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擬人的な説明はなぜ多用されるのか

2008-04-07 | 認知心理学
擬人的な説明はなぜ多用されるのか

 NHK月曜日夜8時からの「生き物地球紀行」は楽しみな番組の一つである。そのストリー展開を導くセリフは、ほとんどすべてが擬人的である。「雄は雌の気を引くために---」「気の毒なまでに空腹に耐えて---」「仲間からの孤立を恐れて----」と言ったセリフが続出する。したがって、全体はおよそ「科学的」とは言えないことになるのだが、視聴者からすれば、だからこそおもしろいし、楽しめる。なぜか。

 一つは、擬人化によって物語が作れるからである。「雄と雌が3mの距離に近づいた」「10時間食物取らず」「他の個体から離れたりくっついたり」といった事実の記述だけでは物語にならない。退屈するばかりである。擬人化するから、視聴者の物語理解が可能となり、さらには、動物の振舞いに共感できることになる。

 もう一つは、擬人化によって、誰もが納得できる「解釈」が自然に組み込まれているからである。動物の不思議な振舞いが紹介されたとき、それは一体なぜ、という疑問を解消するには、馴染みのある自分の(人の)気持ちを引き合いに出して解釈させてくれる解説は心地よい。


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