語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>自然エネルギーと地域経済

2012年01月24日 | 震災・原発事故
 (a)政府のエネルギー基本計画(2010年)は、2030年までに電力の53%を原子力に頼る、とした(14基以上原発を新設)。しかし、原発事故によって、この方針は瓦解した。
 (b)化石燃料は、二酸化炭素の排出問題があるうえに、価格高騰からコストがかさみ過ぎる。日本が輸入する化石燃料は、23兆円(2008年)と10年前の4倍以上、GDPの5%程度の規模にのぼる。
 (c)自然エネルギーは、海外で急成長している。農業、産業、ITにつぐ「第4の革命」だ。
 <例:ドイツ>自然エネルギーの比率(水力を除く)は、過去10年間で2%→13%。2030年に30%の計画。
 他方、日本ではわずか2%(水力を除く)だ。電力会社が送電線を独占し、受け入れを拒否してきたからだ。供給不安定、という理由からだが、量が増えれば安定度は増す。

 原発事故は、明治維新、太平洋戦争についで価値観を大転換させた。
 発展した科学はリスクも生む。中央集権社会は、リスクを考えてこなかった。原発事故のリスクを軽視した。
 今後は、政策の意思決定の主体を変えねばならない。古い中央集権→地域レベルの小さな主体に。
 エネルギー政策も、今後は地域主体となるべきだ。自然エネルギーは、地域で必要なだけ電力を作って、共有し合うことができる小規模分散型だからだ。

 うまくやれば、地域経済を活性化する。
 <例:秋田県>1,000基の風車を建設する構想がある。実現すれば、売電額は1,000億円になる。同県産米「あきたこまち」売上げに匹敵する金額だ。建設費用は、5億円/基。県内には地銀などに膨大な預金があるが、その半分以上は低金利の国債などで運用されている。そうした預金を投融資にまわせばどうか。地域のお金で地域の雇用を生み出すことができる。

 うまくやらないと、地域経済は活性化しない。
 <例:青森県>日本最大の200基の風車があるが、青森県資本はそのうち3基のみ。残余は東京など資金で建設したため、利益が県外に流出している。
 地域のオーナーシップ(所有権)で建設することが重要だ。

 以上、飯田哲也(環境エネルギー政策研究所長)「自然エネルギーのカギは地方 原発事故を大きな転換点に」(「週刊朝日」2012年1月20日号)に拠る。
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