理学
高度情報化社会における安全と安心
グローバリゼーションと安全と安心
ハイリスク・ハイリターン社会 (K)すみ
リスクホメオスターシス
人為

***
人工物の科学
組織事故
*****

1部 危険予知の心理

*危険予知(K)すみ
*恐れ(k)すみ

事故傾性者
危険情報活用能力
リスク認知
リスクコミュニケーション

予測
直観
パターン認識
ヒューリスティックス


  • 状況
ヒヤリハット
安全教育
安全文化
情報共有
ノウwhy教育


2章 安全保持の心理


  • 個人
安全意識
不安
正常性バイアス
仮説確証バイアス
感情ヒューリスティックモデル
メンタルモデル
*ヒューマンエラー(k)すみ
過労
ストレス
心の管理不全
心理的脇見

技能未熟
多重課題

  • 状況
*安全研修 (K) すみ
*指差呼称(K)すみ

 
手順遵守
モラル・ハザード 法令遵守 コンプライアンス
使命遵守

*監視 (k) すみ
抑止力
近隣力
意思決定
OJT
社会的フェースセーフ
属人的組織風土
インタフェース
フールプルーフとフェールセーフ
危機管理

3章 危険対処の心の技法

  • 個人
状況認識
目撃(K)未完
パニック
*援助(K)すみ
業務上過失
*加害(K) すみ

  • 状況
情報伝達
リーダーシップ

流言
群衆心理
避難行動
*絵表示(K)すみ

4章 安全、安心の回復の心の技法

●個人
*後知恵バイアス(K) すみ
安全カウンセリング(K)すみ
PTSD


第2部 安全・安心の心理学


不安
恐怖
臆病

攻撃
パニック

注意
意識水準

不安全行為
モラール
緊急時の判断
正常性バイアス  広瀬弘忠
流言

第3部 安全・安心のための心の防御
事故傾性者
安全、安心文化
安全・安心教育

●事故予防
安全能力 

学校安全

●防犯


●防災
手順、訓練
緊急事態
  • 事故防止
安全工学  アフォーダンス
ヒヤリハッとト体験
原因追求
指差し確認
自動化



実力のある人ほど、----

2020-04-28 | Weblog
実力のある人ほど、運の良さを強調します。
そういう人のいいところは、他者にやさしくなれること。

ーーー

官僚に多いのですが、
自分の努力で地位を得てきた人は、うまくいかない人を努力不足だと見下すんです。
(佐藤優「週刊新潮20年4月23日号より)

文化の享受は女性の特権?

2020-04-27 | Weblog
この記事を書いたのは、TVでクラシックコンサートの観客席が
女性で埋め尽くされているのをみたからである。

音楽会、演劇などの観客は、圧倒的に女性が多いと思う。
昔、帝国劇場の前を通った時、長ーい行列のほとんどが若き女性だったのが、
頭にこびりついている。

外国の音楽会では、男女同伴が多いように思う。

文化享受は女性、
文化創造は男性
なのかなー
お国柄もありそうだが、
能力、嗜好さ、さらに社会的分業(差別?)もあるのかなー

コロナはいい機会を与えてくれたのかもしれない。
文化創造、文化享受の性役割?を見直すのもよいかも。
というより、男性ももっと余裕をもった文化的な生活を志向すべきかも。
自分はすでに遅きに失するが。
そして、くやしい気持ち一杯だが。





営業で成績が伸び悩み……。仕事のやり方を変えるには?「お仕事相談」

2020-04-26 | Weblog
10年01月05日更新

職場の人間関係の悩み

相談者:営業/26歳/男性

営業で成績が伸び悩み……。仕事のやり方を変えるには?

悩み:
営業の仕事に行き詰まり悩んでいます。
営業の仕事を始めて2年になりますが、いっこうに営業成績があがりません。
やり方が間違っているのは自分でもわかっているのですが、
なかなか自分の仕事のやり方を大きく変えられないでいます。
原因の一つとして上司との関係があります。
大声で叱責することが多い上司で、やる気がそがれるだけでなく、
怒られたくないという気持ちが先にたち、
本来の「売上を上げる」という目的とは違う行動をしてしまいます。
いよいよ、このままの成績では営業を外される
というところまできていますので、
いまはがむしゃらにやり方を模索していますが、焦りが募るばかりです。

