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アイヌ文化の伝承活動知って 千歳で19日発表会

2023-03-16 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年3月15日 21:44
 【千歳】地域のアイヌ文化の伝承活動を幅広い市民に知ってもらうと、千歳アイヌ協会は19日、「アイヌ文化発表会」を蘭越生活館(新星1)で開く。アイヌ民具・工芸品や刺しゅう作品、サケ漁で使う丸木舟「チプ」などを展示する。
 会場では、アイヌ古式舞踊や民族楽器の披露、アイヌ語の普及などに取り組む同協会と千歳アイヌ文化伝承保存会による伝承活動を収めたビデオ映像を上映。写真家の栂嶺(つがみね)レイさんが撮影した写真パネルも並ぶ。儀式を行ういろりのある部屋も公開し、民族衣装の試着体験もできる。
・・・・
(上村衛)
※「チプ」の「プ」は小さい文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/816730

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<登別>未知の歴史に迫る魅力 登別市教委学芸員古文書解読を担当・平塚理子さん(42)

2023-03-16 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年3月15日 15:05

「古文書を読み解くことで、地域の歴史をもっと身近に感じてもらえたら」と話す平塚理子さん
 【登別】郷土の歴史が記された古文書の解読が進んでいる。市民向けの教室も好評で、今年で12年目を迎える。中心的役割を担う登別市教委の学芸員平塚理子さん(42)に、古文書の魅力や歴史を読み解く意義について聞いた。
■「他地域の文書から、登別の新たな側面発見したい」
 2012年から登別市教委の学芸員として市に残る古文書の解読を担当する。
 「北海道は本州からの移住者が多いため、登別の人も『歴史が無い』と思いがちですが、そんなことはありません。教科書に載っているような大きな歴史はなくても、江戸時代や明治時代の登別の様子を記した資料は残っています。古文書を解読して人々の知らない歴史をひもとくことで、地元の人の郷土愛が深まったらうれしいです」
 登別には、貴重な資料が数多く保管されている。
 「登別に残る古文書の面白さは複数あります。明治初期に宮城県白石市から登別に入植した仙台藩片倉家を記録した古文書『明治二年以降片倉家北海道移住顛末(てんまつ)』には、戊辰戦争に負けた片倉家が武士の身分を保つため登別に渡ったことや開墾の苦労などがつづられています。また、登別は四国からの移住者が多かったのも、行政文書から分かります」
 旧幌別村(現登別市)の行財政・教育資料「幌別村役場文書」には、アイヌ民族との交流が垣間見える。
 「アイヌ民族に代わって船の税金などを役所に納めていた『漁場持』の上納目録や、アイヌ民族の自立に尽力した金成太郎がアイヌ民族のための『愛隣学校』を設立するに当たって提出した開校届などが残っています。昭和から明治期のまとまった記録は全道的にも珍しく、アイヌ民族との関わりが分かる資料です」
・・・・・・・
(高木乃梨子)
<略歴>ひらつか・みちこ 1981年、札幌市生まれ。京都市の京都府立大文学部在学時に学芸員資格を取得。同大大学院文学研究科史学専攻修了後、同府長岡京市教委で4年間、古文書など文化財調査を担当。2012年から現職。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/816389

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幕別町百年記念ホールで木彫りのスマホスタンド作り、アイヌ文化体験講座

2023-03-16 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2023/03/15 15:45
 【幕別】アイヌ文様が刻まれた木彫りのスマホスタンドを作る催しが11日、幕別町百年記念ホールで開かれた。
 アイヌ文化体験講座の一環。マクンベツアイヌ文化伝承保存会の廣川昌嘉会長が講...
●この記事は会員限定です。勝毎電子版に登録すると続きをお読みいただけます。
https://kachimai.jp/article/index.php?no=582153

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「白老町伝統文化継承者展」開幕 アイヌ手工芸品など 山崎さんと菅野さんの作品を中心に

2023-03-16 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2023/3/15配信
 白老町の仙台藩白老元陣屋資料館で、企画展「白老町伝統文化継承者展」が開かれている。2月に町から伝統文化継承者に認定された山崎シマ子さん(82)=高砂町=と菅野節子さん(78)=萩野=のアイヌ手工芸品をメインに、約50点の資料を紹介している…
この続き:616文字
ここから先の閲覧は有料です。
https://www.tomamin.co.jp/article/news/area2/102349/

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JICA開発大学院連携】長期研修員を対象に地域理解プログラムを実施しました!

2023-03-16 | アイヌ民族関連
JICA2023年3月15日
JICAでは、開発途上国で将来の国の発展を担うリーダーとなる行政官・技官らを長期研修員(留学生)として日本に受け入れ、技術・知識の習得や大学院での学位取得を支援するかたわら、日本の地域が発展するまでに辿った歴史・経験も学んでもらい、日本理解の促進や自国の発展に役立ててもらう「地域理解プログラム」を提供しています。
北海道センター(帯広)では、今年度は10月と3月の2回にわたり、帯広畜産大学、北見工業大学、北海道大学で学ぶ長期研修員を対象に北海道の発展に関わる歴史や資源、文化、産業を学ぶプログラムを実施しました。
アイヌ文化に学ぶ-釧路の発展と自然共存の歴史-
2022年10月15日(土)、10月16日(日)の2日間、長期研修員17名を対象に、釧路地方の阿寒湖や釧路湿原等を舞台に、プログラムを実施しました。
【釧路湿原・地域の発展の歴史】
元・釧路国際ウェットランドセンター事務局長の菊地義勝氏を講師に迎え、釧路地方の開拓の歴史と自然環境の特徴、釧路湿原の形成過程、湿原保全の取組、自然との共生を大切にするアイヌ社会の在り方等について、本州とは異なる北海道特有の事情も交えながら講義をしていただきました。
【阿寒湖オンネチセ・アイヌコタン視察】
伝統文化を受け継ぐアイヌ民族が多く居住し、その文化を伝える阿寒湖アイヌコタンを訪れ、釧路市アイヌ文化伝承創造館「オンネチセ」で、アイヌが使っていた狩猟道具や生活用品の展示を見学しました。
狩りの前のカムイノミ(神への祈り)、「必要な分だけを捕らせて頂く」、「天から与えられるものに無駄なものは何一つない」等、自然と共生する伝統的な考え方は、現代社会においても再評価されています。
その後、アイヌ民族の伝統的な楽器「ムックリ」(口琴)づくりと演奏の体験を行ったほか、研修員は母国の少数民族の文化とアイヌ文化との類似点について議論したり、ガイドの方が行うアイヌの挨拶の方法を真似しながら講義を聞いたりと、非常に関心を持って学びを深める様子がうかがえました。 
【釧路市博物館見学】
学芸員の方々に解説いただきながら、釧路湿原の生態系、釧路地域の発展の歴史を学んだほか、「オンネチセ」でも見学したアイヌ民族の衣装や工芸品を見ることができ、アイヌ文化への理解をより深める機会となりました。
【釧路湿原視察】
温根内ビジターセンターでは、湿原内の木道を歩きながら、湿原内の動植物の生態、保全の取組等について、解説員にご説明いただきました。市立博物館で展示されていたエゾシカやヤチボウズ(スゲ類の株)などを実際に観察でき、学びがさらに深まる機会となりました。
最後に、釧路市湿原展望台で、広大な湿原や釧路市街地を眺めた上で、講師の菊地氏のラップアップ、参加者より代表挨拶を行い、充実したプログラムとなりました。帰路の車窓からは、偶然にも特別天然記念物のタンチョウが! プログラムの締めくくりに、長期研修員のみなさんから歓喜の声が沸く瞬間となりました。
参加者からは、「独自の生態系や文化を学ぶことができ大変有意義だった」「アイヌの『自然と共に生きる』という生活様式は、今日の世界にとっても重要だと感じた」という声が聞かれました。
十勝の自然環境活用事例~ジオパークと然別湖コタンに学ぶ
2023年3月1日(水)、長期研修員16名を対象に、十勝地方の鹿追町や然別湖でプログラムを実施しました。
今回のプログラムでは、十勝地方の豊かな自然環境を活用した地域振興の事例について学んでもらうため、とかち鹿追ジオパーク・ビジターセンターと然別湖ネイチャーセンターを訪問しました。
最初に訪問した「とかち鹿追ジオパーク・ビジターセンター」では、十勝地方の地形の成り立ちや土壌の特徴、寒冷地ならではの自然環境や生態系についてセンター内の展示の説明を交えてご説明いただき、研修員は特に火山活動によって現在の然別の自然や大地がどのように形成されたかを学びました。鹿追・然別湖の珍しい地形、土壌の特徴、火山については研修員の関心も高く、積極的に質問して学びを深めていました。
次に訪問した然別湖ネイチャーセンターでは、自然が作り出した然別湖を活用し観光地化することで、地元の人々がどのように地域振興を試みているかを学びました。寒冷地の特徴である「凍(しば)れ」を活用し、凍結した湖上で営まれる然別湖コタンはボランティアが中心となり作り上げているという説明があり、透明な氷は湖から切り出したものであることを聞くと、研修員から水と雪と氷でどのように大きな建物を制作するのかと質問があり、手作業での制作方法に驚きの声が上がっていました。
その後、研修員たちは凍結した湖上にて、湖の氷をドーム状に築いたイグルーや足湯を体験しました。
参加者からは「十勝地方の自然資源や発展について学ぶ素晴らしい機会となった。」「どのように地元の人々が自然を活かしたアクティビティを考案したのかが知ることができた。」「観光促進のため氷などを使った自然資源の活用、何もない所から何かを作り出そうとする日本人の力強さが印象に残った。」などの声が聞かれました。
プログラム中、研修員は積極的に質問し、お互いの国の文化についても活発に意見交換する様子が見られました。
帰国後、本プログラムや留学中に得た学びを糧に、知日派・親日派のリーダーとして自国の発展に寄与してくれることを願っています。
関連リンク:地域理解プログラムにて然別湖コタンに行った様子をYouTubeにてご覧いただけます
* 動画その1
* 動画その2
https://www.jica.go.jp/obihiro/topics/2022/h2nf2c0000001mbq.html

