先住民族関連ニュース

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先祖供養の儀式「イチャルパ」10年

2018-07-03 | アイヌ民族関連
北海道新聞 07/02 16:00
標津アイヌ協会 小川会長に聞く
 【標津】標津アイヌ協会(小川悠治会長)は、町ポー川史跡自然公園にある伊茶仁(いちゃに)カリカリウス遺跡でアイヌ民族伝統儀式「イチャルパ」を6月17日に行い、1789年のクナシリ・メナシの戦いで処刑されたメナシ地方(現在の標津町と羅臼町周辺)のアイヌ民族23人を供養した。2009年に始まり、今年で10回目。小川会長(71)に節目の年を迎えた思いや今後の展望を聞いた。(椎葉圭一朗)
 ――標津のイチャルパは今年10回目を迎えました。
 「始まりは13年前、道アイヌ協会の加藤忠理事長が標津を視察に訪れた際に、『200年以上も先祖を供養してやれないのはかわいそう。何とかできないか』と提案されたのがきっかけでした。悲しい歴史のほかに文化が残っていない標津のアイヌが独自で儀式を行うのは難しく、正直、ここまで続くとは思いませんでした」
各地の仲間の支援に感謝
 ――それでも続けられたのはなぜですか。
 「道内の他のアイヌの支援のおかげです。初めてのイチャルパでは釧路市阿寒湖温泉の故秋辺今吉エカシ(長老)が祭司を務めてくださり、儀式の進め方などを一から教わりました。隔年での開催に切り替えようと考えていた5年ほど前には、阿寒アイヌ協会の広野洋会長から『1度中断すると再開するのは厳しい。応援するから毎年開きましょう』と力強い言葉を頂きました。今年も胆振や日高地方などから参列がありました。多くの人の協力があって迎えられた10年です」
継承へ若手の参加が課題
 ――次の10年に向けて課題は。
 「標津アイヌ協会は現在会員が75人、平均年齢は59歳と高齢です。若い人で儀式を進められる人材はほとんどいません。他地域に協力をお願いしての開催は今後も続きますが、次世代へつなげるためにも、若手に積極的な参加を呼びかけています」
 ――10月には標津で初めてのアイヌ民族文化祭が開かれます。
 「江戸末期に根室海峡沿いを4度探査し、その後明治政府の役人となった松浦武四郎が北海道を命名して150年の記念事業です。その開催地に標津が選ばれたのは感慨深いこと。アイヌを案内人に武四郎が巡ったコタンやチャシを巡るツアー、武四郎を軸とする幕末のメナシを彩る人物についての講演会などを予定しています。地元の人が地域の歴史を理解する場になればと思っています」
地域の子ども毎年見学
 標津のイチャルパでは、「全道的にも珍しい」(小川会長)という、地域の子どもたちによる儀式見学が毎年行われている。
珍しい取り組み
 町内では、地域住民でつくる実行委の主催で、地元小学生が町生涯学習センターに寝泊まりして規律や協調性を学ぶ「通学合宿」を2004年から行っている。イチャルパの見学は11年に合宿のプログラムに取り入れた。
 見学前にはアイヌ文化学習も行われ、町教委の学芸員がスライドを使ってアイヌ文化を解説。これまで延べ128人が参加し、続縄文時代や擦文時代など道内には本州とは異なる時代区分があること、自然と共生するアイヌ文化では動物の習性や植物への深い知識が発達したことなどを学んだ。
一緒に輪踊りも
 今年は通学合宿が一時休止となったが、町生涯学習センターの講座「標津を知り隊」の活動でイチャルパ見学を継続。小学生11人が参加し、見学後は阿寒アイヌ民族文化保存会の会員らに交じり、リズムや手の動かし方を教わりながらアイヌ民族の古式舞踊「輪踊り」を一緒に踊った。
 標津小6年の船山慎ノ介君(11)は「踊りは面白かった。標津でこんな儀式が開かれているということを友達にも教えてあげたい」と笑顔だった。小川会長は「文化を失ったわれわれは、地域や子どもたちと一緒に学びの姿勢でイチャルパを続けなければいけない」と話している。(椎葉圭一朗)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/205011

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[達人列伝 54]ハスカップ 北海道厚真町・山口善紀さん(47) 2品種登録 母と選抜 自家増殖許可し 産地発展

