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万部町一般会計54億円 23年度予算案 団地造成に3.4億円

2023-03-01 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年2月28日 23:21
 【長万部】町は28日、2023年度の各会計予算案を発表した。一般会計は前年度当初比3・4%減の54億7300万円。前年度予算に2億6680万円を計上した中規模集会施設の建設など大型事業3件が完了し、減額となった。病院など7事業・特別会計を合わせた総額は3・2%増の92億9650万円。
 新規事業は団地2カ所の造成・建設工事に3億4100万円を計上。富野地区の苗畑跡地購入に2300万円、18橋梁(きょうりょう)の点検調査業務委託に1540万円。
 主な継続事業は、北海道新幹線札幌延伸に合わせて計画する土地区画整理事業の調査業務委託に7330万円、中山大通線など町道の舗装補修と橋梁修繕に6250万円、23年度が最終年度となるホタテ貝アイヌブランド化事業の委託費も5千万円盛り込んだ。町立病院への繰り出し金は前年度当初と同様1億5千万円。
・・・・・
(水島久美)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/808915

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先住民の知恵、平和につながる」 千歳でアンカレジ市交流報告会

2023-03-01 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年2月28日 22:07

弓の舞の映像を交えてアンカレジ訪問について報告する中原直彦さん
 【千歳】2022年度に市の姉妹都市・米アラスカ州アンカレジ市を交流事業で訪れた市民による合同報告会が北ガス文化ホールで開かれた。昨年10月に訪問した千歳アイヌ協会などの一行は現地の先住民族との交流について説明した。
 2月25日の催しで約100人が出席した。同協会の中村吉雄会長は、アラスカ先住民連盟の大会でアイヌ民族と文化を紹介し、先住民族とも意見交換したと報告した。「アイヌ民族に会いたい」との思いで面会に訪れた現地の女性から贈られたペンダントを手に「胸がじんとした」と振り返った。今後はアンカレジ市長を千歳でのアイヌ民族の儀式に招き、先住民族にも交流に参加してほしいと語った。
・・・・
上村衛)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/808832

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歌、踊り3年ぶり楽しむ 平取で「アイヌ文化祭」

2023-03-01 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年2月28日 19:10(2月28日 19:39更新)

普段練習している踊りを楽しそうに披露する平取町二風谷アイヌ語教室の子どもたち(平取町提供)
 【平取】アイヌ文化の伝承活動について日頃の成果を披露する「第33回シシリムカアイヌ文化祭」が町中央公民館で3年ぶりに通常開催され、町内外から訪れた約200人がアイヌ民族の歌や踊りを楽しんだ。
 平取アイヌ協会、平取アイヌ文化保存会、平取町二風谷アイヌ語教室が主催し、2月19日に開かれた。毎年行われていたが、新型コロナウイルス禍で昨年は中止し、2年前は作製した工芸品のみ展示していた。
 今年は、アイヌ語教室の「子どもの部」で古式舞踊のアンナホーレ(鳥の舞)やハララキ(鶴の舞)を発表し、「成人の部」では口承文芸のカムイユカラ(神謡)やユカラ(英雄叙事詩)を披露。保存会ではウポポ(座り歌)やクリムセ(弓の舞)の公演で観客を魅了した。
・・・・・
(杉崎萌)
★「ハララキ」の2つ目の「ラ」、「カムイユカラ」「ユカラ」の「ラ」、「クリムセ」の「ム」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/808672

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「金属製の道具で狩猟」 小樽市総合博物館 海獣をテーマに解説

2023-03-01 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年2月28日 18:25

展示品を前に、解説する菅原学芸員(右)
 小樽市総合博物館(手宮1)で2月26日、アザラシやトドなど海獣をテーマにした講座「博物館ゼミナール小樽学」の最後の講義が行われ、同館の菅原慶郎学芸員が、展示品に描かれた海獣の意匠などについて解説した。
 5日まで開催中のアイヌ民族と海の関わりを紹介する企画展「アトゥイ 海と奏でるアイヌ文化」の関連企画で、2月26日まで毎週日曜に計3回開いた連続講座の最終回。
 参加した市民ら25人を前に菅原学芸員は海獣の狩猟方法や狩猟後の活用法、神事における存在などを約1時間半かけて講演。もりのように使う道具の解説では、先端部の金属がおろし金を加工したもので、「アイヌ民族が金属を交易によって入手していたことを示す資料」などと話した。
・・・・
(石垣総静)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/808609

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アイヌ工芸品や刺しゅう 白老町が2人を伝統文化継承者に認定

2023-03-01 | アイヌ民族関連
NHK02月28日 19時06分

胆振の白老町で、アイヌ民族の工芸品の製作などに長年取り組んできた2人が町の「伝統文化継承者」に認定されました。
白老町の「伝統文化継承者」に選ばれたのは町内に住む山崎シマ子さん(82)で、「アットゥシ」と呼ばれる木の皮を使った織物などアイヌの工芸品の製作に30年以上にわたって取り組んできました。
また、もう1人は菅野節子さん(78)で、アイヌ文様の刺しゅうの知識や技能を深め、講師としても活動してきました。
今月24日に開かれた式典で認定書が手渡され、安藤尚志教育長は「これからもアイヌ文化の魅力と素晴らしさを広く発信していただき、後進の育成にもご尽力いただきたい」とあいさつしました。
認定書を受け取った山崎さんは「工芸は生活のために始めましたが、今は楽しさから一生懸命やろうという気持ちで取り組んでいます。人に教えながら自分でも作っていきたいです」と話していました。
白老町にある仙台藩白老元陣屋資料館では3月11日から31日まで、山崎さんと菅野さんの作品およそ40点を展示する企画展が開かれることになっています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230228/7000055572.html

