通称千日詣、正式には千日通夜祭という愛宕神社のお祭りです。7月31日夜から8月1日早朝にかけて表参道登山口から頂上の愛宕神社まで灯りが終夜灯され多くの老若男女が千日分の火伏防火のご利益を求めて列を作って登ります。3歳までに上ると生涯火事にあわないということから幼子を背負って登る親も、中には前に抱き後ろに背負って登るお父さんもいます。上る人には「おのぼりや~す」、下る人には「おくだりや~す」の声が絶え間なく続く。これが意外と励みになっているような気もします。
この参道は約4kmほどありますが、一丁ごとにお地蔵さんが置かれ、、100mごとに1/40の表示があるのです。道は3/1が階段状、ガレ場の激坂、20丁目の一文字屋跡休憩所に着くころにはやっつけられてしまいます。5歳くらいの女の子がお母さんと一緒に頑張っているのを見て、やっこらしょと立ち上がれば、そこからは道はやや緩やかになり、2か所の夜景ポイントで癒されながら進みます。が、40/40を過ぎると(実はこの標識、神社までではなく境内入り口までだったのです)とどめの階段3連発、登り切ったと思ったらまだ階段が、これを登ったらまだ階段が、「愛宕大神」の掲額が見えてやっと到着、達成感で心が満たされます。
本殿前は参拝する人、「火廼用心」のお札やお守りを買い求める人、既にお休みモードの人、などなど。ここでは休憩できそうにないので下の桜の森へ。空いているベンチを見つけ休憩。涼やかな風に気持ちよく寝れそうなのですが、うとうとっとしたところで目が覚める。風邪をひく前に下山開始。よくぞこんな坂を上ったものだと感心しながら下っていく。これから上る人もいる。この人たちが神社に到着する頃には夜が白み始めていることだろう。
登山口の鳥居の前では記念撮影にはしゃぐ大学生グループ、全員の下山を待つのか心配と疲れが顔に見えるOLと思われるグループ、鳥居をくぐって振り返り一礼する人、様々な顔を見せて千日詣は終わります。
皆さん、お疲れ様でした。
KAZ
因みに、愛宕山は京都の西に位置し、標高924m。愛宕神社が山頂とされますが、実際の山頂は少し北へ行ったところで一般人は立ち入りできません。
摂社の一つで明智光秀が参籠し信長への謀反を決めたといわれています。「時は今 あめが下しる 五月哉」が有名です。
登山道は表参道のほかに月の輪コース、空也滝コース、水尾コース、高尾から上る首無地蔵コースなどがありますが、水尾コースはJR保津峡駅から1時間近く歩きます。これを使うなら下山です。首無地蔵コースも登山口までが遠い。オススメは月の輪コース。清滝から20分ほど歩いた空也滝入り口に登り口があります。きつい坂はありますが知れています。眺望も開ける場所も多く、時期が合えば、月の輪寺にある明智光秀お手植えと伝わる石楠花の満開を見れるかもしれません。眼下の谷に広がる椿もあります。倒木に生える3本杉という面白いものも見られます。