2018-07-03 | アイヌ民族関連
日本農業新聞 2018年07月02日
 北海道厚真町の山口善紀さん(47)は、同町にハスカップを根付かせた立役者だ。野生種で果実の味や大きさにばらつきがあったハスカップを、長い年月をかけ味が良い系統を選び出し2品種を品種登録した。果実が大きくおいしいと評価が高く、生産者も増加。日本一の産地として地域振興をけん引する。
 ハスカップはシベリア原産の果実。古くから自生し、アイヌ民族の栄養源にもなっていた。道内では1980年ごろに本格栽培が広がった。生食の他、ジャムやソースなどに使われる。収穫は7月ごろだ。
 同町でいち早く栽培したのが山口さんの母・美紀子さん(69)。収入確保に向けハスカップに活路を見いだし、1000本を植えた。だが、野生種だけに実の味や大きさ、形は一本一本ばらばら。おいしさを追求する地道な選抜が始まった。
 苦い実をつける木は処分し、少しずつ味の良い実をつける木を残していく。苦い果実は舌がしびれるほど。山口さんは当時、小学生。美紀子さんから「苦い果実をつける木を見つけたら1本100円あげると言われ、夢中になって探した」と振り返る。
 山口さんは大手製紙会社の研究職で10年間働いた後、再び農業の現場に戻った。パルプ用の木の品種育成に携わり「母の品種選抜の重要性が改めて分かった」と話す。
 母親と選抜を始め、畑から苦い実をつける木がなくなるまで約20年。大粒でつぶれにくい、栽培品種としてのハスカップの育種に力を注いだ。努力は実を結び、特に優れた品種を「ゆうしげ」「あつまみらい」と名付け品種登録した。個人農家による品種登録は珍しいという。
 2品種は評価が高く、他の生産者も栽培するようになった。だが山口さんは周囲の反対を押し切り、苗木を町外に持ち出さないことを条件に自家増殖を許可する。苗木販売の利益より、産地の発展を優先した。「日本一のハスカップ産地にすることで、多くの人が町を知るきっかけになってほしい」との思いがある。
 同町によると2017年産は27トンと10年前の1・3倍に伸び、厚真町ハスカップ部会員は、現在104戸。地域に欠かせない基幹作物だ。ハスカップ狩りなどで毎年、多くの観光客が訪れるようになった。
 「30歳すぎに日本一を目指すという夢を抱き、周囲の協力もあってここまで来れた」と話す山口さん。産地の振興に向け、加工の取り組みを強化したい考えだ。(望月悠希)
経営メモ
 3・3ヘクタールで約5000本のハスカップを栽培。そのうち、2ヘクタールが自然栽培。その他に、1ヘクタールで苗木も生産する。
私のこだわり
 「産地づくりには、農産物の魅力を発信することが大事。消費者の顔が見える、観光農園や6次産業化に力を入れる」
https://www.agrinews.co.jp/p44508.html

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ヒンナヒンナする?アイヌ料理を本場・北海道で堪能!

