趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
南小谷駅発行 東京都区内ゆき乗車券・急行券連綴券
昭和52年8月に大糸線南小谷駅で発行された、東京都区内ゆきの片道乗車券と普通急行券の連綴券です。
青色こくてつ地紋のD型大人用連綴券で、新潟印刷場で調製されたものです。
乗車経路は「岡谷・三鷹 経由」となっており、大糸線で松本まで出て、篠ノ井線を経由して中央東線に至る、一番一般的なルートになります。
今でこそ同区間には急行列車など運転されておりませんが、当時は急行「アルプス」の一部列車が松本から先、大糸線の信濃森上や南小谷まで運転されていました。この券が発行された2年前の昭和50年までは一部気動車運用の列車が糸魚川まで運転されており、これらの列車は夏は登山客、冬はスキー客が新宿から乗り換えなしで行ける利便性から人気がありました。
裏面です。乗車券部分には注意書きが印刷されていますが、急行券部分への印刷はありません。
JR東日本 三鷹~国分寺間 高架化記念入場券
平成21年12月にJR東日本中央線の三鷹~国分寺間の高架が完成した時に発行された、記念入場券です。
厚めの台紙に硬券の入場券が挟まっているタイプの記念入場券です。
では、表紙を開けてみましょう。
表紙を開けると、高架化によるメリットについての記載があります。
見開いたところです。
3ページ目には、武蔵小金井・東小金井・武蔵境駅の硬券入場券が挟んであります。三鷹~国分寺間の高架化という記念入場券ですが、なぜか三鷹および国分寺駅の入場券がなく、途中駅だけとなっています。
では、券を仔細に見てみましょう。
初めに武蔵小金井です。
大阪印刷場のデザインを彷彿させるもので、一番上に「中央線三鷹~国分寺間高架化記念」とあり、発売当日1回限り有効の文言のみ入っています。
裏面です。裏面には、旅客車内に立ち入れないこと、自動改札機が使用できないこと、発売時刻から2時間以内1回限り有効であることが記載されています。
こういう記念入場券全般に言えることですが、ここで言うところの「発売当日」「発売時刻」というのはどのように判断するのか、よくわかりません。
発売時刻を記入する欄さえ無く、日付も予め打たれてしまっていますから、実態として実使用することは想定していないものと思われます。
東小金井分の券です。
武蔵境分の券です。
裏面は図示いたしませんが、発行箇所名が異なるだけで、武蔵小金井のものと様式は同じです。
伊豆箱根鉄道 小田原駅発行特別補充券
平成29年6月に、伊豆箱根鉄道大雄山線小田原駅で発行された、特別補充券です。
灰色JPRてつどう地紋の券で、カーボンを挟んで記入する様式となっています。
まだ、発行日欄が「昭和」となっていますが、西暦で記入されています。
裏面のご案内文です。
通行税やら国鉄線やらと、昭和を感じさせる文言が並んでいて、営業キロ51km以上で途中下車ができた時代のもののようですので、東京電環が東京山手線内となった昭和47年以降、55年までの頃に設備されたものと思われます。
同社では特別補充券の管理は厳しいようで、ほぼどこの駅でも収集用に発券してもらうことは難しく、駅によっては券そのものが無いような回答で、いままで現物を見たことはありませんでした。
この日は「たまたま」小田原駅の出札端末が故障し、メンテナンス業者が分解修理をしている状況であったため、小田原駅発でなければ券売機対応をすることができないため、特別に発行して戴けました。
これはあくまでも出札機器が故障し、無人駅である緑町駅からの乗車券が発券できなかった「非常時」の措置であり、緑町からならばと快く発券をして下さった駅員氏と、ちょうど故障してくれた出札端末さんに感謝です。
帝都高速度交通営団 地下鉄有楽町駅発行 舞浜ゆき連絡乗車券
平成元年11月に帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現・東京メトロ)地下鉄有楽町駅で発行された、新木場駅接続JR東日本線舞浜駅ゆきの片道連絡乗車券です。
桃色JPRてつどう地紋のB型大人専用矢印式券で、山口証券印刷系列の帝都交通印刷で調製されたものと思われます。
この券は地下鉄有楽町駅のコンコースに机を置いて発売していた臨発券で、休日の多客時に発売されていたものと思われます。着駅からして東京ディズニーリゾート®へ行く旅客のために設備されたものです。
発駅の地下鉄有楽町駅は有楽町線の有楽町駅で、通常は「〇地 有楽町」駅と表記されることが多く、このような表記の券は比較的少ないと思います。
また、同社の連絡乗車券は金額式大人・小児用券が殆どですが、この券が敢えて矢印式の大人専用券として設備されてたのは、大量の券を出改札現場で捌きやすくしたものと思われます。
裏面です。表面同様、発行箇所名も地下鉄有楽町駅となっています。
「〇18」は循環番号で、いかにこの券が多客時に大量に発売されていたかが想像できます。
ちなみに、この券は実際に舞浜まで使用し、使用済みの券を無効印を捺さないで戴いたものです。
JR東日本 〇31蟹田駅発行 瀬辺地から郷沢ゆき片道乗車券
昭和62年9月に津軽線瀬辺地駅で発行された、郷沢ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ暫定地紋のB型相互式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
郷沢駅までの営業キロが2.3km、管理駅である蟹田駅までの営業キロが3.6kmで運賃帯が異なるために口座を一つにまとめることはできませんが、ここでは金額式とはせず、相互式で設備されていました。
瀬辺地駅は蟹田駅の管理駅となっており、同駅で発売された乗車券の発行箇所名は「〇31」蟹田駅となっていることから、管理駅である蟹田駅の31番窓口扱いとなっていたようです。
Wikipediaによりますと、同駅は昭和58年簡易委託廃止、完全無人化、無人化まで「〇31蟹田駅発行」の乗車券を発売していたと記載されていますが、昭和62年でもこの券が発売されていたということは、この投稿の内容の信憑性が疑われます。
箱根登山バス 小田原駅発行410円区間ゆきバス乗車券
前回まで、箱根登山バス湯本駅発行の路線バス乗車券を御紹介して参りましたが、小田原駅でも同様に路線バス用の金額式乗車券を発売していましたので御紹介いたしましょう。
平成29年6月に箱根登山バス小田原駅で購入した、410円区間ゆきの路線バス用乗車券です。橙色箱根登山自社地紋の金額式千切り軟券で、発駅表記のない「新券」タイプです。
様式は湯本駅のものと同じですが、小田原駅では発行箇所名の記入がなされています。
裏面です。
料金機対応の金額表記があります。新券ですので、「円」と「「バス」の追記があるタイプです。
小田原駅は案内所カウンターには高額券しか置いておらず、停留所付近にカバンを持った案内係の方が比較的低額券を所持されていました。
ちなみに、湯本駅では案内所カウンターには券そのものを置いておらず、停留所前に券一式の入ったトランクをテーブルに置いて発売していました。
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