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グリーンカーペット・ファッションアワード開催 サステナビリティに貢献した人を称える祭典

2023-03-16 | 先住民族関連
ELEMINIST2023.03.15
2023年度グリーンカーペット・ファッションアワードの授賞式がロサンゼルスで開催された。このイベントは、世界のファッション業界のサスティナビリティ向上に貢献した人物を称える祭典だ。本年度は、ブラジルの先住民省の大臣であるソニア・グァジャジャラ氏らが受賞した。
サステナブルファッション推進者を称える「グリーンカーペット・ファッションアワード」
2017年にイタリアのミラノで初開催された「グリーンカーペット・ファッションアワード(Green Carpet Fashion Awards)」。イタリアを拠点とするサステナビリティ コンサルタント会社Eco-Ageでクリエイティブディレクターを務める、環境活動家のリヴィア・ファース氏(写真上、左)が立ち上げたイベントだ。
リヴィア・ファースは、レッドカーペットなどの注目される舞台で、スターに持続可能なファッションを着用するよう呼び掛ける「グリーンカーペット・チャレンジ」を2010年にローンチ。ファッション業界とセレブの責任について問いかけてきた。
そして、ファッションとエンターテイメントにおけるサステナビリティな取り組みについて、ポジティブに活躍した人を称える賞として「グリーンカーペット・ファッション アワード」を立ち上げた。
2023年度は、デザイナーのトム・フォード氏(同、中央)、俳優のケイト・ブランシェット氏(同、右)やヴィオラ・デイビス氏、シム・リウ氏、モデルのクアンナ・チェイシングホース氏が共同議長を務め、ロサンゼルスで表彰式が行われ以前はミラノのファッションウィーク中に開催されていたが、2023年はファッションと映画業界の力を集約し、影響力を高めるため、オスカーに先駆けて実施。授賞式はデジタルでの開催で、YouTubeのファッションチャンネルでストリーミング配信された。
6つの特別な栄誉賞た。
社会的および環境的な活動が評価され、14人の若い女性リーダーが選出された。
グリーンカーペット・ファッション アワードは、「The Visionary(先見の明のある人)」「The Messenger(メッセンジャー)」「The Rebel(反逆者)」「The Healer(癒す人)」「The Sage(賢人)」「The Futurist(未来派)」の6つのカテゴリーを設けているのが特徴である。
受賞者には、プラスチックごみが海に流れないよう活動する非営利団体Lonely Whaleと共同制作した「Tom Ford Plastic Innovation Prize」で、The Visionaryを受賞したトム・フォード氏も含まれる。
また、ファッションとエンターテインメントの取り組みにおいて、社会的および環境的な活動が評価された14人の若い女性リーダーにも賞が贈られた。
ブラジルの先住民族出身 環境活動家のグァジャジャラ氏も受賞

Photo by GREEN CARPET FASHION AWARDS
The Healerアワードを受賞したソニア・グァジャジャラ氏(中央)。左はプレゼンターを務めた俳優のレオナルド・ディカプリオ氏。
とりわけ注目を集めたのが、The Healerアワードを受賞したブラジルのソニア・グァジャジャラ氏。同国の先住民族で初めて大臣となった女性だ。
同国北東部のアラリボイア先住民の土地で生まれ、先住民族の権利運動において活躍してきた活動家、政治家、環境保護活動家である。
彼女は長きに渡り、先住民の人権と環境問題の密接な関係性をアピールしてきた。こうした地球規模の気候問題の中心に先住民を据えることに貢献した功績と、アマゾンの熱帯雨林の生物の保護と再生に向けた貢献が認められ、今回の受賞に至った。
2022年には、タイム誌面の「世界でもっとも影響力のある100人」に選出されるなど、今後の活躍が期待される人物の一人だろう。
まだ歴史の浅いグリーンカーペット・ファッションアワードであるが、受賞者たちの活躍やアプローチを通じて、環境保護やファッションにおけるサスティナビリティを考えるきっかけにしていきたい。
※参考
Cate Blanchett and Viola Davis to co-chair inaugural Green Carpet Fashion Awards in LA|BAZAAR
Discover the highlights of The Green Carpet Fashion Awards 2023|The SPIN OFF
※掲載している情報は、2023年3月15日時点のものです。
https://eleminist.com/article/2606

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野球で友情、民族超え 台湾・嘉農の名将描く 坊っちゃん劇場 /愛媛

2023-03-16 | 先住民族関連
毎日新聞 2023/3/16 地方版 有料記事 560文字
 日本統治下時代に台湾の嘉儀農林学校(嘉農(かのう))の野球部を率いて甲子園準優勝を果たした名将、近藤兵太郎(故人)を描く坊っちゃん劇場(愛媛県東温市)の新作「KANO 1931甲子園まで2000キロ」の公演が4月に始まる。台湾の学校が初めて甲子園に出場して100年の節目でもあり、民族を超えた友情や家族愛を描く。
 主人公の近藤は松山市出身で、松山商高を6度甲子園出場に導いたことでも知られる。1930年に嘉農の野球部監督に就任。日本人、漢人、先住民族が入り交じるチームをまとめ上げ、わずか1年で台湾予選を勝ち抜いて甲子園準優勝を成し遂げた。台湾では現在でも野球界の英雄として親しまれている。
この記事は有料記事です。 残り264文字(全文560文字)
https://mainichi.jp/articles/20230316/ddl/k38/040/337000c