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アイヌ伝統料理はSDGsの先駆け!?北海道・阿寒湖で、命や自然の大切さを学ぶ料理作り体験

2023-03-01 | アイヌ民族関連
るるぶKids2023年2月28日

北海道の豊かな自然の中で、動植物を狩猟・採集し、生きてきたアイヌ民族。あらゆる存在にカムイ(神)が宿ると考え、「必要最低限だけ、無駄なく命をいただく」という思想を持って暮らしてきました。SDGsに通じるアイヌの思想や暮らしの知恵は、未来の子どもたちにつなげていきたい大切な教え。
今回は8歳と6歳の姉弟が、アイヌの集落に住むガイドさんと一緒に料理を作りながら、自然への感謝や畏敬を持って暮らすアイヌ文化を学ぶ体験ツアーに参加してきました。
※アイヌ語の表記で「ㇿ」や「ㇷ゚」など小文字で記載している言葉は、日本語にはない発音です。読む際は軽く発音します。
親子で楽しく学べる、アイヌの伝統料理作り体験ツアーがスタート!
アイヌ文化ガイド「Anytime, Ainutime!」は、阿寒湖アイヌコタンで暮らす住民がガイドとなって、恵まれた阿寒摩周国立公園の自然散策や、アイヌに伝わるものづくりを楽しむツアーです。
2023年からはアイヌ料理作り体験がスタート。人間だけでなく自然環境のために、必要な時に必要最低限だけ無駄なくいただくというアイヌの考え方は、現代社会に求められるサステナブルの本質につながります。小学4年生以上が対象ですが、保護者の同意があれば1~3年生でも参加できるので、これからSDGsを知っていく子どもたちにもぴったりです。
アイヌ文化ガイド「Anytime, Ainutime!」 創る時間「アイヌ料理作り体験」
場所 阿寒湖アイヌシアター〈イコㇿ〉に集合後、オンネチセで体験
日程・
時間 通年11時~13時30分(所要約2時間30分)
対象
年齢 小学4年生(10歳)以上(保護者の同意で小学1~3年生も参加可能)
料金 大人(中学生以上)6,000円、小人(小学生)5,000円
最少催行人数 3名(定員8名)
申込み 10日前までに公式サイトから予約
※ツアーの詳細・設定日・予約は公式サイトを要確認
※いずれも予定
体験ツアーに参加!まずはアイヌの伝統と文化が学べる「阿寒湖アイヌコタン」へ
いつも元気な仲良し姉弟、8歳のあおいちゃんと6歳のあさひくん。飛行機に乗って、初めての北海道・釧路市へ。羽田空港から釧路空港は約1時間40分のフライト。「釧路は北海道の東側にあるんだね」、「釧路から北、ほらここに阿寒湖を見つけたよ」と、ガイドブックの地図を広げて、ワクワクが止まりません。
釧路空港からバスに乗って、約1時間10分で阿寒湖に到着。阿寒湖畔に広がる温泉街の一角に、北海道で最大のコタンである「阿寒湖アイヌコタン」があります。アイヌ古式舞踊などが見られる阿寒湖アイヌシアター〈イコㇿ〉やアイヌの暮らしぶりを学べるアイヌ生活記念館「ポンチセ」、芸術的な木彫の民芸品店が集まっています。
コタンとは集落という意味で、36戸、約120人のアイヌが暮らしています。集落には20数軒の民芸品店がずらり。伝統的な木彫作品やアイヌ文様の刺繍作品、ウッドクラフト、アクセサリーなど、個性的なアイテムをお土産にするのもおすすめです。
自然の命を無駄なくいただくアイヌ伝統料理を作ってみよう
「アイヌは北海道の先住民族で、狩りや漁をして、自然の中で暮らしてきたんだよ」とパパに教えてもらったあおいちゃん&あさひくん。アイヌ文化伝承創造館「オンネチセ」で、アイヌ伝統料理を作る体験に参加してみました。
まずは茶葉として使う笹の収穫から。イコㇿの裏手には笹がたくさん自生しています。笹は必要な分だけ採り、煮出した後のお茶殻は大地の神様に感謝の気持ちを込めて、元の場所へ返します。「自然の中にあるものを大切に、無駄なくいただき、カムイ(神)への感謝の気持ちを示す」というアイヌの教えに基づいているんです。
教えてくれるのは阿寒湖アイヌコタンで暮らすご婦人がた。優しく、気さくで、ユーモアたっぷりに、料理はもちろん、アイヌの考え方も教えてもらえます。
今回教えてもらったのは、チェㇷ゚オハウ(鮭の汁物)、アマㇺ(いなきびの入った炊き込みご飯)、ラタㇱケㇷ゚(かぼちゃの和え物)、チシㇽイモ(じゃがいものお団子)。三平汁のルーツともいわれるオハウは、鮭の塩味を活かした素朴な味わいで、出汁の昆布もそのまま具にして、食材を無駄なくいただきます。
野菜や豆類を煮て、魚脂や獣脂と塩で味付けしたラタㇱケㇷ゚は、アイヌの儀式や祭事に欠かせない一品です。シケㇾペ(キハダの実)を使うのが特徴で、実を一粒食べてみたあおいちゃんは「苦~い」とリアクション。シケㇾペは食用の他、薬用、染め物、祈り、生活用品に使われ、二日酔いによく効く胃腸薬にもなったそうです。自然からいただいた命を余すところなく、衣食住に使っていたんですね。
ラタㇱケㇷ゚をお皿に盛り付けた後、しゃもじやボールについた分も残さず、指でなぞってきれいにするのがアイヌ流。食べ物を大事にするだけでなく、川や湖を汚さないための工夫なんです。
チシㇽイモはガイドの香代子さんのお母さんが、新ジャガの時期に必ず作っていたというアイヌの家庭料理。まず、すりおろしたジャガイモを布袋に入れて、水分をしぼり出します。
次にしぼり汁を数分放置して、底に沈殿したデンプンをジャガイモに混ぜて、成形します。「ハート形にしてみよう」、「おうちでパパとママにも作ってあげてね」と楽しく作業が進みます。成形後はフライパンで焼いて出来上がり。
囲炉裏を囲んで、完成した4品をいただきましょう。「いただきます」はアイヌ語で「イペアンロー」というのだそうです。どの料理も塩分控えめで、素材本来の味を感じられるものばかり。自分たちで作ると、一層おいしく感じます。
アイヌ料理を作って食べて、子ども&パパ・ママの感想は?
鮭のスープも、ジャガイモのお団子もおいしかった。今、食べ物はいっぱいあるけど、全部自然の命だから、粗末にしちゃいけないって思ったよ」とあおいちゃん。
包丁を握るのは初めてだったあさひくんは、「包丁で野菜を切る時はネコの手みたいに手を添えるんだよ。じゃがいもをコネコネするのも楽しかった」と料理にも興味が湧いたようです。
「最近よくSDGsという言葉を耳にしますが、アイヌの方々はSDGsにつながることを昔から当たり前にやっていたというのは驚きでした。子どもたちも楽しく体験しながら、食べ物のありがたみを感じられたと思います」とパパ。
「アイヌ料理に触れる機会はめったにないし、実際に料理を作りながらSDGsに通じるアイヌの考え方を教えてもらえるのはとても貴重。今後、学校でSDGsの授業があった時にも、身をもって経験したからこそ、学びが深まるんじゃないでしょうか」とママも大満足でした。
SDGsに通じるアイヌ料理作り、親子でぜひ体験してみては。
» アイヌ文化ガイド「Anytime, Ainutime!」 詳細はこちら
●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
Sponsored:釧路市
https://kids.rurubu.jp/article/120904/

