京都では、連日35度を越える猛暑日が続いている。
青い空に、入道雲、ときおり、夕立。
正に夏である。
入道といえば、平清盛だ。
いや、なかなか強引だ。
ともあれ、大河ドラマの平清盛は、今どの辺りなのだろう。
平清盛関連の出来事の中に、「鹿ケ谷の陰謀」と呼ばれる事件がある。
鹿ケ谷とは、京都の東山山腹、銀閣寺より少し南の辺りの地名。
その時代、鹿ケ谷には、俊寛僧都の山荘があった。
この山荘で、平氏打倒計画が謀議された、というのが、この事件の概要である。
瓶子<ヘイジ>(徳利)が倒れて、平氏が倒れた!とはしゃいで見たり。
首を落とせ、と、徳利をくびれのところで割ってみたり。
大学サークルの飲み会ばりの悪乗りで、宴会が行われたという。
その鹿ケ谷の地名は、今もその辺りに広く残っている。
桜の名所で知られる哲学の道の辺りがそうだ。
俊寛の山荘の跡は、哲学の道の中ほどから、山手のほうへ上がっていったところにある。
霊鑑寺という門跡尼寺の横を、さらに山のほうへ登っていったところだ。
なかなか、遠い。
是非行ってみて欲しい、というほどのものがあるわけではない。
ただ石碑があるだけである。
機会があったら、行ってみるのも良いだろう。
鹿ケ谷の名は、単に地名ではなく、いわゆる京野菜と呼ばれるものにも、その名を残している。
鹿ケ谷かぼちゃ、というやつだ。
味やら栄養価やら、違いはいろいろあるが、なんといっても形が変わっている。
ざっくり表現すれば、ひょうたんのような形をしている。
美味しいのかと尋ねられたら、まあ、かぼちゃだよ、としか言いようがない。
かぼちゃの嫌いな人でも食べられる!なんてことは、言えない。
鹿ケ谷とよばれる辺りに、安楽寺というお寺がある。
そこは、鹿ケ谷の陰謀より30年ほど後の世にあった、後鳥羽上皇に所縁があるお寺だ。
紅葉の名所でも知られるこの安楽寺で、毎年、かぼちゃ供養なるものが催される。
それが7月25日。
って、もう過ぎてるわけだけども。
でも、毎年行われているので、大丈夫。
是非、覚えておこう。
参拝者に鹿ケ谷かぼちゃの煮つけが振舞われる。
美味しいイベントである。
その他にも、法然院など、鹿ケ谷周辺には名所も多い。
散策にはもってこいのエリアだ。
暑い季節には、気をつけなければいけないけれど。
琵琶湖疏水も目に涼しいし、木陰も多い。
のんびり楽しめるとは思う。
”あいらんど”