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/上 真宗僧侶が仲介、海越え入学 「黄金時代」開いた3人 /京都

2023-03-16 | 先住民族関連
毎日新聞 2023/3/16 地方版 有料記事 1220文字
 強豪校の歴史は、昭和の訪れに時を合わせたように始まった。1927(昭和2)年夏、龍谷大平安の前身である平安中は、初めて甲子園に出場。85年発行の「平安野球部史」は「黄金時代の幕あけ」と記している。
 今回を含めて全国最多の春夏76回甲子園出場、4回優勝という輝かしい戦績。しかし、その礎は海を越えてやってきた「留学生」によって築かれたこと、そして彼らの故郷が台湾だったことは、今ではあまり知られていない。
 野球部史の26(大正15)年の見出しには「台湾より名選手来る」とある。この年の秋、日本統治下だった台湾の東部、花蓮港庁(現在の花蓮県)から、ロードフ、アセン、キサという10代後半の3人の男性が京都に移り住み、平安中に入学した。彼らは台湾の先住民・アミ族の若者で、それぞれ伊藤次郎、西村喜章、稲田照夫と日本名を名乗った。
この記事は有料記事です。 残り858文字(全文1220文字)
https://mainichi.jp/articles/20230316/ddl/k26/050/198000c

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オンセミ、ソルトリバー・ピマ・マリコパ・インディアン・コミュニティ内のLEEDゴールド認定ビルに本社を移転

2023-03-16 | 先住民族関連
オンセミ2023年3月15日 09時42分
移転記念イベントで、地域社会への貢献と持続可能性に対する取り組みを強調
インテリジェントなパワーおよびセンシング技術のリーディング・サプライヤであるオンセミ(onsemi、本社 米国アリゾナ州スコッツデール、Nasdaq: ON)は、本社をフェニックスからスコッツデールに移転することを発表しました。新しいオフィスは、ソルトリバー・ピマ・マリコパ・インディアン・コミュニティ(SRPMIC)内に位置します。移転記念イベントでは、SRPMICのアシスタント・コミュニティ・マネージャであるドーラン・ダルトン氏による、5701 N. Pima RdのLEEDゴールド認定ビルへの入居に対する公式歓迎表明や、スコッツデール商工会議所会長兼CEOのマーク・スタントン氏によるテープカットなどが行われました。
新本社への移転は、オンセミのエネルギー消費を2021年のエネルギー使用量と比較して1,284万kWh削減することで、2040年までのネットゼロ・エミッション達成の目標に向けた道筋に、プラスの影響を与えるものです。このエネルギー削減量は、1,057世帯の1年分の電気使用量に相当します。ビル内の照明レベルを向上させる窓と壁の比率や、1日を通して周囲の自然光に反応する制御機能を備えた照明などに基づき、2019年にLEED ID+C(Leadership in Energy and Environmental Design for Interior Design and Construction: インテリア設計および建設のためのエネルギーと環境デザインのリーダーシップ)ゴールド認証を取得しました。開放感のある環境は、現地従業員の革新力、協調性、創造力の育成に役立つことが期待されます。
オンセミで社長兼CEOを務めるハッサーン・エルコーリー(Hassane El-Khoury)は、次のように述べています。「新本社への移転は、オンセミの米国における半導体製造および地元経済への継続的な投資に加えて、過去最高の売上高を記録した2022会計年度に続き、企業として変革を進めていることを示すものです。テクノロジ業界では雇用の変動がありますが、当社は持続可能な未来に向けた約束を果たす技術的ブレークスルーを推進するために、優秀な人材の採用を続けています。新本社の所在地と建物は、このような持続可能な目標や、私たちが働き、生活する地域社会の一員でありたいという願望を適切に反映しています」
新しい本拠地が位置するSRPMICは、1879年に設立されたピマ族とマリコパ族の2つのアメリカ先住民を含む自治共同体で、両部族の11,000人以上が居住しています。52,600エーカー(約212.9平方キロ)の土地の多くは農業に利用されていますが、19,000エーカー(約76.9平方キロ)は自然保護区として管理されています。オンセミのオフィスビルは、SRPMIC内の商業用地であるピマ回廊に位置します。
世界各地の拠点と同様に、オンセミは、科学、技術、工学、芸術、数学(STEAM)教育に重点を置きながら、従業員のボランティア活動や寄付、会社による増額寄付などを通じて、地域社会への貢献を継続していきます。
オンセミ(onsemi)について
オンセミ(Nasdaq: ON)は、より良い未来を築くために、破壊的なイノベーションを推進しています。オンセミは、自動車と産業用エンドマーケットに注力し、自動車の電動化と安全性、持続可能なエネルギーグリッド、産業オートメーション、5Gおよびクラウドインフラなどのメガトレンドにおける変化を加速させています。オンセミは、高度に差別化された革新的な製品ポートフォリオにより、世界の最も複雑な課題を解決するインテリジェントなパワーおよびセンシングのテクノロジを創出し、より安全でクリーンでスマートな世界を実現する方法をリードしています。オンセミはフォーチュン500®企業であり、S&P 500®指数に含まれています。オンセミの詳細については、www.onsemi.jpをご覧ください。
オンセミおよびオンセミのロゴは、Semiconductor Components Industries, LLC.の登録商標です。 本ドキュメントに掲載されているその他のブランド名および製品名は、それぞれの所有者の登録商標または商標です。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000241.000035474.html

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米内務省、コノコフィリップスのアラスカでの石油ガス開発を一部承認(米国)

2023-03-16 | 先住民族関連
ジェトロ2023年03月15日ヒューストン発
米国内務省は3月13日、米国石油大手コノコフィリップス(本社:テキサス州ヒューストン)がアラスカ州で提案しているウィロー石油ガス開発プロジェクトを一部承認したと発表した。同省は、5件の掘削申請のうち2件を却下したことで、コノコフィリップスは全開発区域の40%に相当する約6万8,000エーカー(約275平方キロ)の石油ガス開発権利を放棄するとしている。同プロジェクトに対しては、環境への影響を懸念する声も上がっていた。
ウィロー石油ガス開発プロジェクトは、日量最大で18万バレルの石油を生産し、連邦政府、アラスカ州、地元のコミュニティーに対して、80億~170億ドルの新たな歳入をもたらすと予測されている。同プロジェクトは、主に米国内で製造・調達される材料を使用して建設され、2,500人以上の建設雇用と約300人の長期雇用を創出する可能性があるという。
コノコフィリップスは今回の内務省の決定を歓迎するとともに、3件の掘削に向けて、コノコフィリップス・アラスカが主要請負業者と広範な準備を終え、直ちに砂利道建設を開始する予定としている。
コノコフィリップス会長兼最高経営責任者(CEO)のライアン・ランス氏は「今回の内務省の決定は、アラスカと米国にとって正しい決断だ」と評価した上で、「ウィロー石油ガス開発プロジェクトは、環境と社会正義、エネルギー転換の促進、エネルギー安全保障の強化というバイデン政権の優先課題に合致するもので、同時に労働組合による良質な雇用を創出し、アラスカ先住民のコミュニティーに利益を提供するものだ」と述べた。
同社は米国でエネルギーの安定供給に向けた取り組みを進めており、2022年7月に米国センプラ・インフラストラクチャーとの間で、ポートアーサーLNG(液化天然ガス)から30%の株式取得と年間約500万トンのLNG引き取り(オフテーク)に関する基本合意書(HOA)を締結したと発表した(2022年7月22日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国)
ビジネス短信 1359018a6cd3baa2
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/03/1359018a6cd3baa2.html