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DNA解析から縄文人度の高い地域を探れば、肥満や喘息になりやすい県民も分かる?

2023-03-01 | アイヌ民族関連
ニューズウィーク2/28(火) 17:41配信
<東京大学大学院理学系研究科の渡部裕介特任助教と大橋順教授の研究により、縄文人と渡来人の混血度合いには地域差があることが分かった。最も縄文人由来のゲノム成分の比率が高かった地域は? 渡来人と比べてどんな特徴がある?>
渡来人由来のゲノム成分の比率が最も高かったのは、最初に上陸したと考えられる九州北部ではなく……(写真はイメージです) FrankRamspott-iStock
「自分はどこから来たのか」について、興味を持つ人は少なくないでしょう。最近の一般向け遺伝子検査では、疾病リスクや体質だけでなく、祖先の特徴や民族学的なルーツを知ることができると謳っているものもあります。【茜 灯里(作家・科学ジャーナリスト)】
【動画】2100年に人間の姿はこうなる
2022年ノーベル生理学・医学賞は、約4万年前に絶滅したネアンデルタール人の骨片のDNAを解析して現生人類の起源に迫った、独マックスプランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ教授が受賞しました。古人類学にDNA解析を用いる手法は、近年は日本人の成り立ちの解明にも用いられています。
現代の日本人は、主に縄文人と弥生時代の渡来人(弥生人)をルーツにしています。みなさんも「縄文人は彫りが深く、渡来人は平坦な顔立ちだった」などの特徴を耳にしたことがあるかもしれません。では、縄文人と渡来人の混血の程度は、どの地域でも同程度だったのでしょうか。
東京大学大学院理学系研究科の渡部裕介特任助教と大橋順教授は、現代日本人の遺伝情報から縄文人に由来する遺伝的変異(縄文人由来変異)を検出する方法を開発し、縄文人と渡来人の混血の程度には地域差があることを示しました。さらに、縄文人と渡来人は、それぞれの生活様式に適応した表現型(見かけや特徴)を持っていたことを明らかにしました。研究の成果は、23年2月18日(米国東部標準時)に米科学誌「iScience」オンライン版に掲載されました。
日本人のルーツと、DNA解析を用いた最新の「日本人学」を概観しましょう。
<弥生時代の開始時期は諸説あり>
日本列島にヒトが居住を始めたのは約3万8千年前と考えられています。約1万6千年前に縄文時代が始まると、土器を作り定住化した縄文人は日本全土に広がり、狩猟採集民でありながら非常に高い人口密度を達成しました。
弥生時代は、渡来人によって稲作文化がもたらされ、金属器が使用されたことが特徴です。始まりは地域によって異なりますが、長らく紀元前5~4世紀頃とされてきました。けれど、国立歴史民俗博物館は03年、放射性炭素を使って弥生土器の付着物を年代測定し、紀元前10世紀とする説を提唱しました。現在は、紀元前10~8世紀と考える研究者が多いものの、開始時期については依然として意見は分かれています。
「日本列島人は、狩猟採集民族だった縄文人の系統と、日本列島に稲作文化をもたらして定住した渡来人の系統の混血によって成立した。列島の両端に居住するアイヌと沖縄の人たちは、渡来人との混血が少なかったために縄文人の遺伝的要素を強く残した」とする「二重構造モデル」は、東大名誉教授の自然人類学者、埴原和郎博士が形態研究に基づいて91年に発表した仮説です。
<遺伝学的に見ても妥当>
90年代後半になると、人類学にDNA解析を用いる手法は急速に進展しました。
『核DNA解析でたどる日本人の源流』(河出書房新社)の著書がある国立遺伝学研究所の斎藤成也教授(当時)らの研究チームは16年、東大総合研究博物館所蔵の福島県・三貫地貝塚の縄文人骨の核DNAを初めて解析し、成果を発表しました。
それまでは、縄文人骨ではミトコンドリアDNAは解析されていたものの、核DNAは技術的に難しく実施されていませんでした。ミトコンドリアDNAは母系遺伝であり、塩基数も核DNAの約20万分の1と小さいため、得られる遺伝情報は限られてしまいます。斎藤教授らのチームは縄文人の奥歯の中から核DNAを抽出し、「次世代シークエンサー」を用いて縄文人ゲノムの4%にあたる1億塩基の解読に成功しました。
<縄文人と弥生人の混血度合いを都道府県別に解析>
その後、他の縄文人骨や弥生時代の遺跡から得られた人骨の解析が進み、二重構造モデルは遺伝学的に見ても妥当であることが示されました。次に、研究者たちが注目したのは、日本列島内での縄文人と渡来人の混血の度合いの地域差でした。
これまでのDNA解析によって、現代の日本人の地域集団には、現代のアジア大陸の人々の集団に比較的近い集団と、それほど近くない集団があることが知られています。日本人の渡来人系の祖先集団は現代のアジア大陸の集団と近縁であることから、「現在の遺伝的な地域差は、弥生時代に起こった縄文人と渡来人との混血の度合いの地域差に起因するのではないか」と予想されていました。
