横浜駅発行 硬券式印発機券

見本券ですが、昭和40年8月に横浜駅の印発機で発券された印発機券です。

 

   


当時はまだ軟券式の印発機は開発されておらず、窓口では硬券の常備券が主流の時代でありましたが、試験的に印発機が導入されたようです。これが国鉄初の印発機券ということになります。


A型無地紋の硬券用紙に印板で印字されているもので、後に登場する軟券式印発機の硬券版といった感じです。日付と券番は機械についている文字板によって印字され、券面はゴム版の印板で印字されています。

 

   


裏面です。

裏面は何も印字されておらず、券紙には裏表がなかったものと思われます。

 

   


このような料金券も発行することができたようです。


当然ながらまだ試験段階ですので万能ではありませんが、硬券に印字する方式では券紙が硬すぎて印板の摩耗が早く、硬券式の印発機は普及しなかったと聞きます。


私がまだ小学生のころ、東京駅の国鉄本社に併設されていた「国鉄PRコーナー」にこの印発機が展示されていましたが、同館の閉鎖後、それらの展示品がどこに行ってしまったのか分かりません。大宮の鉄道博物館にも所蔵されている気配がありません。
初の印発機ではありますが、普及しなかったために資料的価値が見出されず、もう廃棄されてしまって現存しない可能性が高いと思われます。

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