先住民族関連ニュース

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アイヌ遺骨返還に期限 保管の3体 苫小牧市教委が方針案

2023-03-25 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年3月24日 22:24
 苫小牧市教委は24日の定例教育委員会で、市美術博物館で保管しているアイヌ民族の遺骨3体について、地域で返還を求める団体への申請期限を設ける取り扱い方針案を示した。期限内に申請がなければ、白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」内の慰霊施設に移して保管する考え。近くパブリックコメント(意見公募)を行い方針を決定する。
 同館が保管する遺骨は3体。いずれも成人男性で江戸時代以前のものと推定されている。3体は1954~82年の間に市内で見つかり、85年からは同館地下の収蔵庫で保管されてきた。
 文化庁が昨年7月に示した遺骨の取り扱いに関する基本的な考えに基づき、市教委は苫小牧アイヌ協会と協議してきた。
・・・・・
 6カ月以内に適切な団体から申請がなかった場合は慰霊施設に移し、保管する。
 また、方針案では遺骨と一緒に見つかった鉄製のマキリ(小刀)や青銅製のキセルなど副葬品については今後も市美術博物館で保管するとした。(斎藤雅史)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/821524

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弟子屈町人事(4月1日)

2023-03-25 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年3月24日 20:46(アイヌ関連のみ)
・・・・・
 弟子屈町教育委員会人事(4月1日)
▽社会教育課長兼屈斜路コタンアイヌ民族資料館館長兼図書館館長兼町営プール館長兼複合展示施設ふるさと歴史館館長(同課長兼屈斜路コタンアイヌ民族資料館館長兼図書館館長兼町営プール館長)藤森忠幸
・・・・
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/821416

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DX推進へ担当部長を新設 釧路市人事 民間から出向も

2023-03-25 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年3月24日 20:37
 釧路市の蝦名大也市長は24日、4月1日付人事の概要を発表した。デジタル技術を活用した業務の効率化などに向け、総務部にデジタル行政担当部長を新設する。携帯電話大手の「ソフトバンク」など2社から出向社員を受け入れ、民間の視点を生かしたデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める。
 蝦名市長は新年度人事について、「戦略的な展開のための体制」と説明。DX推進に加え、定住自立圏構想やJR存続問題などを念頭に、釧路管内の自治体との連携を円滑にするため、総合政策部都市経営課に新たに広域行政主幹を置く。
 また、「阿寒アイヌクラフトセンター」を拠点とした文化発信などの推進に向け、阿寒町行政センター阿寒湖アイヌ施策推進室に2人を増員。
・・・・
(野呂有里)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/821398

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アイヌ文化学び2人が巣立ち 平取で「伝承者育成事業」の修了式

2023-03-25 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年3月24日 18:23(3月24日 18:46更新)

講師らと笑顔で記念撮影する飯塚さん(前列右から3人目)と岡本さん(同4人目)
 【平取】アイヌ文化の担い手を育てるアイヌ民族文化財団(札幌)の「伝承者育成事業」の修了式が町二風谷で行われ、3年間の学びを終えた5期目の修了生2人に、ねぎらいの言葉と修了証書が贈られた。
 同事業は2008年から白老町で4期12年行われ、20年から平取町で実施。二風谷民芸組合の工芸家らが講師となり、受講生はアイヌ語や木彫り、刺しゅうなどの講義や実習を年間230日程度かけて履修した。平取での修了生は初めて。
 修了式は9日にイオル文化交流センターで開かれ、同財団の常本照樹理事長が、修了生でいずれも町内在住の飯塚潔子さん(46)と岡本朋也さん(25)に修了証書を手渡した。常本理事長は「アイヌ文化の多くを学び、技術を身に付けた皆さまが、今後も文化の担い手として活躍するよう期待している」と激励した。
 飯塚さんは・・・・
(杉崎萌)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/821222