大橋教授らは21年、ヤフーが20年まで実施していた遺伝子検査サービス「HealthData Lab」に集まったデータのうち許諾の得られたものを用いて、都道府県別の縄文人と弥生人の混血度合いを解析した結果を発表しました。
1都道府県あたり50人のデータを解析すると、縄文人由来のゲノム成分の比率が最も高かったのは沖縄県で、九州や東北が続きました。対して、渡来人由来の比率が最も高かったのは滋賀県で、近畿、北陸、四国で高い結果が見られました。なお、北海道は縄文人由来の比率が高いとされているアイヌの人々が含まれていなかったため、関東と似た結果になりました。
弥生時代に最初に渡来人が上陸したと考えられている九州北部地域よりも、近畿のほうが渡来人由来の比率が高いことは、不思議に思えます。大橋教授は「九州北部では上陸後も渡来人の人口があまり増えず、近畿などの地域で人口が拡大したのではないか」と説明しています。
縄文人の祖先は、アジア大陸の集団から数万年前に分化し日本列島に渡ると、島国であるために長期間、大陸の集団から孤立しました。そのため、現代日本人には他の現代の東アジア人に見られない、縄文人由来の特有の遺伝的変異「縄文人由来変異」が蓄積されています。
<中性脂肪が増えやすいのはどっち?>
今回、大橋教授らは、現代日本人の縄文人と渡来人との混血度合いの地域差を示すために、縄文人由来の遺伝子変異の保有率に注目しました。
まず、本土日本(日本列島人のうち本州・四国・九州)の居住者約1万人のデータを用いて、各都道府県の集団がゲノム中に縄文人由来変異を何個保有しているかをカウントすると、縄文人由来変異保有率は青森県・秋田県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・群馬県・鹿児島県・島根県などで特に高いことが分かりました。対して、近畿や四国の各県では特に低いことも示されました。また、縄文時代晩期から弥生時代にかけての人口増加率が高かった地域の集団ほど、現代では縄文人度が低いことも分かりました。
<解析結果に見る、縄文人の3つの特徴>
現代日本人のゲノムの中には、縄文人由来変異の集積した「縄文人に由来するゲノム領域」と、縄文人由来変異の見られない「渡来人に由来するゲノム領域」があります。研究チームは、ゲノムを2つの領域に分類し、縄文人と渡来人の表現型を推定する解析を行いました。
解析の結果、縄文人には渡来人と比べて、①遺伝的に身長が低い、②血糖値が高くなりやすく中性脂肪が増えやすい、③白血球の一種である好酸球やCRP(炎症反応で血中に増加するタンパク質)は増えにくい、という特徴が見られました。
縄文人は、稲作文化を持つ渡来人と比べて炭水化物食への依存度が低いため、血糖値や中性脂肪を高く維持して狩猟採集へ適応していた可能性が示唆されます。一方、農耕社会を作った渡来人は、集団サイズが増し集落間の交流も多かったため、好酸球やCRPを高めることで感染症への抵抗性を獲得した可能性があります。
現在は、血糖値や中性脂肪が増えやすいと肥満の要因となり、好酸球が増えやすいと喘息の要因となることが知られています。研究チームは、本土日本では縄文人度合いの高い都道府県ほど5歳児における肥満率が高く、縄文人度合いの低い都道府県ほど喘息増悪率が高いことも突き止めました。
研究チームはこれらの結果から、「縄文時代末期から弥生時代にかけての人口規模の地域差によって、本土日本の地域間で縄文人と渡来人の混血度合いに地域差が生まれ、現代日本人の遺伝子型や表現型の地域差となった」という「本土日本人の集団形成モデル」を提唱しました。今後、日本人の起源を探る研究において、人類学や考古学など様々な分野に影響を与える可能性があります。
日本に現存する最古の書物は『古事記』(712年)です。縄文時代や弥生時代の日本人の詳細は、文字で知ることはできません。けれど、現代日本人の体内の遺伝情報は、縄文人と渡来人の混血の歴史の証言者として、日本人の成り立ちを雄弁に語っています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f85ef021f7193f5fab19fef96067ff46118e17ac

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タペストリーなど紹介 伝統工芸品PR展示会 白老アイヌ協会

2023-03-01 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2023.02.28
白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は3月末まで、地元のアイヌ工芸作家や刺しゅうサークルの会員らが制作した作品を紹介する「アイヌ文化伝統工芸品PR展示会」を同協会事業拠点のノシキ(町大町2)で開催している。