2018-07-03 | アイヌ民族関連
メシ通 2018-07-02
こっそり教えます。「チタタプ……食べられるお店、見つけましたよ……」これにピクッと反応してしまうのは、あの漫画のファンでしょう。アイヌ民族をテーマに描かれた、『ゴールデンカムイ』!
作中によく登場するのが、アイヌの伝統料理。食べたくても食べられないと諦めていた方も多いと思います。
探してみると、さすが北海道。めちゃくちゃ本格的なお店がありました。個室はなんと伝統家屋の「チセ」。さらにアイヌ民族博物館が監修!
「海空のハル」をご紹介します。さあ、今こそ憧れの「ヒンナヒンナ」しようじゃありませんか!
アイヌの伝統料理が食べられる
今日は特別な夜になる予感の裸電球です。
皆さんは話題の漫画『ゴールデンカムイ』を読んでいますか? あれ、面白いですよね~。私も大ファンです。
漫画に登場するアイヌの伝統料理の数々! 「食べてみたい」とは思うも、実際に食べられるお店を見つけるのは難しいのではないのでしょうか。そこは北海道の強み。探したらすごいところがありました。
お邪魔したのは、北海道の食材が堪能できるお店、すすきの駅から徒歩2分、「海空のハル」です。店内にいけすもある本格的な居酒屋さんで、新鮮な海鮮をはじめ、それに合う道産酒もそろっています。
そんな「海空のハル」には、とんでもない個室ととんでもないセットがあるのです!
「チセ」がある居酒屋さん
なんと個室が、アイヌの伝統家屋「チセ」。この世界観、すごくないですか!?
しかもこれ、「チセ風」のものではないんです。北海道白老町にあったアイヌ民族博物館が監修。本格的すぎます!
『ゴールデンカムイ』のヒットにより、若い世代を中心に訪れる方が急増。もちろん、ここは本格的な「チセ」なので、アイヌ文化を研究する大学教授もやってくる。「この部屋を希望されるのは若い女性か専門家」と店長の星さん。なんですか、そのとんがった客層は。
部屋の中心にはいろりが。ここに座れば、本当に博物館の中にいる感覚です。北海道の人はもちろん、最近はここを目的に観光の方もやってくるそうです。
アイテムも本格派
天井からは鮭(サケ)がつるされ、アイヌの人々の生活をビシビシと感じることができます。いや~、ビルの中にいるとは思えない空間ですね。時の流れもゆっくりに感じます。
例えば、鍋をつるす道具やいろりの小物も、アイヌ民族博物館が持ってきてくれたものなんですって。そりゃ、研究者も集まりますよね。
アイヌの伝統衣装も貸してもらえます。「チセ」でこの服を着たら、もう!
念願のアイヌ伝統料理が登場

▲アイヌ伝統食セット 1,980円(税抜)※1日限定8食・前日までに要予約
これまでいろいろ食べ歩いてきたけれど、パッと見ただけでは何かわからないものが出てきました! 早速、味わっていきましょう。そして、『ゴールデンカムイ』ファンなら絶対に言いたい、「あの言葉」を声高らかに!
さあ、何かわかりますか? これぞ、ファン待望の「チタタプ」ですよ! 「チタタプ」とは「たたき」といった意味。原作では「リス」など衝撃の「チタタプ」が登場しますが、こちらはマグロとサーモン。
ヒンナヒンナ~!
食べ物に対する感謝の言葉。これを言いたかったんだ~。お料理も博物館の監修ですって! 伝統の手法は守るものの、「味は変えてもらいたい」というのが要望だったそうです。
手に入る調味料が限られた時代。そのまま当時の味だと、「伝統料理=おいしくない」になってしまう可能性も。それってすごく寂しいですよね。そんな理由から、例えば当時は捕れなかったマグロなども使い、現代でもおいしく食べてもらえる料理を提供しています。
アイヌの伝統食といえば汁物
そしてあの、「オハウ」(漫画を読んでいたら感動の連続)。「オハウ」のスープに関しては、昔ながらの作り方でも十分おいしいということで、当時を再現。味噌などが手に入らないので、味付けは塩。ダシもカツオがなかった時代なので、昆布です。
おいしく食べられるよう現代に合わせた味と、伝統の味が手をつなぎます。
具材は北海道を味わってもらいたいと、旬の食材が使われます。この日はサクラエビ!
塩味のスープの中で、食材の素朴な甘みがグッと引き立ちます。
ヒンナヒンナ~。優しい味付け、ほんと、ヒンナ~。「オハウ」、おいしい。朝、味噌汁の代わりに、「オハウ」がいい!
やっぱり北海道ですからね。「チポロシト」は外せないですよ。「チポロ」はいくら。「シト」がもちの意味。いくらののった、いももちです。ふわりと柔らかく、おいしい! お酒のツマミとしても間違いない一品です。
お酒も珍しい! 飲んだことない!
「カムイトノト」です。アイヌの人々は神事の際に飲んだんですって。原料はお米ではなく、なんと「ヒエ」。ほんのり自然な甘みが広がり、アルコールは強め。クセになる味わいで、スルスル飲んでしまいました。
「ユク」です。もう名前だけ聞いたらわからないですよね。「ユク」とは鹿肉のこと。
臭みもなく、柔らかい!
伝統家屋「チセ」の中で、「ユク」をつまみに「トノト」を傾ける。おまけに衣装付き! なんてぜいたくな!
まさに「モノよりコト」
お店情報
海空のハル
住所:北海道札幌市中央区南3条西4丁目 J-BOXビル 5階
電話番号:011-231-6868
営業時間:17:00~23:30(料理LO 22:45 ドリンクLO 23:00)
定休日:日曜日(月曜日祝日の際は日曜日は休まず営業し、月曜日は代休)
https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/hadakadenkyu/18-00204

