東京印刷場券の影文字

拙ブログ1月13日エントリー「門司印刷場券の影文字」にて、「」の影文字(もしくは「袋文字」と呼ばれる諸先輩方もおられます)にはいくつかのバリエーションがあることを書きましたが、東京印刷場券においては、かつて、これを上回るバリエーションがあるようです。

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1番目の影文字は、現在でも使用されている「小」の影文字です。東京印刷場のものは丸みを帯びた字体となっており、同じような字体は他に、高松印刷場券や国鉄末期の長野・新潟・東北地区に存在した民間印刷券にも見られます。

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2番目の影文字は、やはり先端は丸くなっておりますが、ひょろっとした細い字体が特徴で、「両側の曲線」に対して「真ん中の直線」が妙に長い「虚弱なタイプ」です。

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3番目の影文字は、全体的に直線になっており、先端は角張っています。上の「虚弱君」と比べると大きさは小さいですが、その分、なんとなく堂々としています。

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4番目の影文字は、上の「直線タイプ」と姿かたちは似ていますが、先端が丸く処理された「合の子タイプ」です。

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5番目の影文字は、先端が丸く処理されているものの、東京印刷場券としては珍しく、「真ん中の直線」の下の部分が撥ねているタイプです。門司印刷場券を始め、名古屋印刷場券・大阪印刷場券・仙台印刷場券・札幌印刷場券など、他の印刷場では「真ん中の直線」部分は跳ねているのが一般的ですが、これらのタイプにおいて丸みを帯びたタイプは他にないと思います。

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6番目の影文字は、先端の角張ったタイプです。同じ角張ったタイプでも3番目のものとは違っており、なんとなく、2番目のものと3番目のものを「足して2で割った」感じです。

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7番目の影文字は、国鉄バスの乗継券に見られたものです。左側の乗車券部分は一般的なタイプですが、右の乗継券部分は角張ったタイプです。

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ちょっと小さいので、乗継券部分を拡大してみると、わかりやすいと思います。
このタイプは当時の回数券に使われていたようで、私が小学生の時、親に黙って「故意に」使い残したものがありましたのでご紹介いたします。

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やはりちょっと小さいので拡大してみましょう。

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こうやって見ると、国鉄バスの乗継券と回数券の影文字は、同じものが使われていたことがわかります。

まだまだ他にあるかもしれませんが、これだけでも7種類の影文字が確認できました。
しかし、これらの影文字は、JR化後にも引き継がれた1番目のもの以外、国鉄時代の昭和50年代までには消滅してしまったようです。特に、2番目から4番目のものについては、モノクラス化以降に使用された例は見たことがありません。


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また、東京印刷場券では、門司印刷場券と大きく違い、D型券の左右の影文字は同じものが使われておりました。

ところが、やっぱり「掟破りさん」がいました。

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なんと、小児券にすべきところを間違って大人・小児券の印版でこしらえてしまったようです。よっぽど急いでいたのか、もったいなくなっちゃったのかわかりませんが、廃札にすることなく、「」のゴム印を捺印してごまかしちゃった「つわもの」です。
運賃は当時の小児運賃である220円と記載されておりますが、さすがに小児断片の精算金額までは組まれなかったようです。

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参考に、1ヶ月前に発行された、同一区間の大人・小児券をご紹介します。大人運賃が440円であることがわかります。また、小児断片の精算金額である「220」もちゃんと組まれています。

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