地元の伝統工芸作家らの作品が並ぶ会場
 アイヌ文化の継承と理解促進を目的としたイベント。会場にはアイヌ文様刺しゅうを施したタペストリーやバッグなど41点を展示している。同協会は「アイヌ民族の手仕事を見てほしい」と来場を呼び掛けている。
 入場無料で、展示時間は午前9時から午後4時(土日や祝日、年末年始は休み)。問い合わせは同協会 電話0144(84)5130。
https://hokkaido-nl.jp/article/28442

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縄文や海外で土器生まれた文化的な共通点探る企画展 新見市

2023-03-01 | 先住民族関連
NHK02月28日 14時21分

日本の縄文土器や海外の先住民族の土器など、古代の土器が生まれた文化的な共通点を探ろうという企画展が、新見市で開かれています。
新見市の猪風来美術館で開かれている企画展には、ブラジルの芸術家・故メストレ・カルドーゾさんのアマゾン川流域の古代の土器を再現した作品と、館長で造形作家の猪風来さんらが制作した縄文土器の再現作品など、あわせて34点が展示されています。
2月23日には、企画展に合わせた専門家の座談会が開かれ、猪風来さんと海外の古代文化などを研究している3人の専門家が、アマゾン川流域の古代土器と縄文土器などを比較しながら意見を交わしました。
そして文様から、いずれも女性が主体的に土器作りにかかわったことがうかがえるとの見方で一致する一方、文化人類学が専門の九州大学の古谷嘉章名誉教授は「日本の縄文時代より長く続いたアマゾン川流域の文明では、かなり大きく手の込んだ土器も現れていて、特殊な技術を持った専門家がいた可能性もある」と指摘していました。
造形作家の猪風来さんは「アマゾンの土器はまろやかで豊かな魂の輝きのようなものを感じ、縄文と共通するものがあると思います」と話していました。
この企画展は5月28日まで開かれています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20230228/4020015849.html

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ヴァージン・オーストラリア航空 史上初の直行便「羽田=ケアンズ(オーストラリア)線」の航空券を本日から発売開始