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東京2020組織委 調達コードで紙の個別基準を策定

2018-07-03 | 先住民族関連
ニュープリネット 2018.7.2
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会はこのほど、持続可能性に配慮した調達コードの「物品別の個別基準」の中で、持続可能性に配慮した紙の調達基準を発表した。
持続可能性に関する要件として、古紙パルプを最大限利用することを挙げる。バージンパルプについては、合法性・森林管理の計画性・生態系保全・先住民族の権利尊重・労働安全が確認されたものを使用する(FSC及びPEFC認証紙の採用)。また、白色度や塗工量が過度でないこと、紙への再生利用を困難にする加工のされていないものと定めた。
対象は組織委員会が調達するポスター、チラシ、パンフレット類、書籍・報告書等、チケット、賞状、コピー用紙、事務用ノート、封筒、名刺、トイレットペーパー、テッシュペーパー、ペーパーナプキン、紙袋、紙皿、紙コップ、ライセンス商品の外箱。
7月2日、東京都中央区のイトーキ東京で開催されたプレスカンファレンス「ポスト2020持続可能な森林資源の調達」では、組織委員会持続可能性事業課長の日比野佑亮氏が登壇し、バージンパルプについて、FSCとPEFCの認証紙が条件を満たすものとして採用されていると説明した。
http://www.newprinet.co.jp/?p=15585

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米海兵隊ネラー氏の「普天間」発言 根底に植民地政策の歴史 アメリカ有権者の抗議が必要

2018-07-03 | ウチナー・沖縄
沖縄タイムス 2018年7月2日 10:00
 自分の利益のために他者から奪い、その行為を正当化するために事実関係をねじ曲げる。「普天間飛行場の建設時の写真を見ると、数キロ内に人は住んでいなかった」とのネラー米海兵隊総司令官の発言を理解するには、アメリカという国が侵略と戦争で領土を拡大してきた植民地政策の歴史を知る必要がある。
 新たな土地を求めてヨーロッパから北米大陸に上陸したコロンブスらは、その地に住んでいたアメリカ先住民を武力で制圧し、土地を剥奪。東海岸では18世紀半ばまでに13植民地が形成された。
 植民地主義とは、国家の主権や領土を拡大し、他国を支配する政策や思考だ。13植民地は後に北米全土に拡大。米国は何十もの戦争に参加して軍事力で他国に干渉し、領土を広げ、大国となった。
 アメリカ先住民で元米連邦上院議員のベン・ナイトホース・キャンベル氏は「かつて米国の土地は1億人以上のアメリカ先住民が100%を統治していたが、現在ではわずか200万人が2%を統治しているにすぎない」と指摘。米国は合衆国憲法で「連邦政府、外国政府、州政府、先住民の部族政府」と四つの主権政府を認め、多くの先住民部族と平和条約を結んだが「これらは後に全て破棄された」と回顧。先住民族と入植者の間で争いが生じると、米政府は軍を派遣して先住民を制圧し、「紙上の約束にすぎない先住民との条約よりも、有権者を大事にした」と奪われた歴史を回顧している。(米国務省編さん資料)
 米政府のこうした手法は今も変わらない。普天間は、戦時中に住民を収容所に入れ、米軍が奪った土地に造った基地だ。しかし、都合の悪い事実を正当化するために「人は住んでいなかった」ことにする。ネラー氏の発言は、武力で領土を拡大してきたアメリカの植民地政策が反映されたものなのだ。
 宜野湾市議会は先月8日、全会一致でネラー氏への抗議決議案を可決した。しかし、沖縄だけが声を上げても、米政府は耳を傾けようとはしないだろう。それを変えるには、米軍内部やアメリカの有権者らの抗議が不可欠だ。
 アメリカには沖縄からの移民や沖縄での駐留経験を持つ元軍人や沖縄を愛する人々が大勢いる。米国の不正義を正すために立ち上がって抗議し、間違った歴史認識にノーを突き付けてほしい。さもなければ、惜しみなく沖縄を奪う行為が永遠に続くことになる。(平安名純代・米国特約記者)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/276052