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女性と女児の経済的平等を推進:よりインクルーシブな未来の構築に向けたペイパルの取り組み

2023-03-16 | 先住民族関連
PAYPALピープルカルチャーボランティア2023年 3月15日
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グアテマラのユナイテッド・ウェイでボランティア活動をするペイパル社員
ペイパルのミッションは、金融サービスの民主化を実現し、あらゆる人がグローバル経済に十分かつ公平に参加できるように助け、人々のファイナンシャル・ヘルス(収入と資質の均衡、金融への理解といった「お金に対する健康度」)を改善することです。私たちはこのミッションに基づいて日々業務に取り組んでおり、女性のファイナンシャル・ヘルスの改善を支援するという責任もあります。世界中の女性の経済生活を改善することで、その家族、コミュニティ、さらには経済全体が活性化されます。それにより、女性と女児に対する障壁を取り除くことで、誰もが活躍できる、よりインクルーシブな世界を作ることができます。
ペイパルは、当社のミッションとして、世界各地の女性と女児の経済的公平を実現するために様々な取り組みを継続しています。「女性史月間」と「国際女性デー」を祝う3月に、あらためてこの取り組みについて振り返りたいと思います。
ジェンダー平等の推進に対する1億800万ドルのコミットメントに関する最新情報
2020年、ペイパルは国連のGeneration Equality Forum(ジェンダー平等を目指す全ての世代フォーラム)のEconomic Justice and Rights Coalition(経済的公平性と権利のための連合)で民間部門のリーダーに選出されました。このイニシアティブを通じて、当社は、女性と女児のファイナンシャル・インクルージョン(あらゆる人が金融サービスを享受できること)と経済的エンパワーメントを推進するため、5年間にわたり1億800万ドルを拠出するコミットメント
(Opens in new window)を2021年に発表しました。
フィリピン・マニラのペイパル・コミュニティ・インパクト・チーム
このコミットメントの一環として、22カ国で勤務するペイパルの社員は、2026年までにジェンダー平等を推進する団体・組織で10,000時間以上の能力開発およびスキルベースのボランティア活動を実施することを約束しました。
社員の積極的な貢献によって、2026年までの達成目標として設定した10,000時間をすでに上回ることができました。これは、5年間で達成する予定をわずか2年間で成し遂げたことになります。製品、サービス、助成金、時間、専門知識など、当社のあらゆるリソースを活用することで、事業の成長や拡大に合わせて女性起業家を支援することができました。2021年にこの取り組みを開始して以来、当社の社員は女性や女児を支援する団体・組織で26,000時間以上のボランティア活動を行いました。
能力開発およびスキルベースのボランティア活動には、非営利団体のインフラとリーダーシップを変革し、その影響力を深める力があります。実施したボランティア活動の50%近くがスキルや経験を活用したものでした。一方で、当社の社員自身も、日々変わる環境の中でスキルを発揮しながら、プロジェクト管理、コミュニケーション、ファシリテーションやデリゲーションの領域で実務経験を積むことで、ペイパルのミッションと価値をさらに高めています。
10,000時間というマイルストーンの達成は、女性起業家やキャリアを積む女性が労働市場に公平に参加し、長期的な経済的レジリエンスを実現し、ファイナンシャル・ヘルスを強化するために必要な仲介、スキル、リソース、機会を提供するという大きな取り組みの一部です。
ペイパルのパートナーや社員を支援するボランティア活動の拡大
ボランティア活動は、ペイパルの企業文化にとって、そして、よりインクルーシブで対応力のある世界を構築するうえで欠かせません。国際女性デーの今年のテーマである「Embrace Equity(公平性を受け入れる)」に沿って、当社の社員は、女性の経済的エンパワーメントを推進するために地域の活動に参加しています。さらに、ボランティア活動に参加できない社員のために、女性のエンパワーメントに取り組む地域の団体・組織へのマッチング寄付の機会を提供しています。また、Black Girl Ventures、Her Academy、Narika、Cherie Blair Foundation for Womenなど、様々な非営利団体とのパートナーシップを通じた女性や女児の支援にも注力しています。
メンターシップによる女性起業家支援
さらに、ペイパルはCherie Blair Foundation for Womenの「Mentoring Women in Business」プログラムを通じて、将来有望な起業家の支援を継続しています。5年前にパートナーシップを開始して以来、350人以上の当社社員が世界各地の低中所得国の数百人にも上る女性起業家のメンターを務めました。1年間のメンターシッププログラムを通して、当社社員はメンター(助言者)として、メンティー(相談者)がビジネスアイデアや中小企業経営者として課題解決するために、コーチングを行っています。その結果、メンティーの62%が自社のビジネスが向上したと回答しているほか、同じく62%が自分のビジネススキルと能力に対する自信が増したと報告しています。
先住民の女性アーティストを起用
ペイパルは、世界中の起業家が正しく評価されるための活動にも尽力しています。その取り組みの一環として、当社のソーシャルイノベーション・チームは、世界各地の13オフィスでユニークな芸術作品を展示する企画を実施しました。展示作品は、各オフィススペースに合わせて先住民や地域の女性アーティストによって創作されました。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって影響を受けた起業家の中にはこうしたアーティストも含まれていました。ペイパルは世界各地のオフィスで女性アーティストの作品を展示することで彼女たちを支援できたことを誇りに思います。
https://www.youtube.com/watch?v=BXc3MV5Z0WU
女性は、グローバル経済のレジリエンスとコミュニティのファイナンシャル・ヘルスにおいて重要な役割を担っています。私たちには、さらに多くの女性が参加して活躍できるように、よりインクルーシブな経済を構築する機会と責任があると考えています
https://newsroom.jp.paypal-corp.com/2023-03-15-How-PayPal-is-Helping-to-Create-a-More-Inclusive-Future

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ライブがかっこいい、CD何周でも 聴ける、創作意欲が刺激される…… 渋谷直角が推すインディーズバンド

