語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【経済】消費税増税に伴う懸念事項 ~首相の説明能力~

2012年01月21日 | 社会
 1989年に初めて消費税を導入するにあたり、当時の竹下登・首相は、国会で答弁した。自民党は消費税が必要なものだと思っているが、実は次のような懸念がある代物だ、と。
 (1)逆進的な税体系で、所得再分配機能を弱める恐れがある。
 (2)中堅所得者の税の不公平感を加速させるかもしれない。
 (3)所得税がかからない人たちに加重な負担を強いる。
 (4)税率の引き上げが容易に行われるのではないか。
 (5)事業者の事務負担が極端に重くなるのではないか。
 (6)物価を引き上げ、インフレを招くのではないか。

 他方、野田佳彦・首相は、何の説明もしない。「不退転の決意をした」と、猪突猛進的意思表明をするだけだ。

 少なくとも、次の2点は説明しなければならない。
 (a)世界最大の債権保有国にして貯蓄過剰国、かつ、世界第2位の外貨準備国たる日本がなぜギリシャと同じように破綻するのか。
 (b)なぜこの不況期に財政再建を急ぐのか。

 説明すべきは、むろん、これだけではない。
 (c)税率を上げた時に発生する駆け込み需要と反動減による歪みをどうするのか。
 (d)欧州債務危機が悪化する中で、急速に景気が冷え込んだ場合に何が起こるのか。
 (e)エネルギーや自動車などの二重課税を放置してよいのか。
 (f)公共交通、食料品、医療サービスには軽減税率が必要ではないか。 

 以上、ぐっちーさん「不退転の「どじょう」 説明義務を果たせ ~ぐっちーさんのここだけの話 No.205~」(「AERA」2012年1月23日号)に拠る。
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