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米朝会談「注意を持って歓迎」演習中止に理解――ターンブル首相

2018-07-03 | 先住民族関連

日豪プレス2018年7月2日
米朝会談「注意を持って歓迎」
演習中止に理解――ターンブル首相
マルコム・ターンブル首相は6月13日、キャンベラでの記者団との質疑で、12日の米朝首脳会談について「注意を持って歓迎する」と述べた。首相は他の米大統領がなし得なかった功績だと評価。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)の検証プロセスで、オーストラリアは役立つ専門家を派遣する用意がある」と表明した。
また、トランプ大統領が会談後に米韓軍事演習の中止を表明したことについて、首相は「交渉戦術の一環だ。トランプ大統領は交渉人。生涯、取引の経験を積んできたビジネスマンであり、相手と直接会い、合意に導いてきた」と理解を示した。
ビショップ外相は会談後に演習中止の可能性を否定していたが、直後にトランプ大統領が中止を表明。直接の当事者ではないものの、米国と同盟関係にある豪州に事前連絡がなかったとの観測が浮上していた。
その上で首相は「誰も核戦争は望まない。彼(大統領)が状況を劇的に変えたことを歓迎する。だが、我々は目を見開き、注意しながら見守っていく」と強調した。
外相「平和に向けた一歩」
ジュリー・ビショップ外相は12日、米朝首脳会談の成果について、北朝鮮の完全な非核化と朝鮮半島の平和と安定に向けた一歩だと評価する声明を発表した。
オーストラリアは北朝鮮と国交を保持し、インドネシアの在ジャカルタ北朝鮮大使館を通して外交関係を維持している。この一方でオーストラリアは、朝鮮半島有事の際、同盟国である米国と共に軍事行動に参加する用意があると表明していた。
外相の声明の内容(要約)は次の通り。
◇オーストラリアは、ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の指導者である金正恩との間で行われた歴史的な首脳会談の結果を歓迎する。
◇「シンガポール宣言」(米朝共同声明)は、4月27日の板門店宣言で示された北朝鮮の完全な非核化に向けた決意を正式に再確認した。米朝共同声明は、米国と北朝鮮が新たな関係を構築し、朝鮮半島の永続的で安定した平和に向けて取り組むことをうたい、(朝鮮戦争の)戦争捕虜と行方不明兵の遺骨返還についても協力することで合意した。
◇今回の首脳会談は、正しい方向に向けた一歩である。我々は、これらの目的の達成に向けて対話と外交が継続することを期待する。
◇北朝鮮は今、その決意を実行するための具体的で検証可能なステップを踏まなければならない。また、北朝鮮は引き続き、同国の核兵器と弾道ミサイル開発プログラムを禁止した国連安保理決議に拘束されている。
◇オーストラリアは、朝鮮半島の平和と安定を支えるため、パートナーと引き続き緊密に連携していく。
3月期GDP、前年同期比3.1%増
資源輸出好調も個人消費弱く――統計局
オーストラリア統計局(ABS)が6月6日に発表した統計によると、2018年3月四半期(1~3月)の実質国内総生産(GDP)は前期比1.0%増、前年同期比3.1%増(いずれも季節調整済み)と約2年ぶりの高水準だった。17年12月期の前期比0.4%増、前年同期比2.4%増から加速した。ただ、軟調な個人消費が、好調な資源輸出や企業業績に影を落とした。
エコノミストの予想は前期比0.7%増、前年同期比2.7%増(4日付公共放送ABC電子版)だった。
ABSのブルース・ホックマン主席エコノミストは声明で「力強い鉱物資源輸出を反映して、GDPの伸びに占める輸出の寄与度は全体の半分に達した。鉱物資源輸出の力強い伸びと共に企業の利益が拡大し、交易条件の改善につながった」と分析した。
石炭と鉄鉱石、液化天然ガス(LNG)の生産が好調で、鉱業の付加価値額は前期比2.9%増、前年同期比4.2%増と大きく伸びた。金融を除く民間企業の利益は、前期比6.0%増と過去1年間で最も高い伸びを示した。民間企業の設備投資も力強い伸びを維持した。
政府部門の最終消費支出は前期比1.6%増、前年同期比5.1%増だった。
一方、家計部門の最終消費支出は前期比0.3%増、前年同期比2.9%増にとどまった。実質賃金の低調な伸びを背景に、所得に占める貯金の割合を示す貯蓄率は2.1%となり、世界金融危機前の07年12月以降の約10年間で最低を記録した。
所得減税法案が成立――首相「税金は低く公平で簡素に」
所得税の減税と税率のフラット化を柱とした法案が6月21日、連邦上院を通過し、成立した。与党保守連合(自由党、国民党)のマルコム・ターンブル首相は声明で「納税者は大変な労働に見合った恩恵を受ける。税金はより低く、より公平で、よりシンプルになる」と強調した。
減税措置は3段階。まず2018/19年度から、約1,000万人の低・中所得者層を対象に最大で530ドルを還付する。同年度から22/23年度にかけて、一定税率が適用される所得の敷居額を引き上げることで幅広い層の税負担を軽減。24/25年度からは、税率適用範囲を3段階に簡素化し、34.5%の中間税率が適用される納税者を全体の約94%まで拡大する。
所得税減税は、マルコム・ターンブル首相の保守連合(自由党、国民党)政権が、5月に発表した2018/19年度予算案の目玉と位置付けていた。今年8月から19年5月までに実施される次期連邦選挙を念頭に、浮動票を握る中間層の支持を取り込む狙いがある。
減税法案は与党勢力が過半数に満たない上院で野党の反対に遭い、審議が難航したが、右派のワン・ネーション党などの支持を得て賛成多数で可決した。ただ、保守連合は各種世論調査の支持率で最大野党・労働党の後塵を拝している。法案成立をテコに選挙に向けて支持率浮上を図れるかどうかは見通せない。
