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ゴールデンカムイ描く「かわいそう」じゃないアイヌ民族

2018-07-14 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2018年7月13日11時56分井上秀樹

 長く差別を受けてきた北海道の先住民族アイヌの文化を伝承、発信する試みが、様々な課題を抱えながらも進んでいる。漫画や演劇では従来にない視点でアイヌ民族を描く作品が登場。衰退しつつあったアイヌ文化の現在地を探った。
漫画や演劇、内面踏み込み活写
 週刊ヤングジャンプ(集英社)に連載中で今春アニメ化された「ゴールデンカムイ」は、明治末期の北海道で元兵士や脱獄囚らが莫大(ばくだい)な埋蔵金を命懸けで探し求める。第22回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)でマンガ大賞を受賞した。主人公杉元佐一と行動を共にする狩りの達人がアイヌの少女だ。
 担当編集者の大熊八甲さんによると、作者の野田サトルさんは連載が決まると「この時代にアイヌは避けて通れない」と入念な取材を始めた。アイヌには「かわいそうなアイヌを描くのはもういい」と言われた。
 少女は弓矢で狩りをし、仕留めた獲物で料理を作る。下品な言葉も無邪気に話すが、アイヌには好評という。アイヌ民芸店やアイヌ料理店の客が増えるなど、漫画がきっかけでアイヌ文化に興味を持つ人が増えた。大熊さんは「アイヌは作品の一要素。テーマではない」としつつ、「アイヌを特別視しないことが大事だ」と考える。
 仙台の劇団シェイクスピア・カンパニーは、四大悲劇の一つを幕末の北海道に移した「アイヌ 旺征露(オセロ)」を今年上演した。原作の黒人将軍オセロはアイヌ、部下イアゴーはアイヌと和人(アイヌ以外の日本人)が両親という設定に。出自を隠すアイヌが成功するアイヌに嫉妬し、陥れる構造にした。「土人」といった差別語で生々しい憎悪を表現した。
 東北弁のセリフにアイヌ語を交え、アイヌの婚礼の儀式を見せるなど地方演劇とアイヌ文化を結合させている。劇団主宰で脚本・演出を手掛けた下館和巳さんは「リアルなアイヌ像になった」。今月14日に札幌でアイヌの人々を招いて上演する。
 従来のフィクション作品でアイヌは和人に侵略される「よその人」として描かれがちだった。二つの作品は内面まで踏み込み、普遍的な人間性を活写した。
差別受けた歴史も含め次世代へ
 明治以降、アイヌ民族は政府の同化政策でアイヌ語など独自の習俗を禁止された。1997年には民族の誇りを尊重するアイヌ文化振興法が施行されたが、施策は限定的だった。
 風向きが変わったのは2008年。「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採択されてからのことだ。現在は、地域振興や産業振興など幅広い取り組みを目指すアイヌ新法が検討されている。
残りあり/全文:1729文字
https://www.asahi.com/articles/ASL6Q5F02L6QUCFI002.html

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米グランドキャニオンで鉄砲水 200人が緊急避難

2018-07-14 | 先住民族関連
スポニチ 2018年7月13日 13:52

 米アリゾナ州の観光地として世界的にその名を知られているグランドキャニオンで鉄砲水が発生。200人の観光客が緊急避難するという事態に追い込まれた。
 場所は先住民族の居住区内にある「ハバスパイ」の滝で、11日から12日にかけて降った大雨の影響で水量が急激に増加。ターコイズブルーの鮮やかな水の色は茶色に染まり、滝つぼには鉄砲水が押し寄せた。
 滝のそばにいた観光客はベンチの上に立ったり、木や崖の洞窟によじ登ったが立ち往生。その後、先住民族がロープなどを使って観光客を安全な場所に導いた。現場に急行したヘリコプターでも5人が救助され、幸いにも負傷者はなし。しかし多くの観光客が“自然の脅威”を目の当たりにする結果となった。
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2018/07/13/kiji/20180713s00042000138000c.html

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沖縄返還の交渉人描く 柳川強さん

2018-07-14 | ウチナー・沖縄
毎日新聞2018年7月12日 東京夕刊
 1960年代の沖縄返還交渉の最前線に立った実在の外交官、千葉一夫を描いた映画「返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す」が東京、沖縄など5都県で上映中だ。昨年NHKBSプレミアムで放送されたドラマの再編集で「最大の違いは音。ぜひ体感してほしい」と監督を務めたNHKディレクター、柳川強さん(54)は話す。
 取材のため、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)前でタクシーを降りた途端、低空飛行でぐわーっと爆音を立てて戦闘機が現れた。「殺されるかと思った。その夜は寝られなかった」。映画では60年代のB52の資料映像を使用するなど、リアル感にこだわった。
 千葉は琉球政府主席の要望を受け、米側が拒む「核抜き本土並み」返還にこだわった。しかし、日米両政府は密約を結び、米軍基地縮小も沖縄より本土が優先された。物語は最後まであきらめない千葉の姿で幕を閉じる。「自分自身もそういう心を持ち続けたい」。柳川さんが映画に込めたメッセージだ。【上野央絵】
https://mainichi.jp/articles/20180712/dde/014/070/006000c

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