2023-03-01 | 先住民族関連
Virgin Australia Airlines Pty Ltd2023年2月28日 11時00分
ヴァージン・オーストラリア航空(本社:オーストラリア・ブリスベン、CEO:ジェイン・ハードリカ)は、2023年2月28日(火)より、東京(羽田)=オーストラリア(ケアンズ)便の航空券を国内で発売開始します。
今回の新規就航により、ケアンズと東京(羽田)が初めてヴァージン・オーストラリア航空の直行便で結ばれます。クイーンズランド州にあるケアンズは、日本から最も近いオーストラリア北部の空の玄関口で、オーストラリアの他の地域へのゲートウェイでもあります。2023年6月28日より、毎日一便運航を開始し、クイーンズランド州を訪れる日本の旅行者に、より多くの選択肢とバリューをご提供します。
この新路線の航空券発売開始を記念して、本日から東京(羽田)=オーストラリア(ケアンズ)便において、特別価格で販売するキャンペーンを実施します。8月2日から12月3日までのご旅行を対象に、エコノミー・チョイス運賃※を80,800円(税込・往復料金)から旅行代理店で発売します。このキャンペーンは、本日2月28日(火)から日本時間2023年3月14日(火)午前0時まで行います。
※チョイス運賃:座席・日時指定で自分好みの選択で決定する料金タイプ
昨年の12月に発表したコードシェア拡大の一環として、パートナー社の全日本空輸株式会社(ANA)が、本日よりANA便名による東京(羽田)=オーストラリア(ケアンズ)便航空券の販売を開始します。
ヴァージン・オーストラリア航空の羽田発着便では、以下の3つクラスが利用可能です。
●   エコノミー
●   エコノミーX(足元スペースがより広いエコノミー席)
●   ビジネス
ビジネスクラスでは、機内食を無料でご用意するほか、オーストラリア産のビールやワイン、アメニティキットを取り揃えています。エコノミークラスのお客様は、オーストラリアや日本で人気の新鮮な食品、パッケージされた食品を「バイ・オン・ボード・メニュー」から購入できます。
羽田=ケアンズ間のフライトスケジュール
ヴァージン・オーストラリア航空の新路線は、羽田を夜に出発し、翌朝にケアンズに到着します。この便利なフライトスケジュールは、日本における海外への旅行が復活するタイミングにちょうど合致しています。
日本人の海外旅行者数は2022年第1四半期と第2四半期を比較すると227.55%増(627,302人から200万人強)※となり、再び海外旅行に出かける人が増えつつあります。
※ 日本政府観光局(JNTO)2023年1月20日発表の統計資料から独自算出。2022年第1四半期(4‐6月)、第2四半期(7‐9月)日本出国日本人数を比較。
ヴァージン・オーストラリア航空による初めての羽田とケアンズを結ぶ直行便運航は、回復途上にある日本の観光産業に大きな恩恵をもたらすと期待されています。2019年末にオーストラリア政府観光局が行った調査によると、2024年までに約170万人の日本人旅行者がオーストラリア旅行を検討しています。さらに、コロナ前は、日本からオーストラリアへの旅行者の59%がクイーンズランド州を最初の目的地(旅行先)に挙げており、ケアンズがその中でも最も人気でした。
 東京(羽田)=ケアンズ線の使用機材について
2050年までにネットゼロ・エミッション(酸化炭素排出量実質ゼロ)を目標とするヴァージン・オーストラリア航空のコミットメントの一環として、新路線ではボーイング737-8型機を採用します。この機材は、最大15%の二酸化炭素排出量を削減し、当社のサステナビリティ成長戦略においても重要な役割を担っています。
今回の東京(羽田)=ケアンズ線就航について、ヴァージン・オーストラリア航空CEOのジェイン・ハードリッカは、次のように述べています。
「ヴァージン・オーストラリアは、6月28日から東京・羽田とオーストラリア・ケアンズを結ぶ初めての直行便を運航し、2つの代表的な都市を訪れたい旅行者に、より多くのバリューと選択肢をご提供します。年間を通したデイリー運航は、数々の受賞歴があるヴァージン・オーストラリア航空のサービスとお得な航空運賃を証明し、また、航空業界に必要な市場競争力をもたらします。クイーンズランド州の誇りある企業として、さらに多くの日本の旅行者がこの州の比類ない自然の素晴らしさ、そして世界レベルの体験などを堪能できることを心待ちにしています」
ヴァージン・グループの創業者リチャード・ブランソン卿は、次のように述べています。
「2つの象徴的な都市がつながることは、私たちにとって極めて大きな一歩です。ヴァージン・オーストラリア航空が東京の羽田とオーストラリアのケアンズを結ぶ史上初めての航空会社となったことを、大変誇りに思います。ヴァージン・オーストラリア航空が、『これまでとは異なることの実現』をミッションに掲げて設立してから23年、旅行者について再定義しながら、力強く発展していることを嬉しく思います。6月28日から、数々の受賞歴のあるヴァージン・オーストラリア航空のサービスとお得な航空運賃を日本の旅行者の皆様に体験いただけることを楽しみにしています」
また今回の重要路線のチケット発売開始について、ケアンズ観光局のCEOであるマーク・オルセンは、次のように述べています。
「ケアンズ行き直行便の就航は、日本人旅行者の皆様に、同地域に展開する多くの新しいホテル、レストラン、持続可能(サステナブル)な観光を体験していただく絶好の機会となるでしょう。日本全国、特にANAが運航する多くの地方都市に居住の皆様へ、今回の接続便が新たな旅行機会の推進力になるよう、大いなる期待を寄せています」
また同氏は、次のように続けています。
「ケアンズは日本から最も近いオーストラリアの玄関口であり、時差はわずか1時間、年間を通じて温暖な気候で、旅行者、教育旅行やビジネスイベントの参加者に最適です。ケアンズ観光局は、新サービスの開始に向けて、旅行業界や関係者と密接に連携し、メディアやインフルエンサーの啓発、セミナー、業界ミッションやパートナーとのプロモーション活動に取り組んでまいります」
この新路線の航空券発売開始に関して、クイーンズランド州政府観光大臣のスターリング・ヒンチリフ は次のように述べました。
「ケアンズとグレートバリアリーフに日本の旅行者が舞い戻り、私たちの悠々としたライフスタイル、そしてユニークかつ世界クラスの観光体験をご堪能いただけることを嬉しく思います。コロナ後は、ケアンズとグレートバリアリーフでの忘れられない休暇、そしてクイーンズランド州が誇る温かいおもてなしが、日本の皆様を出迎え、お楽しみいただくことができます。ヴァージン・オーストラリア航空の直行便により、カンガルーとの遭遇、世界遺産の熱帯雨林、目を見張るような先住民族文化をこれまでになく気軽にご体験いただけるようになります。一生に一度の休暇は、ぜひクイーンズランドで。皆様、お会いしましょう。」
チケットの詳細について
ご利用希望の方は旅行代理店にお問い合わせ下さい。
期間限定販売の利用規約
・今回発売のは売り切れの場合を除き、2023年2月28日午前0時1分(日本時間)から2023年3月14日午後11時59分(日本時間)まで販売します。
・また2023年8月2日から2023年12月3日(同日含む)の特定日のご旅行が対象です。旅行期間と条件が適用されます。
・80,800円は、旅行代理店でご予約いただいた日本(羽田)発オーストラリア(ケアンズ)行きエコノミー・チョイスの復路運賃に基づく価格です。
・その他運賃は、旅行代理店で予約された出発地からの片道エコノミー(ライト、チョイス、フレックス)運賃に基づくものです。
・本期間限定販売の対象となる運賃は、旅行代理店でご購入いただいたものに限ります。
・羽田発の航空便運賃は、ヴァージン・オーストラリア航空のウェブサイトではご購入いただけません。
・空席状況によりご利用いただけない場合があります。
・支払いには追加料金がかかる場合があります。(エコノミー・ライト運賃の場合:エコノミー・ライト運賃には、座席指定料金およびお預かり荷物料金は含まれておりません)
・利用規約全文は右記をご参照下さい:www.virginaustralia.com
ヴァージン・オーストラリア航空について:
ヴァージン・オーストラリア航空は、リチャード・ブランソン卿 (Sir Richard Branson) によって2000年に設立されたオーストラリア最大の航空会社の一つです。豊富な国内線だけでなく、短距離国際線のチャーター便や貨物便も運航しています。
ヴァージン・オーストラリアは、オーストラリアのブリスベンに本社を置き、7,000人以上の従業員を擁し、22年以上にわたってオーストラリアの航空業界をリードしてきました。
ヴァージン・オーストラリア航空は、1,100万人以上の「ベロシティ・フリクエント・フライヤー」会員を擁しており、会員の皆様は、ヴァージン・オーストラリアおよび数々の提携航空会社を使用し、世界500都市以上を結ぶフライトサービスでポイントの加算・交換が可能です。国際的な提携航空会社には、ANA、シンガポール航空、ユナイテッド航空、カタール航空、エティハド航空などが含まれます。
ヴァージン・オーストラリア航空は、過去数年に渡り、数々の賞に輝き、世界で最も優れた客室乗務員を擁していると評価され続け、エアライン・エクセレンス・アワード(AirlineRatings.com)でトップ10にランクインしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000113450.html