2023-03-16 | アイヌ民族関連
CREAWEB3/15(水) 19:02配信
 1990~2000年代にカルチャー雑誌でライター、イラストレーター、コラムニストとして活躍し、2010年代以降は漫画家として『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』『デザイナー渋井直人の休日』など話題作を描いてきた渋谷直角さん。青春時代から常に音楽が仕事や生活の中にある渋谷さんに、近年聴き込むようになったというインディーズ音楽について伺いました。
90年代に流行ったソウルが再ブーム。こんな時代が来るとは……
 僕がインディーズ音楽を聴くようになったのは、ここ10年くらいです。マンガの仕事が多くなってきて、ライターとしてミュージシャンに取材する機会が減って、最新のメジャー音楽からちょっと離れる感じになって。
 音楽が仕事と関係なくなったら、昔好きだったのを聴いたりしてたんですけど、あるとき海外で「ヴィンテージ・ソウル」って括られ方で、60~70年代のソウルミュージックをリスペクトしたインディーの若いバンドがいっぱい出てきたんです。90年代にも同じように60~70年代の黒人音楽を再評価しなおす「レア・グルーヴ」という流行があって、僕もそれを通ってきてたので「あ、俺も若い頃こういうの好きだった!」ってめっちゃフィットしたんです。「こんな時代が来るとは……」と思って、若いバンドもよく聴くようになってったら、じゃあ「日本の今のインディーズはどうなのかな?」と。
 年を取るとつい懐かしむというか、音楽が落ち着く、癒されるものみたいになってくるけど、若い頃は音楽に刺激とか、価値観を新しく広げるようなものを求めていたような気がして。若い人たちのバンドももっと知りたいなってタワーレコードとかによく行くようになりました。
 最初はインディーに少し偏見というか、僕が若い頃のイメージで「クオリティはそんなに高くないんだろうな」みたいに思ってたんですけど、もう全然違って、メジャーと何の遜色もなくてびっくりしました。中村佳穂さんもまだ有名になる前にタワレコで試聴したらビックリして、慌ててライブチケットをとって観に行きました。まだ200人キャパくらいの小さなライブハウスがすさまじい熱気で溢れてて、あの規模で観られたのは貴重だったなと。
――お気に入りのアーティストはどうやって見つけるんですか。
 やっぱりレコード屋さんのおすすめは参考になります。インディー専門の「HOLIDAY!  RECORDS」というショップは、ネットで買うと店主の方が一筆寄せてくれるんです。メシアと人人(にんじん)の「ククル」って曲がオルタナっぽくてかっこいいなと思って7インチレコードをそこで買ったら、「メシアと人人、良いチョイスですね! きっとこちらのバンドもお好きだと思うので、よかったら聴いてみてください」みたいな手紙が入ってて(笑)。そこから調べて新しい人を知ったりもしています。
 音源はSpotify やSoundCloudにも上がっているからそこで探すこともできますが、途方もない作業なんですよね。なかなか好きな感じに辿りつかない。俺の使い方が甘いのか、サジェスト機能があまり好きな人を連れてこないんです。
 ライブの対バンで知ることも多いです。illiomote(イリオモテ)という池袋出身の女性二人組が3~4組で対バンするときはだいたい相手のバンドもかっこよくて、去年はWang Dang Doodle(ワンダンドゥードゥル)というこちらも女性二人のバンドがilliomoteと出てるのを観ていいなと思って、ワンマンライブも行きました。ライブハウスは下北沢のベースメントバー、シェルター、渋谷のセブンスフロア、恵比寿のバチカあたりが多いです。100~200人くらいのキャパのライブハウスが居心地いいですね。いいバンドに出会えるとすごい満たされた気持ちになります。
音源もグッズも自分で作るから、純度100%で伝わる
――illiomoteは渋谷さんが雑誌「ポパイ」で紹介しているのを見て知りました(2019年11月号「渋谷直角の日本全国ナウなミュージシャンを探せ!」)。
 あれがメディア初出しだったみたいで、そのあと「ブルータス」で本人に取材させてもらえて僕もびっくりしました。ファン0人のときに紹介してたらしくて。最初見たとき、ライブにたくさん人がいて、音楽はギターとサンプラーで、UKもUSもオルタナもレゲエもごちゃ混ぜっぽい感じで、最前でギャルっぽい子たちが踊ってて、すごい、こんなバンドがいるんだと感動してたんですが、聞いたらそのときは同級生とか友達?  だったみたいです(笑)。そこからライブやるたびにファンが増えていってパワーアップしてますね。メンバーのマイヤがギタリストとしてどんどんかっこよくなっていって、去年からサポートドラマーも入れたライブもやるようになって、どんどんバンドとしてすごくいい感じになってきてる。今年もめっちゃ楽しみです。
 Wang Dang Doodleはブルースのバンド。アレサ・フランクリンばりのパワフルなボーカルとブルースハープ、もう1人がギターとサンプラーのスタイル。ブルースの良さを伝えたいという思いが強いらしくて、でもトラックは打ち込み主体で、ミニマルみたいなこと(同じメロディーやリズムを反復する)もやってたりして、もはや一見ブルースじゃないところがいいんです。ブルース好きおじさんが喜ぶようなブルースじゃないと思うけど、この人たちにしかできないミックス具合が面白い。正式メンバーなのかわからないんですけど、ドラムの女性(Desire/デザレさん)もオシャレでかっこいい。やっぱりドラムがいるとよりライブ感があって気持ちいいですね。
 シンガーソングライターのさとうもかさんも、縁があってここ5年くらいずっと応援してて、今年ますます楽しみで。メジャーを経て去年またインディーに戻ったんですが、これからもっとよさが出ると思う。ライブでずっと歌っていた「舟」が名曲で、配信で聴けるバンドバージョンのも良いんだけど、やっぱりアコギ一本の弾き語りバージョンの情感が最高すぎで……って、めんどくさいオールドファンの感想(笑)。メジャーカンパニーだと露出は大きくなってメリットも大きいんでしょうけど、自分で自由に音楽をやりたい人にとっては不自由な面もあったのかもしれないですね。さとうさんは世間一般の人を感動させられるソングライティングの才能がある人なので、メジャーでもインディーでも、マスに向けて歌っていってほしいですね。
 インディーだとCDも物販のグッズもなんでも自分たちで作るんですよね。さとうさんも、自分でイラストも描いたグッズを以前はよく作っていて、そういうの味わいがあって好きなんです。彼女が高校生の時に手作りした、「さとうみず」というチャットモンチーのカバーとかが入ってる激レアCDももらって。さとうさんがユーミンのようになったらすごいプレミアがつくと期待しています(笑)。
