西武鉄道 国鉄委託発行の乗車券

前回エントリーで国鉄武蔵境駅で委託発行された西武鉄道の乗車券を御紹介いたしました。
現在同鉄道にはJR(旧・国鉄)に普通乗車券を委託発売しているような駅はすべて改札分離が行われてしまって現存しませんが、かつては武蔵境駅の他に国分寺駅と拝島駅も国鉄と同一構内に列車が発着し、出改札業務は国鉄に委託されている例がありました。

ただし、他の2駅については武蔵境駅のようにすべての出改札業務が委託されていたのではなく、国分寺駅については多摩湖線乗換精算所が、拝島駅については北口が自社管理となっており、南口が国鉄管理となっていました。


   


昭和57年12月に国分寺駅で発行された、国鉄委託の乗車券です。緑色西武鉄道自社地紋のB型金額式券で、大人専用券となっています。発駅名の前に「〇西」符号があることから、国鉄委託券であると判ります。
符号の右の「〇A」は国鉄のA番みどりの窓口であることを示し、発駅名右の「〇30」は循環符号です。


   


昭和60年3月に拝島駅で発行された、国鉄委託乗車券です。緑色西武鉄道自社地紋のB型金額式券で、大人専用券となっています。こちらも発駅名の前に「〇西」符号があることから、国鉄委託券であると判ります。拝島駅は国分寺駅と違って窓口が1つしかないことと、発売規模が小さいことから、窓口番号や循環符号はありません。


昭和57年当時の国分寺駅では、国鉄の券売機の中に1台、西武鉄道専用の券売機も設備されていました。


    


昭和57年3月に国鉄管理の券売機で発行された、西武鉄道の国鉄委託乗車券です。単能式のキレート式券で、桃色PJRてつどう地紋の汎用券紙が使用されています。
当時の西武鉄道では自社完結券が黄色の自社地紋券紙、連絡乗車券および連絡乗車券が発券できる券売機で発券された自社完結券が桃色自社地紋券紙とされていましたが、西武鉄道の券紙は横に繋がるスミインク式券紙が採用されているのに対し、国鉄の券売機は縦に繋がるキレート式券紙が必要であったため、このような汎用券紙が使用されたものと思われます。


   


券売機券の場合は駅名の前に「〇西」符号が付けられてはおりませんが、「下車前途無効」の文言の次に「〇西」符号がありました。


国分寺駅はJR化後の昭和63年12月に、拝島駅は平成22年3月に改札分離が行われています。

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