京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

くらげ

2011-06-26 | インポート

 6月は水無月ともいう。

 梅雨の最中に水無しとは、これいかに。

 と、小さなころは思ったものである。

 もちろん、6月=水無月は旧暦の話。

 現行暦でいえば、おおむね7月~8月にあたる。

 暑さのピーク時で、水無しも納得である。

 つまり、かつて6月は真夏だったということだ。

 

 さて、京都には水無月という菓子がある。

 三角形の白いういろうに小豆を乗せた菓子である。

 白いういろうは、氷を模したものといわれる。

 なるほど、涼しげな菓子である。

 これを6月30日に食べる習慣が、京都にある。

 涼しげな菓子が、暑い夏を、気持ちだけでも和ませてくれるわけである。

 

 ところで、6月30日は、つまり1年の折り返し地点である。

 12月31日が、1年の穢れを祓うのと同様、この日は半年分の穢れを祓う日。

 これを夏越の祓という。

 また、残りの半年を無事に過ごせるよう祈る日でもある。

 そういう気持ちをこめて、水無月を食べるわけである。

 どうやら京都独特の風習らしい。

 6月30日、京都にいることがあれば、ぜひ水無月を食べてみてください。

 京都の大方の和菓子屋、スーパーで、それは売られています。

”あいらんど”