東京急行電鉄 渋谷から20円区間ゆき片道乗車券

昭和31年12月に東京急行電鉄(現・東急電鉄)東横線渋谷駅で発行された20円区間ゆきの片道乗車券です。


   


緑色PJRてつどう地紋のB型大人専用地図式券となっています。

前回エントリーでも御紹介いたしましたが、この時期の東急の地図式券には有効区間に関わらず鉄道線全区間が記載されているものが存在し、この券もそれに該当します。


当時の渋谷駅から20円で行けるところは、東横線であれば武蔵小杉、目蒲線(現・目黒線)なら武蔵小山、大井町線なら二子玉川園(現・二子玉川)というところのようです。


この券を見ていると気づくのですが、面白いことに渋谷から玉川線一本で行ける二子玉川や砧線方面については、東横線で自由が丘で乗り換えて大井町線に乗り、砧線については再度二子玉川で乗り換えるようになっているのです。

恐らく大半の旅客は玉川線を経由していたと思われますが、玉川線は渋谷から二子玉川園までが軌道線で二子玉川園から砧に至る支線である砧線が鉄道線となっており、鉄道線である東横線渋谷駅「(東)渋谷駅」と玉川線渋谷駅「(玉)渋谷駅」がかつての新玉川線渋谷駅のように別の駅となっていたために玉川線経由の乗車券の発売がなかったことと、軌道線と鉄道線を跨ぐ連絡乗車券の発売をしていなかったため、このような券になってしまったのではないかと思われます。

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