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阿寒湖畔のアイヌ文化に焦点 白老町のウポポイで特別展

2023-03-25 | アイヌ民族関連
NHK03月24日 20時13分

阿寒湖畔に伝わるアイヌ文化に焦点をあてた特別展が胆振の白老町にあるウポポイで始まりました。
この特別展は、ウポポイにある国立アイヌ民族博物館が2022年から行っている「地域からみたアイヌ文化展」というシリーズ展示の2回目として、3月14日から始まっています。今回は、阿寒湖畔に伝わるアイヌ文化が「歴史」など6つのテーマごとに紹介されています。
このうち、「工芸」については、アイヌ工芸の作り手が阿寒湖畔に多く集まっていることに触れ、子グマの魂を天に送る儀式「イオマンテ」の様子を再現した工芸品や風に髪をなびかせる女性の彫像など、20人の作家による27の作品が展示されています。
また、「ことば」に関する展示では、釧路地方のアイヌ語を記録した貴重な資料を見ることができるほか、アイヌ語の釧路方言についてほかの地域との違いをパネルで解説しています。
特別展を企画した国立アイヌ民族博物館の北嶋由紀学芸主査は「ここに来て歴史を見ていただければ、阿寒のアイヌ文化がどのようにつくられ、今に至ったのかがわかる。今回の展示をきっかけに阿寒のアイヌ文化を知っていただきたい」と話していました。
この特別展は5月14日まで開かれています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230324/7000056026.html

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物語で親しむアイヌ語 幕別で講座

2023-03-25 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2023/03/24 14:45
 【幕別】絵本を通してアイヌ語やアイヌ文化を学ぶ講座「物語で親しむアイヌ語」が18日、幕別町図書館研修室で開かれ、15人が受講した。
 町アイヌ政策推進交付金事業の一環。町民向けにア...
●この記事は会員限定です。
https://kachimai.jp/article/index.php?no=582673

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北海道「あかん湖 鶴雅ウィングス」、個人旅行ニーズへの対応で和洋室を新設、アイヌや滞在型アクティビティをテーマに

2023-03-25 | アイヌ民族関連
トラベルボイス2023年03月24日

鶴雅リゾートが運営する北海道の宿泊施設「あかん湖 鶴雅ウィングス」はこのほど、2つの和洋室タイプを新設した。それぞれ「阿寒湖アイヌコタンの自然と生きる」、「滞在型アクティビティリゾート」がテーマ。個人旅行ニーズに対応したもの。
「阿寒湖アイヌコタンの自然と生きる」をテーマとした「湖側ユーカラ和洋室」(9室)は、アイヌの伝統的な住居建築である“チセ”彷彿させるのが特徴。北海道の代表木材であるナラを床や家具に使用したほか、草や樹皮を織り込んでつくられるアイヌ伝統の織物をイメージさせる壁やクロスを使用した。
一方、「滞在型アクティビティリゾート」がテーマの「湖側デラックス和洋室」(3室)は、2室を1室に改修し、72平米のゆとりある客室にリニューアル。阿寒湖など雄大な自然をのぞむ大きな窓とロングカウンターを配し、スローな滞在時間を過ごしたり、景色を愛でながらリラックスした気分の中でワーケションに取り組んでほしいとしている。
https://www.travelvoice.jp/20230324-153156

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写真と手仕事でアイヌの文化を伝える『伝え守るアイヌ 三世代の物語』出版記念作品展

2023-03-25 | アイヌ民族関連
CAPA2023年3月24日
アイヌの人々を長年撮影し続けている宇井眞紀子さん。このほど写真絵本『伝え守る アイヌ三世代の物語』の出版を記念した写真展が開催される。