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オーストラリア発、先住民との「寿命格差」を埋めるファッションブランド

2023-03-01 | アイヌ民族関連
アイデアスフォーグット2月 28, 2023 by 澤田 美咲
オーストラリア・メルボルンを歩いていると、街ゆく若者たちが身に付けた「赤・黒・黄色」の原色ファッションを見かけることがある。この3色は、オーストラリアの先住民(アボリジニとトレス海峡諸島の人々※1)の伝統的な国旗を象徴しており、赤は大地、黒は先住民の人々、黄は太陽を意味する。

Image via Closing The Gaps
オーストラリアには、少なくとも4万年以上前から暮らしていたとされる先住民(アボリジニとトレス海峡諸島の人々)が存在する。しかし約200年前のイギリスによる植民地化以降、先住民への迫害や同化政策により先住民と非先住民の間の生活水準の差が広がった。その差は、現在でも存在している。
生活水準の差は年々縮まってきてはいるものの、2020年に発表された政府の調査では、先住民の平均寿命は非先住民に比べて約8年短いという結果が出ている(※2)。まだまだギャップは大きく、それは身体的な要因だけでなく、教育・雇用・住居・給料などの社会的な要因も大きいと言われている。
メルボルン発のファッションブランド「Clothing The Gaps(クロージング・ザ・ギャップス)」は、そんな先住民と非先住民の間にある平均寿命の差を縮めることを目的に設立された。ブランド名は、先住民の健康や寿命の格差をなくすためにオーストラリア政府が推進している政策「Closing the Gap(クロージング・ザ・ギャップ)」をもじったものだ。
クロージング・ザ・ギャップスは社会的企業として、クロージング・ザ・ギャップス基金(公衆衛生専門家の指導のもと、先住民の健康増進に取り組み、生活をより豊かにする活動をしている非営利団体)に資金を提供し、サポートをしている。また、スタッフの80%が先住民で占められ、彼らが人生の目標や野心を追求できるよう積極的に支援している。2022年にはB Corp認定も取得した。
クロージング・ザ・ギャップスの創設者の1人であるローラ・トンプソン氏は、「先住民の人々やコミュニティが繁栄できるように、意味のある商品を作り、人々に影響を与え続けたい。これからの時代は、ブランドがそのプラットフォームを使って社会変革を起こすことができると考えている」と話す。
クロージング・ザ・ギャップスの商品は、メッセージ性の強いものからシンプルなものまで幅広いラインナップで誰でも気軽に身につけやすい。自分の価値観を表現したい人、デザインが気に入ったから着たい人……どんな理由でも身につけているものが人々に影響を与え、そこから社会変革につながる会話が生まれるのではないだろうか。
※1 現在英語での「アボリジニ(Aborigine)」は差別的表現とされており、「Aboriginal people」「Aboriginal Australians」などと呼ばれることが多いが、ここでは便宜上「アボリジニ」と表記する。
※2 Closing The Gap Report 2020
【参照サイト】Clothing The Gaps
【参照サイト】Clothing The Gaps Foundation
【関連記事】オーストラリア、ビクトリア州で行われている先住民との対話促進キャンペーン
Edited by Megumi
https://ideasforgood.jp/2023/02/28/closing-the-gaps/

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グレタさん、北欧先住民と「違法な」風力発電所に抗議 ノルウェー

2023-03-01 | 先住民族関連
時事通信2023年02月28日13時31分
【オスロ(ノルウェー)AFP=時事】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんと北欧の先住民サーミ人の活動家数十人は27日、ノルウェー最高裁が操業許可を無効としたにもかかわらず稼働を続けている風力発電所に抗議し、同国石油・エネルギー省の前を封鎖した。(写真は、ノルウェー・オスロで、石油・エネルギー省の前を封鎖するグレタさん〈後列右から3人目〉や北欧先住民サーミ人の活動家)
 グレタさんは「脱炭素社会への移行を植民地主義の隠れみのにさせてはいけない」と現地テレビに語った。
 問題となっているのは、ノルウェー西部のフォセン地方にある風力発電所。最高裁は2021年、この発電所がサーミ人のトナカイの放牧権を侵害しているとし、151基のタービン建設および操業の許可を無効と判断した。だが判決から1年以上たった今も風力タービンは稼働している。
 ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの北部に合わせて約10万人が暮らしているとされるサーミ人は、伝統的にトナカイの放牧と漁業で生活してきた。サーミ人の活動家は、タービンの取り壊しを要求している。
 警察当局は、ノルウェー石油・エネルギー省の玄関ホールを数日間占拠していた十数人の活動家を26日夜から27日未明にかけて強制的に排除。この庁舎には複数の省庁が入っており、職員は27日、在宅勤務を求められていた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
この記事の英文はこちら【英文時事コム】
https://www.jiji.com/jc/article?k=20230228044160a&g=afp

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【元外交官が解説!】日本人が学びたい、ブラジル国民が持つ「民族の壁を越えた一体感」の理由

