昨夜は心配した発熱をすることもなく、今日も朝食後抗生剤クラビットを飲んで、ごく普通に出勤することが出来た。日が陰ると本当に体感温度が下がって、寒く感じる。
午後、学内で表題の講習会があったので、参加した。会場である図書館は、10月にリニューアルオープンしたばかり。それも見ておきたいと思った。バリアフリー講習会は今回が第2回目で、学内のダイバーシティ推進室が主催するもの。車いすを利用する人への支援として、テーマのとおり、車いすの特性や車いすによる移動の問題等を考える講習会だ。「ボランティアに興味がある方、車いすを利用する人を支援したいという方は、ぜひ、ご参加ください」という触れ込みだった。
現在入院中の義母は月末退院する予定だが、施設に戻っても、今後ずっと車いすを使うことになる。かくいう私だって、今後病状の進行によりいつ車いすのお世話になるかわからない。また、入院をすれば、現実に病院内を車いすに乗せて頂いて移動することも多い。そんなわけで興味をもったのだ。
初心者歓迎の講習会の講師を務めるのは、一級建築士の資格を持つ作業療法学科准教授。
「ロンドン・パラリンピックで見た車いすを利用しているアスリートばかりではなく、企業や大学でも車いすを利用している方々が活躍しています。しかし、普段の生活の中では、まだまだバリアが存在しているのではないでしょうか。ただ、何がバリアになって、どのようにそれを解消したり、支援ができるのかは、まだ、わからないことも多いように思えます。社会のなかにあるバリアを解消することで、車いすを利用していない人にとっても生活しやすい社会になるのではないでしょうか。そして、ちょっとしたお手伝いをすることで残っているバリアをこえることができるのかもしれません。」という紹介文どおりの内容だった。
冒頭、障害を表す3つの言葉-Impairment(機能障害)、Disability(能力障害)、Handicap(社会的不利益)-の意味から入り、日本における「障害」の概念の乏しさを知る。ノーマライゼーションの理念の紹介、バリアフリーとユニバーサルデザインの意味、これまでの建築物とまちづくりの考え方を表した建築基準法やハートビル法の紹介、福祉のまちづくりや平成12年施行の交通バリアフリー法、現在一番新しい法律である、平成18年施行のバリアフリー新法の紹介があった後、車いすの分類の説明があった。手動車いすは自「走」用車いす、電動車いすは自「操」用車いす、というのも初めて知った。まさに同音異義語である。
会場には、実際に手動自走用車いすが置かれていたが、説明を受けると、なるほど知っていそうで知らないことばかりだ。車いすの寸法と必要通行幅員も国内流通基準とJIS規格・ISO標準(欧米人サイズ)があり、ダブルスタンダードであることを知る。大学や病院では、車いす2台がすれ違える幅員180㎝以上がとられているというが、自宅で車いす仕様の工事をするとなると、本当にハードルが高そうだ。
スロープ勾配も基準勾配は1/12(4.76度)以下、ハートビル法では1/15(3.81度)以下というが、マニュアル自動車で坂道発進をする最大勾配が1/6、電動車いすで1/8、赤ちゃんを乗せたバギーで1/10というから、手動の車いすでの1/12はかなりきついものだという。
中でもとても興味深かったのが、車いすトイレや洗面所の手すりのお話。実際に使う人の身になってみれば、手すりの位置も高さも付いていない方がいいようなケースさえある。目から鱗であった。結局「付けてやっている」という姿勢では決していいものは出来ないのだろう。
高齢者のバリアフリーについては、外出した際の不安として、青信号の時間が短く、荷物の持ち運びが大変であること、まちづくりへの要望では座る場所が少ない、トイレが少ない・・・など、高齢者でなくとも病弱者としては頷ける問題が沢山あった。
最後に、心のバリアフリーが大切、と講義を締めくくられたが、せっかく整備しても、その意味がきちんと判らずに使えないものにしてしまう無理解、無知の恐ろしさを改めて思った。
満ち足りて職場に戻ると、ボスの辞職記者会見があったことを知る。任期は2015年4月迄だからまだ2年半を残している。もう飽きてしまったのだろうな、という感じは前々から持っていたけれど、都民も職員も放り出した80歳の高齢者が、この先いったい何をなすのか、とため息をつかざるを得ない思いだ。
