趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
北海道周遊券 表紙 ~その1
前回のエントリーで国鉄時代の北海道周遊券を御紹介いたしました。そのなかで、
> A片とB片は発売前は横に繋がった1枚のシートになっており、
> 駅によっては長いまま渡されるところもありましたし、
> A片とB片を切り離して渡されるところもありました。
と申し上げましたが、昭和50年代ごろは、それぞれの券種にあわせた表紙が用意されており、綴じられて渡されるのが一般的でした。
北海道周遊券用の表紙になります。このような見開き状の表紙が各種取り揃えられていました。
裏表紙には「観光案内略図」という路線図があり、周遊券には記載しきれない情報が印刷されています。
表紙は周遊券本体より一回り大きいサイズになっており、見開くとこのような感じになります。
見開いた状態の裏面になります。表紙の裏面にあたる左側にはご案内文があり、裏表紙の裏面にあたる右側には払い戻しの案内の他、バージョンによっていろいろなものがあったようです。
周遊券本体と表紙の大きさはこのような感じで、周遊券の左側にあります「耳」の部分をホッチキスで綴じる方法が採られていました。周遊券に「耳」があるのは、この時に綴じるためについていた名残りと思われます。
綴じた状態です。
このように綴じられておりましたので、改札係員の現場ではA片を回収する際にかなり手間がかかったようです。
旅客は必要な券を改札係員に見せるのですが、自由周遊区間に入った最初の駅でA片が回収されるということを承知していなければそのまま開いて係員に呈示することになります。そうなると、忙しい改札口では、A片をむしり取るようにもぎって回収することが多かったようです。しかし、軟券の耳に付けられた切り取り点線は必ずしも切り取りやすいものではありませんでしたから、これを切り取るのがかなり難儀であったようです。そのため、A片を切り取って回収する際、券そのものを破いてしまうことが度々あったようです。
使用済の表紙を見ていますと、このように破れてしまったA片の残骸が残されたままのものが結構見受けられます。
では次回、表紙の仔細を御紹介致しましょう。