趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
大崎駅発行 普通入場券
1984(昭和59)年3月に大崎駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
大崎駅は恵比寿駅と並んで大きく変貌した駅で、駅には大きなオフィス複合施設が隣接し、何よりも湘南新宿ラインやりんかい線との乗換駅になったことで人の流れが変わっています。
今回御紹介して参りました硬券入場券を購入致しました1983~84年から約35年以上が経過していますが、山手線と湘南新宿ラインが並走する池袋駅をはじめ、新宿・渋谷・恵比寿・大崎の各駅の発展はめざましいものがあります。どの駅もかつての面影がなく、辛うじて大崎駅の西口付近が「まだ少し残っているかな」という状況です。
恵比寿駅発行 普通入場券
1984(昭和59)年3月に恵比寿駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
恵比寿駅もこの頃に軟券化されてしまい、硬券入場券の発売は終了したと記憶しています。
この当時の恵比寿駅は現在のような「お洒落」な駅ではなく、営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線との乗換口はそこそこ大きかったものの、そのほかの出口は駅横に小さな改札のある、山の手にある下町といった庶民的な駅であったような気がします。
渋谷駅発行 普通入場券
1983(昭和58)年3月に渋谷駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
このころ、国鉄首都圏本部管内では急激に硬券を廃止して印発機や券売機に置き換える「軟券化」が進み、同駅もこの頃に軟券化されてしまい、硬券の普通入場券はなくなってしまったと記憶しています。
本年5月30日と31日、国鉄時代から恵比寿駅寄りに位置していた埼京線と湘南新宿ラインの渋谷駅ホームを山手線ホームと並列にするため、新宿駅~渋谷駅~恵比寿駅~大崎駅間の湘南新宿ラインおよび埼京線の全列車が終日運休となりました。今回の運休では、今まではこのような工事の際には振替輸送が実施されていたことが殆どでしたが、新型コロナウイルスによる外出自粛のために利用者が比較的少ないため、今回については振替輸送は実施されないとのことです。
今回エントリーより、運休区間の埼京線と湘南新宿ラインの駅の普通入場券を御紹介して行きたいと思います。
新宿駅につきましては。拙ブログ2020年5月4日エントリーの「新宿駅発行 普通入場券」で御紹介いたしておりますので、渋谷駅からスタートしたいと思います。
京成トラベルサービス 空港ターミナルから京成上野ゆき船車券 ~その2
前回エントリーで、京成トラベルサービスで発行された空港ターミナルから京成上野ゆきの大人専用船車券を御紹介いたしましたが、この券には小児用券も存在しておりましたので御紹介致しましょう。
成田空港が開港して間もない1978(昭和53)年11月に京成トラベルサービスで発行された、空港ターミナルから京成上野ゆきの小児用船車券です。若草色JPRてつどう地紋のA型券で、小児券を示す「小」の影文字がありますが、横赤一条にかからないよう、少々上に印刷されています。
様式的には大人専用券と同一ですが、仔細にみると、この券の初期券は「空港ターミナル」の文字が特活になっていなかったため、行の半分以上を独占しています。
前回エントリーの時に御紹介いたしました後期の券になります。
「空港ターミナル」の文字が特活になっており、初期券に比べて左右のバランスがよくなっている気がします。
京成トラベルサービス 空港ターミナルから京成上野ゆき船車券 ~その1
緊急事態宣言が解除され、「感染の状況を確認しつつ段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていくこととする」という前提のもとで世の中が以前のスタイルに戻ろうとしています。夜までレストランが営業できるようになったり、少しずついろいろなお店や施設が開くようになり、イベントも小さなものから行われるようになって行きます。楽しい社会生活を徐々に取り戻しつつも警戒する心は忘れず、またいつか、旅行に行ったりすることができる日常が戻ってくることを祈ります。
ということで、今回はかつては海外旅行に行くのにワクワクした記憶から、成田空港へ行ったときに購入した乗車券を御紹介致しましょう。
1989(平成元)年11月に、京成電鉄系列の旅行会社である京成トラベルサービスで発行された、空港ターミナル(成田空港ターミナル)から京成上野ゆきの船車券です。
若草色JPRてつどう地紋のA型大人専用券で、山口証券印刷で調製されたものです。
船車券は旅行会社がJRや航空会社以外の運輸機関と船車券契約を締結したうえで発売するもので、旅行会社の費用で券を作成して発売し、毎月翌月末までに発売月報と発売計算書を添え、所定の手数料(概ね5%)を差し引いた額を運輸機関に支払う方法が採られています。
この券は成田空港ターミナル内にあります京成トラベルの営業所で発行されたもので、空港ターミナルから成田空港(現・東成田)駅まで成田空港交通の路線バスを経由し、成田空港駅から京成電鉄で京成上野駅までというルートになっています。
つまり、この券は京成電鉄の他、成田空港交通の2社に対する船車券であることになります。
船車券という題字の下に、運輸機関名である「京成電鉄・成田空港交通」の記載があり、その下には乗車区間である「空港ターミナル ➡ 京成上野」と経由表記の「(成田空港 経由)」、運賃1030円と下車前途無効の文言があります。
また、改札掛員の視認性を向上させるためのものと思われますが、横赤一条の線が引かれています。
経由表記が「(成田空港 経由)」となっており、事情を知らないと何のことだか分からなくなりますが、ここに記載されている成田空港駅は初代の成田空港駅で、現在の東成田駅であるということに由来します。
成田空港駅は1978(昭和53)年5月に成田国際空港最寄駅として開業した京成電鉄の駅ですが、国鉄末期に存在した成田新幹線計画の影響で空港ターミナルへの乗り入れが出来ず、同駅から空港ターミナルまでは路線バスでの連絡となっていました。しかし、1991(平成3)年に成田新幹線計画が頓挫すると、新幹線の施設として建設されていた部分を活用した第三セクターの成田空港高速鉄道が開業して空港ターミナルへ直接乗り入れすることとなり、成田空港駅~京成成田駅間を東成田線とし、成田空港駅は東成田駅に改称されています。
裏面です。
「空港ターミナル・成田空港間は、バスで連絡いたします。」という案内文の他、発売当日限り有効の文言、京成トラベルサービスで発行されたことを示す社名が記載されておりますが、この券には「発行箇所名」の記載はありません。
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