JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
JR九州 門司印刷場券の東京都区内ゆき乗車券
今まで3回に亘って国鉄門司印刷場で調製された特定都区市内ゆきの乗車券は、エリア内の駅にイレギュラーな駅が存在する場合には着駅名の下にかっこ書きでそれらの駅についての追記があることが特徴であることを御紹介いたしましたが、JR化後の東京都区内ゆきの乗車券についても同じ事情の追記がある時期がありました。
平成2年11月に博多駅で発行された、東京都区内ゆきの片道乗車券です。青色JRK地紋のA型券で、門司印刷場で調製されたものです。
着駅である東京都区内ゆきの下には「(新木場・葛西臨海公園を除く)」の追記があります。
現在、新木場および葛西臨海公園の各駅は東京都区内の駅に含まれておりますが、この当時はまだ除外されておりました。それは、これらの各駅が開業した時代の路線形態に拠ります。
これらの各駅は昭和63年12月に開業しましたが、当時の京葉線は蘇我~新木場間のみの暫定開業であり、新木場~東京間はまだ開業しておりませんでした。そのため、東京都区内の駅からこれらの各駅に向かう経路は千葉方面に行くしかなかったため、「飛び地」として東京都区内の駅に属さない状態で開業し、このような追記が存在していたことになります。
しかし、新木場~東京間が平成2年3月に開業し、それと同時にこれらの各駅は東京都区内の駅に編入されています。ということは、この券は本来3月の開業以降に発券してはならないものであり、追記のない新券に切り替える必要があったと思われますが、何らかの手違いでそのまま発売されてしまったものと思われます。
ちなみに、国鉄時代の昭和61年4月に博多駅で発行された、東京都区内ゆきの乗車券です。青色こくてつ地紋のA型券で門司印刷場にて調製されたものです。このころは新木場および葛西臨海公園の各駅がまだ開業しておりませんでしたので、除外の追記はありません。