 音源の配信もCDやグッズの物販も今は個人でもできるし、仕事をやりながらバンドをやっている人もいるし、僕が見に行くようなバンドの人たちは、なにがなんでもメジャーにみたいな感覚もない感じがします。めちゃくちゃ作品ペースが遅かったりもして、売れたい、金が欲しいみたいな野心が強そうな人があまりいない。優しい人が多いです。音楽をやっている目的とか理由が、単純に自分たちが表現したいものがあるからなんだろうなと。自分たちで音源作って、シール作って、手刷りのTシャツ作って、ZINE作って……物販でそういうのを見ると、たまんない気持ちになるんです。すごくいいなーって。キラキラしてますよね。
――グッズやZINEの手作り、まさに渋谷さんが1990年代にやっていたことですね。
 そうですね、ぜんぶ手持ちで、ぜんぶ自分で考えてやる感じ。若いパワーだから成立しますよね。こっちはもう外注ばっかりで(笑)。僕は若い人がやってるカフェとかギャラリー、古着屋でおもちゃも置いてるような店も行くんですが、年齢的にマーケットに入っていないんだけど、でもなんかこの店のセンス好きだなってことがあるじゃないですか。インディーのバンドを観るのはそれに近い感じがあります。若い人たちの純粋な創作意欲に触れて、刺激を受けてる。できるだけ紳士的に「おじさんこれ買うよ」と、あまり話しかけたりせず、お金だけ落とすようにしています。
――世代差に気を遣いつつ応援する姿勢が、渋谷さんの作品『デザイナー渋井直人の休日』みたいですね。
 ライブハウスに来てる人たちもみんな若いですしね。奥さんとふたりで行って、後ろのほうで静かに感動しながら見ています。ワンダン(ドゥードゥル)とか、ライブ中すごいニコニコしながら演奏してて楽しそうなんですけど、僕とかが最前列で踊ってても嬉しくないだろうと思っちゃって(笑)。
まだまだ紹介してもらいます
――ライブ行ってみたくなりました。他にもいま渋谷さんが活動に注目している方たちを教えてもらえますか。
・沼澤成毅
 沼澤さんは思い出野郎Aチームとか、大石晴子さんやさとうもかさんのバックでもやってるキーボーディストで、去年ソロで出した「結晶」という曲がすごくいい感じで。ちょっと昔のオリジナル・ラブみたいなアーバンさもあって、おしゃれな感じなんです。1曲しか出してないけど、それがすごいクオリティの高さで。あまりによかったから、さとうさんのサポートに入ってたライブ終わりに思わず話しかけちゃって。「すごくよかったです、新曲出さないんですか」と聞いたら「出ますよ」と言ってて、まだ出てないんですけどそれをずっと楽しみにしています(笑)。
・現代の山火事
 シンムラテツヤさんという関西のシンガーソングライターが始めたバンドで、2022年に出した初音源がかっこよくて。エキゾチック・ニューウェーブみたいな、不思議なパンク。「パライソレコード」ってよく買うネットのレコード屋さんに、「南米音楽へのパンクからのひとつの解答」とか書いてあって、確かにちょっと独特な感じなんです。ライブ観に行きたいんだけど、なかなか都合つかなくて。
・Mei Semones(メイ・セモネス)
 最近いちばんアツい才能を見たのはこの人です。ジャズギターを弾くシンガーソングライターで、ストリングスと合わせた演奏がすごくいい。歌声がちょっとボサノバっぽくて、歌詞は日本語と英語が交互に出てくるのが不思議な感じ。ミュージックビデオを見ると、ファンシーだけどちょっと不気味だったりグロテスクなニュアンスがあって、ファッションやヘアメイクも相まって、今の気分にフィットする感じです。ボストンが拠点みたいで、来日が楽しみです。
・uami
 iPhoneのガレージバンドというアプリで曲を作ってる福岡在住のシンガーソングライターで、けっこうポップな曲とアブストラクトな曲の両方あって、毎週のように新曲を出してると思ったらSpotifyにあがってた曲が削除されたり、SoundCloudにまた別の曲あげたり、気分で作って気分であげてるみたいな、ドローイングをどんどん描いていくのを見せられてるような感じ。でもどれも完成度が高くてすごくいいから、曲がアップされると嬉しくなっちゃう。ライブもiPhone一台とマイクで、座ってiPhoneをいじりながら歌うんで、ずっとLINE見てるのかな、みたいな感じで、独特のカリスマ感があります。
 ここからは、ちょっと気になってる人たちという感じなんですが。
・C子あまね
 「ロックバンドは恥ずかしい」とか、歌詞が面白くてポップ度が高い、演奏もクオリティの高いバンド。今っぽいんだけど、洋楽も歌謡曲も、昔のレコードをちゃんと好きな人たちが作ってるポップス、って感じがして、体系的な気持ち良さもあります。何かがカチッとハマればいつドンと人気が出てもおかしくない感じがします。
・アペトゥンペとパパイヤ、マンゴーズ
 普段はアイヌの音楽をやっている人たちが、プロジェクト的にシティポップをやったみたいなんですけど、アイヌ語でシティポップをやるというのが妙にハマってて面白い。自分としては去年、シティポップ自体はちょっと食傷気味に感じていたんですが、これは新鮮でよかった。
・Ogawa & Tokoro
 カクバリズム所属なこと以外、全然知らないんですが、トロピカルなインストでチルってて落ち着くから、お仕事中によく聴いちゃうバンドのひとつです。気持ちいい。
・Hoach5000
 CHARAとシーガル・スクリーミング・キス・ハー・キス・ハーに影響を受けたという20代女性で、90年代に思春期だったおじさんにはちょっと懐かしさも感じさせてくれるオルタナ・ロックサウンドがシブくていい。この方は浜松のSONE RECORDSに行った時に店主さんに教えてもらいました。
――どの方も聴いてみると「好きかも」と思いました。ライブも観にいってみたいです。渋谷さんは好きになるアーティストの基準みたいなものがあるんですか。
 僕はたぶん、おしゃれな人が好きなんですよね。おしゃれっていうのは極端な言い方で、洋楽を聴いて、洋楽みたいに自分もやりたいと思ってたり、たとえばブラックミュージックのようにソウルフルに歌いたいとか、海外への憧れに向かってやってる、影響を感じさせる、みたいに思えるバンドが基本的に好き。あとは、完全にオリジナルなことをして確立している人ももちろんかっこいい。メジャーヘイトとかじゃ全然ないですけど、そういう初期衝動とか好きなものを純粋にやりたい感じがインディーには今もあって、それを観たり感じたりしたいから遊びに行ってるんだろうなと思います。
 おすすめした人を誰かにいいと思ってもらえるのは、単純にすごくうれしいです。自分にそこまで影響力があるとは思いませんが、純粋にこれからもたくさん音楽を聴いていこうと思います。
渋谷直角(しぶや・ちょっかく)
1975年生まれ、東京都練馬区出身。漫画、コラムを執筆。著書に『世界の夜は僕のもの』『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』(扶桑社)、『デザイナー渋井直人の休日』シリーズ(文藝春秋)など。
Instagram:@shibuyachokkaku
ライフスタイル出版部
https://news.yahoo.co.jp/articles/b3d153a99cd0a9a2b805f44933819a3093b923d2?page=1

