インテリジェント ワークス

子供達との泣き笑い

アドレナリン・ノック始動

2015年06月12日 | 歴史

いよいよ梅雨に入ってしまいましたね。
和紙体質の塾長が最も嫌う湿気の多いシーズンとなってしまいました。

湿気大嫌いです。
あと暑いのも。
それと寒いのも。
上り坂とか向かい風とか、重たい物とか・・・

平成塾も夏バージョンに突入します。
毎年書いていますが、塾生達に持たす水分に関して今年も注意。

飲み物で持たせていけないのは、お茶などカフェインが入っているもの。
カフェインは利尿作用があるので、体内の水分を排出してしまいます。
なので家で休んでいる時には良いのですが、表で運動する時には給水用の水分ととして適していません。

暑い時期に給水するには、やはりアイソトニック飲料がお薦めです。
体内への吸収率を考慮したアイソトニック飲料は、身体に沁み渡るスピードが早い他に蓄積能力も蓄えています。

続いて水分の適温ですが、冷たくても5度Cから常温まで。
それ以上冷たくすると給水率が落ちるのと、内臓を痛めますから飲料用水に氷などは不要です。

そして、最も大切な事は持たせる量です。
夏バージョンになった平成塾は約15分間隔で給水を行います。
1回に飲ませる量はコップ1杯分の200cc。
練習開始直前に最初の給水をして、後は15分単位で飲ませて行きます。

練習開始が1時ですから、最初の給水が1時として6時までの5時間で20回の給水が行われる計算です。
200cc×20回ですから合計4リットルの水分が必要になるんですね。
特に子供達は代謝が良いので、想像以上に汗をかいています。
重たいと思われるかも知れませんが、これだけの水分を必ず持たせて下さい。


さて、練習の報告に戻りましょう。


平成塾名物のアドレナリン・ノックが3年振りに復活しました。
このアドレナリン・ノック、平成塾独自の練習メニューなのですが野手育成には物凄い効果を発揮します。

野球を犬に例えると、犬を好きにさせるならまずは子犬と遊ばせてやる事ですね。
子犬と遊んでいると楽しいし、みんなと子犬を可愛がっている内にどんどん犬が好きになって行きます。

けれども、犬は子犬だけではありません。
ドーベルマンや土佐犬など、子供なんかより遥かに大きくて獰猛な大型犬も存在します。

子犬とばかり遊んでいた子供は、どうしても大型犬を怖がります。
大型犬には近づくどころか、見るだけで逃げてしまうんですね。

でも大型犬も扱えないと、犬を扱えるようにはなりません。


ならば。

大型犬なんかより遥かに怖いライオンなどの肉食獣を見せれば良いんだ。
と言う単純な発想。
ライオンを見た後なら、どんな犬が来てもそう怖くは感じないでしょう。

でも、いきなりライオンの檻の中に放り込んだら恐怖で身体がすくんでしまいます。
そこで行われるのが、塾生を興奮させて徹底的にアドレナリンを出させるんですね。
人は興奮してアドレナリンが出ると、痛さも恐怖も感じ無くなります。
その反射を利用した効果的な練習なのですよ。

 
まずは捕ると言いきる塾生を選別します。

ここで躊躇する塾生はこの練習に参加する事ができません。

 
この日、捕りますと言い切ったのはハーくんとアリエール。

二人とも5年生ですよ。

 
お前には捕れない、そこをどけっ!

嫌です、絶対に捕ります。
無理だお前は逃げるだろ。
逃げませんっ!
逃げる。
逃げませんっ!

こんな押し問答を繰り返した後に、弾丸のようなノックを打ち込みます。

 
腰を落とすと言うより、あまりのボールの速さにへたり込んでいるアリエール。

瞬きすら許されないボールのスピードです。

 
へたり込もうが、構えて無かろうが、容赦なくノックを浴びせます。

捕ろうが捕るまいがお構い無し。
後から後から5秒間隔でボールが飛んで来ます。

 
へたり込んでいるだけではボールが捕れない。

意を決して立ちあがったアリエール。

 
もう逃げる感覚すら麻痺しています。

身体中にアドレナリンが出ているのが解りますね。

 
捕れなきゃ身体に当たるだけ。

避けてもノックのボールが正確に身体めがけて飛んできます。

 
高いボールにジャンプ一番、けれども惜しくもグローブを弾かれました。

後ろでビビりながら見守る他の塾生達。
けれども、ここでジャンプしたって事はアリエールが覚悟を決めている証拠なんです。

 
何故なら、人は恐怖を感じた時にどうしても身体を小さくするんですね。

ジャンプして身体を広げると、その瞬間は無防備になります。
つまり、いよいよボールを捕りに行くようになった証拠なんですよ。

 
目の前のショートバウンドを捕り損なって、ボールはお腹を直撃します。

けれども、アドレナリンが出ている時には痛さを感じません。
捕球姿勢も正確になって来ましたね。

 
それでも、まだまだ怖い。

そりゃそうです。
中学生でも逃げるような打球なんですから。

 
そうしている内に段々と目がボールに慣れて来ました。

アリエールは最初の頃よりボールの速さを感じていない筈です。

 
まだ顔が逃げていますが、目の前のショートバウンドを逆シングルでナイスキャッチ。

この時、アリエールの顔を見ると目から涙がこぼれています。

 
怖いから泣いている訳ではありません。

かと言って、痛いから泣いている訳でも無いんです。

 
興奮して自然と涙が出て来るんですね。

もはや最後は積極果敢。

 
ナイスキャッチッ!

見て下さい、この腰の落ち方。
このハードルを越えた後は、20分前とは全く別人のアリエールがそこにいますよ。

 
へー 僕には関係無いけどね♪