■展示作品ギャラリー (タップ/クリックで拡大します)
宇井さんは30年以上にわたり、アイヌ民族の取材に取り組んでいる。北海道だけでなく、本州に暮らすアイヌ民族の人々への取材も重ねてきた。その成果は国内外での写真展や作品集として数多く発表され、高い評価を受けている。
最新作『伝え守る アイヌ三世代の物語』では、宇井さんが長年親しくしている大阪に住む親子が、北海道にすむ「じいじ」から、アイヌが大切にしている考え方を受け継いでゆく様子を描いた写真絵本。昨年の林忠彦賞にもノミネートされた。
本の刊行を記念して、宇井さんの写真と、本の主人公でアイヌ文化を伝える「ミナミナの会」主催の藤戸ひろ子さんの手仕事を展示する共同作品展が開催される。
期間中は宇井さんのスライドトークや藤戸さんによるワークショップなどのイベントがある。
宇井眞紀子・藤戸ひろ子『伝え守るアイヌ 三世代の物語』出版記念作品展
会期 2023年3月26日 (日) ~4月6日 (木)
会場 図書喫茶 カンタカ
住所 東京都東村山市秋津町3-30-6
時間 10:00~20:00
休館日 会期中無休
入場料 無料 (飲食代が別途必要)
問い合わせ 図書喫茶 カンタカ (TEL 042-306-0148)
関連イベント
■スライドトーク (宇井眞紀子) とライブ (藤戸ひろ子)
日時 4月1日 (土) 17:30~
参加費 3,000円+1ドリンク
■ワークショップ
日時・内容
3月26日 (日) 13:00~15:00 アイヌ文様の刺繍
3月26日 (日) 16:00~18:00 オヒョウ (樹皮) のストラップ作り
4月2日 (日) 11:00~13:00 オヒョウ (樹皮) のストラップ作り
4月2日 (日) 14:00~16:00 オヒョウ (樹皮) のアイヌ文様の刺繍
講師 藤戸ひろ子
参加費 2,000円 (材料費込) +1ドリンク
■イベント参加申し込み
宇井眞紀子写真集出版プロジェクトへTELまたはEメールにて。Eメールアドレスはチラシ参照。
TEL 070-4065-3145 (10:00~18:00)
宇井眞紀子 (Makiko Ui)
1960年生まれ。1983年、武蔵野美術大学卒業。1985年、日本写真芸術専門学校卒業。学生時代から写真家・樋口健二氏に師事。1992年から子連れでアイヌ民族の取材に取り組む。ロンドンのナショナルジオグラフィックストアなど、国内外で数多くの個展を開催。主な写真集に『アイヌ、100人のいま』(冬青社)、『アイヌ、風の肖像』(新泉社)、『伝え守るアイヌ三世代の物語』(少年写真新聞社) など。日本写真家協会会員。日本写真芸術専門学校講師、武蔵野美術大学非常勤講師。
→ WEBサイト
〈文〉高橋佐智子
https://getnavi.jp/capa/pickup/230326ui/

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【間違えると恥ずかしい!?】これ、読めますか? 難読地名クイズ「支寒内」

2023-03-25 | アイヌ民族関連
ベストカー2023年3月24日

 漢字は見慣れているものの、読み方がパッと浮かばない難読地名。大事な場面で読み間違えて、恥ずかしい思いをしたことはありませんか?
 読み間違えやすい難読地名を、特産品や名所旧跡などの観光情報とともに紹介する本企画。この記事を読めば、今すぐドライブに行きたくなること間違いなし!
文・写真/山城颯太
難易度/★★★★☆
●正解:ししゃもない(北海道・千歳市)
 ししゃもないが正しい読み方。アイヌ語で「和人の沢」を意味するシシャモナイに由来する地名です。今回は難読地名の宝庫、北海道から出題。みなさんは正しい読み方を当てられたでしょうか?
 北海道の玄関口、新千歳空港がある千歳市。札幌市から直線距離で35キロほど離れており、車での所要時間は高速使用時で1時間程度。
 千歳市の西側にある支笏湖は、透明度の高さが特徴で、トップクラスの水質を誇る湖。最大深さは約360mと、日本で第2位の深さを誇ります。カヌーやカヤック、遊覧船などのアクティビティを楽しめる湖です。
https://bestcarweb.jp/feature/column/607317

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宿泊施設と地域がともに成長する方法は?訪日受入のカギは?-日本宿泊ダボス会議