午後、学内で表題の講習会があったので、参加した。会場である図書館は、10月にリニューアルオープンしたばかり。それも見ておきたいと思った。バリアフリー講習会は今回が第2回目で、学内のダイバーシティ推進室が主催するもの。車いすを利用する人への支援として、テーマのとおり、車いすの特性や車いすによる移動の問題等を考える講習会だ。「ボランティアに興味がある方、車いすを利用する人を支援したいという方は、ぜひ、ご参加ください」という触れ込みだった。
現在入院中の義母は月末退院する予定だが、施設に戻っても、今後ずっと車いすを使うことになる。かくいう私だって、今後病状の進行によりいつ車いすのお世話になるかわからない。また、入院をすれば、現実に病院内を車いすに乗せて頂いて移動することも多い。そんなわけで興味をもったのだ。
初心者歓迎の講習会の講師を務めるのは、一級建築士の資格を持つ作業療法学科准教授。
「ロンドン・パラリンピックで見た車いすを利用しているアスリートばかりではなく、企業や大学でも車いすを利用している方々が活躍しています。しかし、普段の生活の中では、まだまだバリアが存在しているのではないでしょうか。ただ、何がバリアになって、どのようにそれを解消したり、支援ができるのかは、まだ、わからないことも多いように思えます。社会のなかにあるバリアを解消することで、車いすを利用していない人にとっても生活しやすい社会になるのではないでしょうか。そして、ちょっとしたお手伝いをすることで残っているバリアをこえることができるのかもしれません。」という紹介文どおりの内容だった。
冒頭、障害を表す3つの言葉-Impairment(機能障害)、Disability(能力障害)、Handicap(社会的不利益)-の意味から入り、日本における「障害」の概念の乏しさを知る。ノーマライゼーションの理念の紹介、バリアフリーとユニバーサルデザインの意味、これまでの建築物とまちづくりの考え方を表した建築基準法やハートビル法の紹介、福祉のまちづくりや平成12年施行の交通バリアフリー法、現在一番新しい法律である、平成18年施行のバリアフリー新法の紹介があった後、車いすの分類の説明があった。手動車いすは自「走」用車いす、電動車いすは自「操」用車いす、というのも初めて知った。まさに同音異義語である。
会場には、実際に手動自走用車いすが置かれていたが、説明を受けると、なるほど知っていそうで知らないことばかりだ。車いすの寸法と必要通行幅員も国内流通基準とJIS規格・ISO標準(欧米人サイズ)があり、ダブルスタンダードであることを知る。大学や病院では、車いす2台がすれ違える幅員180㎝以上がとられているというが、自宅で車いす仕様の工事をするとなると、本当にハードルが高そうだ。
スロープ勾配も基準勾配は1/12(4.76度)以下、ハートビル法では1/15(3.81度)以下というが、マニュアル自動車で坂道発進をする最大勾配が1/6、電動車いすで1/8、赤ちゃんを乗せたバギーで1/10というから、手動の車いすでの1/12はかなりきついものだという。
中でもとても興味深かったのが、車いすトイレや洗面所の手すりのお話。実際に使う人の身になってみれば、手すりの位置も高さも付いていない方がいいようなケースさえある。目から鱗であった。結局「付けてやっている」という姿勢では決していいものは出来ないのだろう。
高齢者のバリアフリーについては、外出した際の不安として、青信号の時間が短く、荷物の持ち運びが大変であること、まちづくりへの要望では座る場所が少ない、トイレが少ない・・・など、高齢者でなくとも病弱者としては頷ける問題が沢山あった。
最後に、心のバリアフリーが大切、と講義を締めくくられたが、せっかく整備しても、その意味がきちんと判らずに使えないものにしてしまう無理解、無知の恐ろしさを改めて思った。
満ち足りて職場に戻ると、ボスの辞職記者会見があったことを知る。任期は2015年4月迄だからまだ2年半を残している。もう飽きてしまったのだろうな、という感じは前々から持っていたけれど、都民も職員も放り出した80歳の高齢者が、この先いったい何をなすのか、とため息をつかざるを得ない思いだ。