(1)仕事のやり方を大きく変えるための方法
(2)嫌いな上司の下での仕事の進め方

 この2点についてアドバイスを頂ければ幸いです。







答え:
この相談には海保博之カウンセラーが答えます!
お答えします。

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40文字x25行
●仕事のやり方を大きく変えるための方法
 ご相談の(1)と(2)とは、密接に関係していることは承知の上で、とりあえず、(1)のほうだけを切り離して回答させていただきます。
仕事のやり方が間違っているのはわかっているとのことですが、だからといって、やり方を「大きく変える」ことがよいことにはならないように思えるのですが、いかがでしょうか。
 まずは、あなたがわかっている(と考えている)その間違えている点を大小取り混ぜて列挙してみて、それぞれの改善点を考えて実行する、というのが普通ではないかと思います。
 「大きく変えればうまくいく」、しかし、嫌いな上司との対応で、それを考えたり実行したりすることができないという考えは、あまり生産的ではないように思います。
 もし、これだけに関心があるなら、関連するビジネス書をお読みください。
  • 嫌いな上司の下での仕事の進め方
 好き嫌いは私情ですから、いかんともしがたいところがありますが、それが仕事をする上での障害となってしまうなら、はやり、それなりの工夫が必要ですね。
 まずは、上司の叱責ですが、成績を上げないあなたへの評価ですから、それはそれでまずきちんと受け入れる気持ち(「期待にそえずもうしわけない」)がなければいけないと思います。乱暴な叱責も困りますが、それだけ、あなたへの期待が大きいのだと考えてみることはできませんか、いや、そうだと考えてみるのです!
 そして、上司ではなく仕事の先輩として、「教えを請う」「指示を仰ぐ」「意見していただく」姿勢と行動をしてみることはできませんか。冒頭のような改善を自分だけでやるのではなく、その嫌いな上司に「ほうれんそう(報告、相談、連絡)」を頻繁にしながらやってみてはいかがでしょうか。      
<一行あけ>
 あなたの相談の文面から、事から逃げずに立ち向かポジティブな姿勢がうかがえます。それを攻撃的に自分やまわりに向けずに、穏やかに受容的に対応すれば、必ず、道が開けると確信しています。がんばってください。 

本文26行




10年前の今日の記事

2020-04-26 | Weblog

2010.04.25(日) 3543 PV 412 IP 1595 位 / 1400838ブログ
2010.04.24(土) 2931 PV 427 IP 1434 位 / 1400413ブログ
2010.04.23(金) 2386 PV 428 IP 1476 位 / 1399954ブログ
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訪問者数逓減
閲覧数逓増

それにしても、増加率は減少してはいるものの、ブログ解説数はずっと増え続けている
とうとう140万台へ どこまで増える?
ツイッターと競合するところもある

自分は、ツイッターにも2,3回は書き込んでいる


新学期なのにねー

2020-04-25 | Weblog
子どもにしろ、学生にしろ、
新学期は、仲間や新しい層の人々と出会う時期。
絶対にITでは不足するパーソナルコミュニケーション、
そしてパーソナルな関係が作り出される時期。
ITで教えられるのは、知識のみ。
これからはじまる膨大な知的、情的、社会的陶冶の機会を与えるために、
少しのリスクをとって学校再開、広場・近隣解放とはいかないものか。
このままいくと、世間を知らない奇妙に頭だけ大きいコロナ世代が育ってしまわないか心配である。



自分のまわりだけよければよいのか!

2020-04-25 | Weblog
県外ナンバーの車に「暴言やあおり運転、投石、傷つける」といった差別的行為が発生していると指摘、行為をしないよう呼びかけた。 
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自分のまわり以外は危険」との差別感、
わからないではないが、今回のコロナのように、
地球規模の感染では、この差別感は、意味がない。
それでも、こうした無節操な差別感が広まり始めたところに、
この新型コロナの怖さを感じる。


絶不調から回復

2020-04-24 | Weblog
水曜日、抗がん剤点滴。
木曜日は、るんるん気分で過ごせる。
金曜日、朝食後、かなりひどい倦怠感。
ソファーベッドに寝転び、ニュースショウみたり、
居眠りしたら、電子新聞を読んだりで、悶々と過ごす。
夕方6時ころになり、まずは風呂にでも入ってと動き出す。
これが奏効。ビールとわたみの宅食で、夕食。
そして、このブログに到達。

気が付いたら、かゆみは消えていた。
しかし、便秘気味。






NETFLIX契約

2020-04-24 | Weblog
特にこの時期だけstay home]というわけではない。
3年前の癌手術以来、もっぱら自宅主の生活である。
それでも、昨今のstay home]要請の影響か、
圧倒的に自宅で過ごす時間が多い。

TVだけでも、アマゾンプライムもあり
==こっちはパソコン画面なのであまりみないー
結構、バラエティの富んだ映画が見られるようには
なってるが、ここにきて、さらに最近ちまたで激増している映画の配信会社に
入会した。

そして
アメリカ大統領もの「サバイバー」を鑑賞している。
もう3日、2時間くらい毎日みているが、全然終わらない。
飽きさせない。
夕飯後の鑑賞が楽しみである。
そういえば、BSのマダムセクレタリーも、ホワイトハウスもの。
政治的意思決定がなかなか面白い。
安倍総理ら日本の政治家にみせたい!!



不安「心理学基本用語」

2020-04-23 | Weblog
  • 不安
(anxiety)
現実のなかに、自分や近親者をおとしめる事態の発生を予兆させるものを見つけたときに生ずる感情的な不安定状態のこと。
不安時の主観的な体験としては、「どうしていいかわからない」「重苦しい雰囲気」「誰かに助けてもらいたい」「これから先のことがおぼつかない」「事態を変えて、緊張から解放されたい」などなどがある。
未来を志向して生きる人間にとって、不安は、よりよい未来へたどりつくための水先案内でもある。したがって、適度の不安は、人間を適切な行動に導く動因(drive)となる。たとえば、将来に備えて勉強する、貯をするといった行為は、将来への不安が、動因となっていることが多い。
問題は、過度の不安が喚起されると、一種のパニック状態が発生して、妥当な判断や行為ができなくなることである。「俺々詐欺」や「健康食品商法」などはそこをねらっている。
なお、別の問題として、過度の不安が長期間にわたり継続するとストレス状態になる。むやみに動き回ったり(行動化)、身体機能の部分的な異常をきたしたり(身体化)、自我崩壊を起こしたりすることになる。ストレス管理による不安の低減が必要になる。