2023-03-01 | 先住民族関連
ダイヤモンドオンライン2023.3.1 2:45
山中俊之:著述家/国際公共政策博士

「人種・民族に関する問題は根深い…」。コロナ禍で起こった人種差別反対デモを見てそう感じた人が多かっただろう。差別や戦争、政治、経済など、実は世界で起こっている問題の“根っこ”には民族問題があることが多い。芸術や文化にも“民族”を扱ったものは非常に多く、もはやビジネスパーソンの必須教養と言ってもいいだろう。本連載では、世界96ヵ国で学んだ元外交官・山中俊之氏による著書、『ビジネスエリートの必須教養「世界の民族」超入門』(ダイヤモンド社)の内容から、多様性・SDGs時代の世界の常識をお伝えしていく。
ブラジルの日系2世3世は何人か?
 私は大前研一さん主宰の勉強会に参加した際、こんな質問をしてみました。
「世界で人種差別が少ない融和的な国を挙げるとするとどこですか?」
 世界の国々を知り尽くした大前さんは、あくまで参考例としてでしたが三つの国を挙げてくれました。一つはカナダ。その次に挙げたのがシンガポール。もう一つはブラジルでした。
 私自身も世界の96ヵ国をこれまで訪れ、多くの国際会議にも出席してきましたが、同じ印象を持っています。
 ブラジルは白人が47%、ムラート(白人と黒人の混血の人々)が43%、黒人が7%。アマゾンに先住民はいますが、ペルーやボリビアに比べると数は少なく、したがってメスティーソ(白人と先住民の混血の人々)の人口はわずかです。
 また、問題がないわけではなく、アマゾン先住民は、コロナ禍において治療やワクチン接種が進まないなど問題を抱えています。
 ブラジル人は人種について、「私はポルトガル系です」とか「アフリカ系です」となかなか明言しにくいといわれています。
 それは「問題になるといけないので言及を避ける」ということではなく、あらゆる血が入っているので、自分自身でも把握しきれないということのようです。
 たとえば、祖父・祖母の時代までは「祖父は白人と黒人のムラートの一族で、祖母は白人」というのはわかっても、その祖母の三代前はメスティーソと白人が結婚していたりします。
 ブラジルには20世紀初めから100万人の日本人が移民として入植し、今も200万人の日系人がいます。
 彼らも大変な苦労をしていますが、それは貧しさからスタートした激しい労働の苦労であって、人種的な差別や迫害ではなかったようです。
「ブラジルは人種差別ゼロ」ではありませんが、少なくともアメリカのように厳しい人種間の対立の歴史はありません。
 逆にいうと、日系ブラジル人であっても三世くらいになると、「私たちは日本人だ」というアイデンティティを強く持つ人はあまりいません。
 その意味で日系ブラジル人は、一族郎党日本からきた人たちだけで構成され、「Tanaka」「Yamada」のような姓を持ってアジア人の顔をしていたとしても、日本人ではなくブラジル人なのでしょう。
 ブラジルは古い出自にこだわらず、でも「ブラジル人」として自国を誇り、愛している国民性です。
 世界のチームに散らばっているブラジル出身のサッカー選手も「ブラジル人同士」ということで横のつながりが強かったりするのです。
ボサノバに象徴されるブラジルの「共存意識」
 中南米は全体として人種や肌の色にこだわりが比較的少ないのですが、特にブラジルに顕著なのは、黒人奴隷の待遇の違いではないかというのが私の仮説です。
 ブラジルでも他の中南米と同じく、以前は先住民と黒人は社会の底辺に位置していました。
 差別され、1ヵ所にまとめられていたから、ハイチやジャマイカのように黒人が多い国もあるわけです。
 しかし、ブラジルの場合は白人と黒人が同じ地区に住み、混血している場合もあります。一方で、スラムが厳然として存在し、貧富の差が明確にあることも事実です。
 しかしそこには、ブラジルを植民地支配したポルトガルが、白人至上主義的ではなかった影響もあるでしょう。
 大西洋に突き出たリスボンは、いってみるとわかりますが、「ここから大航海時代が始まった」と感じられるひらけた土地です。
 ポルトガルはビジネス第一であり、人種的偏見が少なかったために、おそらくブラジルにも融和的な傾向があるのではないでしょうか。
 大航海時代の後半になると、ポルトガルはスペインの陰に隠れて世界の表舞台から遠ざかってしまいましたが、彼らのひらけた考え方は目に見えない大きな精神性として、ブラジルに残っているのかもしれません。
 ブラジルの音楽・ボサノバはポルトガル語で「新しい傾向」「新しい突起」という意味。
 ブラジルの黒人音楽やサンバ、ジャズが混じりあったものといわれています。ジャズはご存じの通り、アフリカ系の黒人から生まれた音楽です。
 訪問したリオデジャネイロの音楽バーで、あらゆる要素が混じりあった心地良いボサノバを聴いていると、融和から生まれた「共存意識」を持つ、ブラジルの心そのもののように感じられました。
なぜいま、「民族」を学ぶべきなのか?
「ダイバーシティが重要」「世界の多様な価値観を理解すべき」……。このような声を聞くことが最近増えましたが、ダイバーシティやその前提となる多様な文化・価値観を理解するためには、民族について知っていることが重要です。
 しかしながら、世界96カ国を巡り、様々な国や民族の人たちと仕事をしてきた私からすると、日本人の民族への理解――いわば「民族偏差値」は、世界最低レベルだと思います。
 日本人は単一民族ではないものの、限りなく単一民族的です。みんな似ているし、争いはあまりないし、言葉もそう違わず、結婚・就職の差別も世界的に見ればとても少ない。
 ただし、多様性がないから無知になり、発想が貧しくなります。多様であることが新たな文化を育み、イノベーションのもとになるのです。
 ダイバーシティ・SDGsが重視されるこれからの時代に向けて、もはや「民族」は必須教養です。拙著『ビジネスエリートの必須教養 「世界の民族」超入門』では、「民族」を知るために必要な材料を揃えました。
 言語、宗教、歴史、芸術文化を含む壮大なテーマではありますが、ビジネスエリートなど忙しい人たちのために、ポイントを絞ってお伝えしています。
 本書を読めば、皆さんの民族への知識はおおいに深まるでしょう。「これまでとは“世界の見え方”がガラッと変わる」。そんな書籍に仕上がっています。皆さんの助けとなる1冊となれば、著者としてこれほど光栄なことはありません。
https://diamond.jp/articles/-/318054

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