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北海道新聞2023年3月19日 00:18

日本語に翻訳した「アイヌ語・ロシア語辞典」を手にする寺田吉孝教授
約150年前の樺太(サハリン)でロシア人軍医がアイヌ民族から聞き取り、まとめた「アイヌ語・ロシア語辞典」を北海学園大の寺田吉孝教授(68)=ロシア語=が日本語に翻訳し、初めて出版した。日常語はもちろん、樺太アイヌの食事や医療の記述も豊富で学術的な発見も期待されている。昨年11月の出版まで28年をかけた労作。寺田教授は「樺太のアイヌ語彙(ごい)を収めたものとしては最大規模の辞典。研究に役だててほしい」と話している。
辞典を著したのはロシア人軍医ミハイル・ドブロトボルスキー(1836~74年)。国による領有権が定まっていなかった樺太に1867年から5年間赴任して、診療などを通じて収集した言葉を中心に、先行資料からの引用も含めて約1万1千語を載せている。
ロシア語で表記されたドブロトボルスキーの辞典はアイヌ語の研究者には知られていたが、日本語訳は出版されていなかった。寺田教授はアイヌ文化研究の第一人者で同僚の藤村久和・北海学園大名誉教授に勧められて1994年、翻訳に着手。中断を挟んで昨秋、共同文化社(札幌)から出版した。
A5判1160ページで、・・・・
(金子文太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/818374
北海道新聞2023年3月19日 00:18


日本語に翻訳した「アイヌ語・ロシア語辞典」を手にする寺田吉孝教授
約150年前の樺太(サハリン)でロシア人軍医がアイヌ民族から聞き取り、まとめた「アイヌ語・ロシア語辞典」を北海学園大の寺田吉孝教授(68)=ロシア語=が日本語に翻訳し、初めて出版した。日常語はもちろん、樺太アイヌの食事や医療の記述も豊富で学術的な発見も期待されている。昨年11月の出版まで28年をかけた労作。寺田教授は「樺太のアイヌ語彙(ごい)を収めたものとしては最大規模の辞典。研究に役だててほしい」と話している。
辞典を著したのはロシア人軍医ミハイル・ドブロトボルスキー(1836~74年)。国による領有権が定まっていなかった樺太に1867年から5年間赴任して、診療などを通じて収集した言葉を中心に、先行資料からの引用も含めて約1万1千語を載せている。
ロシア語で表記されたドブロトボルスキーの辞典はアイヌ語の研究者には知られていたが、日本語訳は出版されていなかった。寺田教授はアイヌ文化研究の第一人者で同僚の藤村久和・北海学園大名誉教授に勧められて1994年、翻訳に着手。中断を挟んで昨秋、共同文化社(札幌)から出版した。
A5判1160ページで、・・・・
(金子文太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/818374