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【放送法問題】安倍元首相がTBS「サンデーモーニング」より問題視していたNHKの“偏向番組”とは

2023-03-16 | 先住民族関連
デイリー新潮2023/03/16 06:31
「TBS NEWS DIG」は3月14日、「高市大臣、放送法の解釈に関する答弁前夜の『資料を提出する』」との記事を配信した。高市早苗・経済安全保障担当相(62)は国会で、《礒崎氏の影響を受けていないことを証明するため、資料を提出する考えを表明》したという。
 ***
 この《礒崎氏》とは、当時の首相補佐官だった礒崎陽輔氏(65)のことだ。礒崎氏は2015年3月6日、3人の総務省官僚と首相官邸で面談した。
 その際、重要な問題として取り上げられたのが、「サンデーモーニング」(TBS系列・日曜・8:00)と「報道ステーション」(テレビ朝日系列・平日・21:54)の“比較論”だった。
 もちろん出典は“放送法文書”だ。立憲民主党の参議院議員・小西洋之氏(51)が入手し、総務省が行政文書と認めたものだ。
 前日の3月5日、磯崎氏はテレビ放送における「政治的公平」の問題に関し、当時の安倍晋三首相に説明を行った。
 磯崎氏はテレビに対して安倍氏がどのような考えを持っているのかを官僚に伝え、その概要が「磯崎総理補佐官からの連絡(総理レクの結果について)」という題でメモ化された。非常に興味深い内容のためここで紹介する。
 ちなみに当時「報道ステーション」は古舘伊知郎氏(68)がキャスターを務めていた。文書には古舘氏の名前が登場するが(※原文は「古館」と誤記)、その点をご留意いただきたい。
 では早速、内容を見てみよう。以下の引用は全て磯崎氏の発言だと文書に明記されている。
《総理がいちばん問題意識を持っているのはNHKの「JAPANデビュー」だが、これはもう過去の話。今はサンデーモーニングには問題意識を持っている。(報道ステーションの)古舘も気に入らないが、古舘はゲストを呼ぶ。ゲストが弱くて負けるのはしょうがないが、この違いは大きい。サンデーモーニングは番組の路線と合わないゲストを呼ばない。あんなのが(番組として)成り立つのはおかしい。あとはNHKの5:30のラジオ(?)もテレビに出演できないようなゲストばかりで質が悪いが、今日のところはこれはいい。とにかくサンデーモーニング》
 次に紹介する発言は、磯崎氏の見解も少し入っているように読める。
《古舘は番組には出演させる。総理が呼ばれれば総理はけんかするだろう。その意味でもサンデーモーニングは構造的におかしいのではないかということ。皆さんもこうした問題意識は頭に入れておいていただきたい。(笑いながら)あんまり無駄な抵抗はするなよ。何回も来てもらってありがとう》
「JAPANデビュー」
 文書の信憑性が議論されているとはいえ、多くの人が「非常にリアル」という印象を持ったはずだ。安倍氏の“テレビ観”が浮き彫りになっており、国会で激しい論戦が繰り広げられているのも当然だろう。
 ちなみに、「モーニングバード(現「羽鳥慎一モーニングショー」)」(テレビ朝日系列・平日・8:00)に関する安倍氏の発言も文書には記録されている。報道各社の報道では、この3つの番組に触れたものが多い。
 その一方で、安倍氏が本当に問題視していたのは「JAPANデビュー」だったという記事は──朝日新聞など少数の新聞社を除けば──見受けられていない。担当記者が言う。
「『JAPANデビュー』は2009年4月から6月まで、『NHKスペシャル』(総合・日曜・21:00)の4回シリーズとして放送されました。開国に踏み切った日本が欧米列強にキャッチアップするためどのような歴史を歩んできたか、『アジア』、『天皇と憲法』、『貿易』、『軍事』という大テーマを据えて放送しました」
 放送当時の首相は麻生太郎氏(82)だった。安倍氏は「今、問題視するのは、さすがに古すぎる」という判断を下し、代わりに「サンデーモーニング」に焦点を当てたと考えられる。
「超偏向番組」
 安倍政権がテレビ局に強い“圧力”をかけようとしていたことが“放送法文書”から読み取れる──こう解説する専門家や識者は多い。
 その指摘は頷けるところも多いが、だからと言ってNHKの「JAPANデビュー」が“偏向番組ではない”ということにはならない。
 いや、はっきり言えば、偏向していたのだ。安倍氏が問題視したのも「JAPANデビュー」に限って言えば頷ける。
 特に日本統治下の台湾を取り上げた第1回の「アジアの“一等国”」は、その内容を専門家が疑問視しただけなく、取材に協力した出演者からも強い異論が表明された。
 週刊新潮は2009年4月23日号に「歴史歪曲と『台湾人』も激怒したNHK『超偏向』番組」との特集記事を掲載した。
 安倍氏の“テレビ観”が形作られた原点として、特集記事の全文を掲載する。文中の肩書や固有名詞は掲載時のままとした。まずはリードからだ。
【リード】
 性懲りもなく、というべきか。史実を枉げ、日本の台湾統治を徹底的に貶めたNHKドキュメンタリーの「超偏向」ぶりに抗議が殺到している。日本の視聴者ばかりか出演した台湾人も激怒するこの番組、中国、台湾との外交関係にも影を落としそうなのだ。
“人間動物園”の真実
【本文】
「“偏向番組”の一言に尽きます。“日本は加害者”という自虐史観ありきで、そこから一歩も出ていない」
 台湾出身の評論家・金美齢氏も、そう憤るのだ。4月5日に放送されたNHKスペシャルの「超偏向」ぶりに、識者や関係者、そして一般視聴者から怒濤の批判が沸き起こっている。
 横浜開港で日本が世界にデビューしてからの150年を辿る「シリーズ・JAPANデビュー」。その第1回放送『アジアの“一等国”』のテーマは、50年に及んだ日本の「台湾統治」だった。明治28年、日清戦争に勝利した日本は、台湾を割譲された。この番組によれば、植民地を持つことで世界の“一等国”入りを目指した日本は、抵抗勢力を武力で押さえつけ、台湾の先住民族を博覧会に“展示”して統治の成功を世界に示し、さらに「格差と同化」という矛盾する統治で「差別」を生みながら、「改姓名」などの皇民化運動で台湾人から民族性を奪っていった……この番組は、日本の台湾統治の“極悪非道”ぶりを徹底的に描き出すのだ。
「番組全体が“捏造”とまでは言わないにせよ、ひどい歪曲の連続でした」
 台湾研究フォーラム会長の永山英樹氏が呆れて言う。
「たとえば、番組冒頭で“日本の台湾統治を象徴する”ものとして紹介された1枚の写真には“人間動物園”なる刺激的なタイトルがつけられている。そして、台湾の先住民族パイワン族を、日本政府は1910年にロンドンで開かれた日英博覧会に連れて行き、“見世物として展示した”と解説されるのです。確かに当時の西欧には、植民地化した土地の未開人を見せて金を取る人間動物園という見世物があった。しかし、この時にパイワン族が披露したのは伝統的な踊りや模擬戦闘。歌舞伎や相撲の海外興行と同じで、誇りを持って自分たちの技を披露しているのです。同じ博覧会の写真でインドの人々は半裸ですが、パイワン族がちゃんと民族衣装をつけていることからも、扱いの違いが窺える。NHKは“展示された青年”の遺族に“悲しいね。この出来事の重さ、語りきれない”と言わせていますが、写真だけ見せられて“あなたのお父さんはロンドンで動物のような扱いを受けた”と言われたら、誰だって悲しくなるでしょう」
 櫻井よしこ氏も言う。
「この番組では、強烈なイメージを呼び起こす“人間動物園”という言葉を、当時の日本政府が使った言葉と錯覚するように使っている。全篇がそうした“歪曲報道”の連続なのです」
 さらに、番組では〈台湾人を強制的に日本人へと変える政策〉の一環として、〈同じ時期、朝鮮半島では新たに氏を創る「創氏改名」が行われ、台湾では「改姓名」が始まりました〉と解説しているが……。
「ここにも大きな誤りがあります。半ば強制だった朝鮮の創氏改名と、許可制だった台湾の改姓名は全く別物。日本語常用家庭に育ったことなどの条件を満たした上で、総督府の審査に通らなければ改姓名はできなかった。その証拠に、昭和18年の時点で朝鮮では人口の80%以上が創氏改名を済ませていましたが、台湾で改姓名したのは1・6%に過ぎません。この数字を見れば強制でなかったことは一目瞭然です」(同前)
 日本統治の“苛酷さ”を強調するナレーションは、さらにヒートアップする。〈皇民化政策は、台湾人の心の中まで踏み込んでゆきます。台湾全島に日本の神社を次々に建て、人々に参拝を強制します。そして、台湾人が拠り所にしてきた宗教への弾圧が始まります。道教寺院や廟の参拝を制限。建物の取り壊しも始めます〉。そして現在、廟を管理する80歳男性の少年時代の記憶として、〈1938年、地域の寺院や廟に祀られていた神々の像が集められ、すべて焼かれました〉〈「(神像の提出に)従わない者は29日間も刑務所に入れられるのですよ」〉。そんな“弾圧”ぶりが紹介される。