オンラインで運営スムーズに
移住者の子ども向け語学教室――NSW州
主に海外からの移住者の子どもを対象に母語を教えているNSW州の「コミュニティー・ランゲージ・スクール」が、教室の運営を管理するオンライン・ツールを導入する。地域の小規模な教室で教えるボランティア教師の事務作業を電子化することで、生徒の学習能力の向上につなげる狙いがある。NSW州政府が6月6日、発表した。
シドニー大学の研究機関が民間企業に委託して開発したツールを利用し、教師の入学手続きや生徒の出欠などの作業を補助する。最大1,000人の生徒が学ぶ約10カ所の教室で試験運用を始める。州政府が3年間で1,090万ドルを投じる同スクール振興策の一環。ツールの開発運営費として178万ドルを拠出する。
ロブ・ストークスNSW州教育相は会見で「母語の習得を願う生徒たちを支援するために投資したい」と述べた。また、レイ・ウィリアムズ同州多文化相は「生徒数の拡大や教える言語の増加に対応できるよう、スクールへの支援を強化していく」と強調した。
同スクールは現在、州内545カ所の教室で、58の言語を約3万5,000人の生徒に教えている。日本語クラスも週末に地域の学校の教室を借り、シドニー市内など州内12カ所で開講している。
州政府は、同スクールのボランティア教師を育成するための奨学金プログラムを実施。毎年200人を対象に、シドニー大学でプロの語学教師としてのスキルを習得させている。
差別犯罪への刑罰強化へ
NSW州与党、議会に法案提出
NSW州の保守連合政権(自由党、国民党)は6月初め、いわゆる「ヘイト・クライム」などの差別犯罪を禁じる州法改正案を議会に提出した。禁止対象は、人種、信仰、性的嗜好、ジェンダー・アイデンティティー(性的自己同一性)、インターセックス(男女の中間的性質)、後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)をめぐる差別に基づく脅迫や暴力など。
現行の反差別法が規定する犯罪を刑法で再定義する。刑罰も大幅に強化する。刑期を現行の最大6カ月から同3年に延長し、罰金も1万1,000ドルから5万5,000ドルに引き上げる。
グラディス・ベレジクリアンNSW州首相によると、法律専門家との間で言論の自由との兼ね合いを慎重に協議したという。州首相は「他者に対して脅迫や暴力を誘発する者は、言論の自由を盾にしてはならない。保守連合政権は多様性に富んだ社会を守り抜く」と強調した。
JTB、3団体に5万5,000ドル寄付
豪州の環境資源保護に貢献
日本の旅行大手JTBはこのほど、オーストラリアの観光資源の保護に寄与するため、「グレート・バリア・リーフ・サンゴ礁保護基金」、野生動物保護施設「カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリー」、先住民支援の「ムティジュル財団」の3団体に、合計5万5,000ドルを寄付したと発表した。
グレート・バリア・リーフ・サンゴ礁保護基金はケアンズを拠点に、死滅しつつあるサンゴ礁の再生を目的に活動。ケアンズ沖のフィッツロイ島にある施設で研究と再生プログラムを実施している。
カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリーはゴールドコーストにある非営利団体で、野生動物保護園を運営。負傷した野生動物の手当ても行っている。
北部準州(NT)の観光地ウルル(エアーズ・ロック)にあるムティジュル財団は、先住民族の健康や教育、経済活動への参加をサポートしている。
JTBは2018年度、オーストラリア政府観光局(TA)と共同で豪州観光のプロモーションや商品開発、セミナーなどを展開している。団体旅行やMICE(会議、招待旅行、展示会など)、教育旅行、個人旅行など全方面で訪豪客の拡大を目指しており、同年度に合計8万人の送客を目標に掲げている。
日本水産、豪エビ養殖最大手に出資
新事業でブラックタイガー安定供給へ
日本水産(本社東京都港区)はこのほど、オーストラリアの養殖エビ大手「シーファーム・グループ」(本社WA州パース)への資本参加で同社と合意したと発表した。シーファームの発行済み株式の14.99%に相当する第三者割当増資を2,500万ドルで引き受ける。
シーファームはQLD州で高級養殖エビを生産し、国内養殖エビ生産の3分の1強を占める最大手。北部準州(NT)で新たに手掛ける大規模な養殖場開発計画に認可のめどが付いたことから、出資を決めた。シーファームの子会社が、今年度中に北部準州でブラックタイガー(ウシエビ)の養殖場建設を始め、21年度に1万トンの生産を目指している。
日本水産は、シーファームが北部準州で生産するブラックタイガーを日本とオーストラリア、ニュージーランドで独占的に販売する。関連商品もグループの販売網を通して世界展開する。シーファームの既存のエビ養殖事業については、シーファームの子会社からブラックタイガーなど年間2,000トンの供給を受け、日本とオセアニアで販売する。
日本水産によると、日本のエビ市場は緩やかな縮小傾向にある一方、欧米や中国では拡大傾向にあり、養殖エビの世界的な需要は堅調に推移する見通し。流通量の8割は養殖効率の高いバナメイエビが占め、かつて主流だったブラックタイガーは2割にとどまるという。しかし、ブラックタイガーはサイズの大きさ、加熱後の鮮やかな色彩、食感の高さから人気があり、バナメイと比較して高値で推移している。
日本水産は海外養殖事業の拡大に取り組んでいる。シーファームへの出資を通して養殖エビの安定供給を図り、エビを白身魚やサケ・マスに次ぐ主要事業に育てる。
http://nichigopress.jp/nichigo_news/monthly_news/166104/

