新宿駅発行 日本最古と言われる地図式乗車券

昭和10年6月15日、新宿駅の硬券式自動券売機において、試験的に地図式乗車券が発売されました。





これは、発売開始から約1年が経過した頃のもので、発売当初のものと同じ、日本最古の地図式乗車券と言われています。



この時代、「金額式」という万能なものはまだ誕生しておらず、首都圏の駅で矢印式や相互式を使用してすべての着駅分の硬券口座を設備していました。


これでは同じ運賃であっても着駅によって口座を分ける必要があり、相当数の口座を設備しなければならなかったため、地図式の誕生は画期的なことであったと思われます。



B型硬券であるにもかかわらず下車できるすべての着駅が記載され、注意書きまでが表面に印刷されており、少々きつそうなイメージです。



しかし、文字は手書きで書かれたようで、大変味があるものとなっています。


今は亡き万世橋駅も書かれていることもおわかりになると思います。



登場から1年後の昭和11年後半には、地図式券が首都圏の駅で正式に採用されたようですが、下車できる駅のすべてが記載されているところは変わりませんが、注意書きが裏面に移り、大きさもB型からA型に変わっています。

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