「確かに、一部の地方官吏によって半ば強制的に行われた例もあったのかもしれませんが、台湾総督府がこのような“寺廟整理”を行ったのには理由があり、しかもそれは強制ではありませんでした。そもそも、寺廟整理は、迷信の打破・物資の節約・火災の危険予防など台湾の近代化、文明化に必要だとして、台湾の有識者らの賛同も得て行われたこと。それを単純に“宗教弾圧”とするNHKの見方は乱暴だし、公正さを欠くものです」(永山氏)
 番組は、教育勅語を得意気に暗唱してみせる台湾人男性の姿なども紹介しながら、やはり最後はこう締めくくるのだ。〈親日的とも言われる台湾に、今も残る日本統治の深い傷。これは今後アジアの中で生きていく日本が分かち合わなければならない現実です〉。ここまで“日本統治=悪”、“日本人=加害者”の意識を貫ければ、むしろ、ご立派というしかない。
無視されたトオサンの声
 そうした「歪曲」以上に話題となっているのが、台湾の人々の証言が、編集の名のもとに恣意的に“操作”され、日本を貶める論調に利用されたことだった。
「この番組は、NHKワールドプレミアムという有料チャンネルで日本と同時に見ることができたのですが、その内容には驚きました」
 そう言うのは、日本統治時代に日本人として教育を受けた日本語族台湾人、いわゆる「トオサン(多桑)」の一人として今回の番組に度々登場する、柯(か)徳三さん(87)である。番組では、狭き門をくぐり抜けてエリート校・台北第一中学校に入学した台湾人生徒について〈しかし日本人が大多数を占める中で、より多くの偏見や差別に苦しめられることになります〉とするナレーションに、柯さんのこんな発言が続く。〈「台湾の、あの豚肉の角煮ね、ローバーだな。ああいうものを弁当に持っていくでしょ、そうすると笑われるんだ。特に豚のしっぽなんか持ってったら笑われる。『あれなんだ、豚のしっぽだ。台湾人は豚のしっぽ食うのか』と、わいわい騒ぎ立てる」〉
 柯さんの苦言は続く。
〈「私のいとこのお姉さんが、日本人の嫁になって日本に行ったけれどね、戸籍が入らん。あれが差別。こういうのが差別でしょう」〉
〈「頭のコンピューターが、すでに日本語化されてしまっているから。あの二十何年間の教育というのはね、実に恐ろしいね。頭が全部ブレーンウォッシュ(洗脳)されているからね」〉
 こうした証言だけ聞くと、柯さんは筋金入りの反日家のように聞こえるが、ご本人はこう憤るのである。
「私がNHKの取材で強調したのは、日本による台湾統治はプラスが50%、マイナスが50%、確かに差別も受けたが日本は台湾に多くのものを遺してくれた、ということ。日本の教育を受けなければ今の私もなかった。日本は私にとって“おっかさん”のようなものです。それが、私が一番伝えたい部分でした。だが、そうした発言は悉くカットされた。取材の際にスタッフからは“都合の悪いことは言わなくていい”と言われていた。私は“都合の悪いこと”は日本批判かと思い、“なんでも正直に話すつもりですが、聞こえが悪いところがあったらどんどん削ってよ”と言いました。それは、日本人を不快にする悪口があれば削ってくれ、という意味です。ところが放送を見たら、逆に悪口ばかりが使われているので大変驚きました」
 05年に東京で出版した著作『母国は日本、祖国は台湾』でも、柯さんは、日本人への感謝の気持ちを含め、日本統治の功と罪とをきちんと振り返っている。
 トオサンたちの日本統治時代への思いを取材した平野久美子氏のノンフィクション『トオサンの桜』には、110人に尋ねたアンケートの結果が掲載されているが、たとえば〈今までの人生で最も愛着を覚えるのはどの時代ですか?〉という問いに対する回答のトップは「日本統治時代」だった。番組では柯さん以外にも何人かが日本に対する恨み節を口にしたが、
「彼らが恨んでいるのは、戦後の日本に対してです。日本が戦争に負け、サンフランシスコ講和条約で台湾の領有を放棄したこと、つまり日本に捨てられたことが彼らのトラウマになっているんです。NHKは、こうしたファクトには全く触れずに番組を作っている。ドキュメンタリーとしては完全に失格です」(平野氏)
 柯さんはこうも心配する。
「今、台湾は中共に飲み込まれるかどうか、という危うい状況です。日本の統治時代を知る70代以上の年配者は、今こそ日本に手を差し伸べてもらい助けてほしいと願っている。その状況で、台湾が反日であるかのような誤った情報が強調されれば、二国間の関係に水を差すことになる。NHKがこんな番組を作った背後には、日台の関係を引き裂こうとする中共の意向があるのではないか、と邪推してしまいます」
「後藤新平」評価のウソ
 かくも偏向した内容に、日台の視聴者はすぐに声を上げた。日台友好に尽力する「日本李登輝友の会」の柚原正敬・事務局長の話。
「放送の翌日以降、番組に対する怒りの声が数十件、友の会に寄せられました。台湾の若い世代の間でも、“僕のおじいちゃんは日本大好きなのに、あの番組は変だよ”といった疑問の声があがっているそうです。そこで、4月9日には小田村四郎会長と5人の副会長の連名で、NHK会長宛の抗議声明を手渡しました」
 柚原氏も、あの番組にはおかしなところがいくつもある、と指摘する。
「たとえば、総督府の民政局長を務めた後藤新平について、当時の主要産物だった樟脳で儲けようとキールンの港や縦断鉄道を整備したように描いている。しかし、李登輝総統時代に台湾の歴史の副読本に採用された『認識台湾』という本には、後藤が台湾の米作りやサトウキビ栽培を何十倍にも拡大した功績がきちんと記されています」
 メルマガ「台湾の声」編集長の林建良氏も、
「前日4日に放送された同シリーズのプロローグ編『戦争と平和の150年』も観ましたが、“左巻き”の歴史学者たちの宣伝みたいな番組でした。だから、翌日、台湾が取り上げられると聞いて嫌な予感はしていたのですが……。私の親の世代の台湾人はみな口を揃えて“今回の番組はウソだ”と怒っていますよ。NHKは、06年に中国が青海省からチベットまでの鉄道を開通させた時にも、わざわざ2回も特番を組んで礼賛していた。私に言わせれば鉄道はチベット統治を強化するためのものでしかありません。日本の植民地支配をここまで批判しながら、中国で現在進行中の少数民族弾圧などを全く批判しないのも、おかしいでしょう。NHKは中国に阿(おもね)っているといわれても仕方ない」
勉強不足か確信犯か
 そんな数々の怒りの声に、NHKは何と答えるのか?
「この番組は、公共放送としての使命にのっとり、国内外で取材をつくして制作・放送したものであり、『反日・自虐史観を前提にした偏向報道である』とは全く考えていません。歴史的な事実を共有することで、日本と台湾、また日本とアジアとの真の絆、未来へのヒントを見いだそうとしたものです」(NHK広報局)
 台湾の人々、そして日本の視聴者を愚弄したことへの反省は微塵も感じられないのだ。先に紹介した柯さんや平野さんの著作を知っていたのかという質問にも回答はなし。知らなかったのなら信じがたい勉強不足だし、まして、知っていて無視したのなら、まさに「超偏向番組」の謗りは免れまい。さらに、こんな批判も。
「NHKのドキュメンタリーの作り方は、『プロジェクトX』が“成功”を収めた頃から変わってきた。分かりやすさを優先し、本来は複雑な世の中を白黒の2つに単純化することでドラマティックな物語を生んだが、同時に不都合な事実には敢えて触れないといった不実さも生まれたのです」
 と指摘するのは、東京工科大学教授(メディア論)の碓井広義氏である。
「しかし、以前に比べれば、現在の視聴者のメディア・リテラシー(メディアの情報を鵜呑みにせず批評的に解読する力)は高まってきています。誤魔化そうとしても、必ずボロが出る。今回の騒動は、番組スタッフがそのあたりを甘く見過ぎた結果とも言えるでしょう」
 4月5日の番組冒頭で、NHKは〈未来を見通す鍵は歴史の中にある〉と高らかに宣言している。とすれば、このシリーズの〈未来〉にも直近の〈歴史〉である第1回放送で露呈した「超偏向」の姿勢が見え隠れするのである。
 眉に唾しつつ「シリーズ・JAPANデビュー」の今後を見守ろう。
デイリー新潮編集部
https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/politics/dailyshincho-966177.html

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