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戦後樺太の演劇の上演始まる(動画)

2018-07-03 | アイヌ民族関連
NHK 07月01日 06時20分
かつての樺太、いまのサハリンで終戦後の混乱の中、国や民族が異なる人たちが生活を共にしていた当時の様子を描いた演劇の上演が札幌市で始まりました。
この演劇は敗戦を迎えた樺太で日本人や朝鮮半島の人、それにアイヌの人や旧ソ連の人が食料不足の中を助け合いながら生活をともにする物語です。
戦後、樺太から引き揚げた日本人の手記をもとに国や民族が異なる人たちがそれぞれの思いを抱きながら交流する中で朝鮮半島の人々の強制労働やシベリア抑留、アイヌの人たちへの差別などが描かれています。
劇の後半、日本人の引き揚げが始まるシーンでは朝鮮半島の人を演じる役者が「日本は日本人だけ自分の国に返すが、無理やり連れてきた朝鮮人には何もしてくれない」と樺太に取り残される複雑な心境をぶつけました。
札幌市の60代の女性は「当時の樺太の大変さが伝わってきました。色々な国の人たちが仲良くなってくれたら良いと思いました」と話していました。
脚本を担当した山田百次さんは「当時の樺太で不条理と思えるようなことが現実に起きていた。作品を通じてその当時の生活の様子を感じてもらえれば」と話していました。
演劇「フレップの花、咲く頃に」は4日まで札幌市中央区の劇場で上演されます。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180701/0001145.html

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