♭さざんか、さざんか、さいたみち
たきびだ、たきびだ、おちばたき♯
ご存知、童謡「たきび」の一節です。
サザンカ、山茶花。
秋から冬に咲き、ツバキ科に属する花です。
生垣にも多く使われ、「たきび」の一番には「#かきねの、かきねのまがりかど#」とありますが、きっとこの垣根は山茶花の垣根なのでしょう。
似たような花に椿があります。
ツバキ
山茶花と同じくツバキ科に属し、樹高は高く、夏に着ける実を絞ると椿油が取れます。
花期は春まで、少し山茶花より長いでしょうか。
二つとも、品種改良がされ、多くの園芸種が存在します。
この二つ、見分けるには花の散り方が一番です。
山茶花は花びらが一枚一枚散りますが、椿は花が、ポトリと落ちます。
京北町の常照皇寺で、苔生した参道に落ちた椿は、一幅の画のようだったのを覚えています。
昔、お武家の家には、その落花の様子が、首が落ちるのを連想させるということで植えられなかったと言われますが、
映画「椿三十郎」では、見事な小道具となっていますので、どうなのでしょうか。
ほかに、雄蕊を見るとはっきりわかります。
山茶花は、雄蕊が放射状にひろがり、椿は下半分がついていて筒状になっています。
ただ、寒椿は、名前には椿が付きますが、山茶花の品種系で、雄蕊は放射状で、花もパラパラ散っていきます。
葉の形状でも見分け方があるようですが、あまり差がないような気もします。
7月31日の千日詣りで知られる、愛宕山。
登山コースの一つ、月の輪寺コースで、月の輪寺に近づくと、道の谷側に多くの椿が見られます。
あの傾斜で、植えたとは思えません。自然に増えていったのでしょうか。
山でなくても山茶花と椿は多くの寺社で見られ、両方とも植えられていることが多いのではないでしょうか。
詩仙堂、三千院、銀閣寺などなど。
ただ、一条西大路、地蔵院や鹿ヶ谷・霊鑑寺など、椿寺というのはありますが、山茶花寺とは呼ばれませんね。
山茶花はやや地味だからでしょうか。
しかし、赤い山茶花や椿に雪が積もると見事なコントラストを見せますが、
果たして今年はそういった光景が見られるのでしょうか。
kaz