2023-03-25 | アイヌ民族関連
トラベルヴィジョン2023年3月23日
地域一体のリゾートで滞在日数UP
食や決済でもインバウンド対応を
 宿泊施設活性化機構はこのほど、第7回日本宿泊ダボス会議を開催した。宿泊施設や観光関連事業者、関連団体などが参加して業界の知識共有と討議をおこなうイベントで、今年は「収益のために地域と一体にならざるを得ない宿泊施設~インバウンドの回復と分散型ホテルの発展を念頭に~」をテーマに開催。宿泊施設が地域創生に果たす役割やインバウンド対応などについて登壇者が議論した。
 最初に開催された「基調講演1」では、日本旅館協会会長で鶴雅グループ代表の大西雅之氏が「私が考える2030年を見据えた宿泊業界の進化」をテーマに講演した。大西氏はまず「宿泊施設は地域に生かされており、地域とは運命共同体」という考えが根底にあることを説明。そのうえで2030年を見据えた宿泊業界の進化として3つの項目を挙げた。
 1つ目は「郷土力を磨き宿も町も作品づくり」。大西氏は「作品はコストという概念を変える。旅館のカーペットを張り替えるのはコストという考え方もあるが、もっとよい作品のために投資すると考えるとマインドが変わる」と語った。
 そのうえで「郷土力を磨き、地域と共に成長する100年ブランドを作り上げ、社員が誇りに思い、お客様に愛され、社会から信頼される企業を目指す」という鶴雅グループの経営理念を改めて紹介。「地域の持っている大切な財産を磨いて地域と共に成長する。1つの施設が良くなっても弱いが、土台となる町のブランドが上がれば皆も良くなり、自分の土台もしっかりする」と語り、宿泊施設と町の共生が不可欠であることを強調した。
 2点目は「サステナブルな新しい旅のスタイルの提案」で、大西氏は地域と一体となって取り組むべきものであるとし、阿寒湖温泉の例を紹介した。阿寒湖温泉では「一泊旅行でない滞在型」をテーマに「アイヌ文化に彩られた国際リゾート」を目指しているところ。大西氏は「内部で競争するのではなく、地域を一体リゾートとして経営する」ことが重要であるとし、入湯税などを活用して町づくりを進める体制を整えてきたことを振り返った。
 具体的にはインバウンドを呼び込むプロジェクトとして、アイヌをテーマにした体験型ナイトウォーク「カムイ・イルナ」や、アイヌ古式舞踊をアレンジした演目「ロストカムイ」を展開。今年の2月には貸切ワーケーション・ホテルスペース「阿寒テラス」を開業しており、同グループが実施中の観光人材養成講座で活用しているほか、スタッフの交流の場としても利用されているという。

鶴雅グループ代表の大西雅之氏
 3点目は「コロナは改革のチャンス 変われるものが生き残る」。大西氏はコロナ禍の3年で観光業界から多くの離職者が出るとともに志望者も減ってきたことを説明し、「業界が信頼を失っている。それを取り返さないことには復活はない」と強調。そのためには宿泊産業の給与水準をあげる必要があるとした。
 同氏によれば、2022年度8月のデータで宿泊業の年収の全国平均は315万円。一方旅行業界は337万円、サービス業全体の平均は366万円だった。大西氏は「サービス業の平均までいくには16%上げる必要がある」としつつ、地方格差あることを踏まえ「今までやってきた人件費率を15、16%あげれば」と提案。同グループでは業務改革をしながら給与体系を見直し、3年間で15%アップ達成の目標を掲げていることを説明した。1年目は「給与体系を抜本的に見直し5%アップした」といい、残りの2年で5%の増収と、14施設の人員配置を適切化することによる5%の人員削減で目標達成をめざすという。
 大西氏は目標実現のためには宿泊単価を挙げる必要があるとし、「一部の宿泊施設はすでに可能だが、業界全体で上げていくにはサービス料を復活させたい」と持論を展開した。サービス料の復活は「一長一短」だが、大西氏は「世界的にチップは当たり前であり、大手のホテルはサービス業をとっている。なぜ旅館は取れないのか」と疑問を提起。「宿が旅の目的になり、我々はメーカーの立場になってきていると考えていると、決して不可能なことではない。ぜひサービス料の復活を皆で議論してみたい」と呼びかけた。
 また、海外人材の活用や、DX投資による生産性向上と作業の効率化などの取り組みも重要と指摘。政府系金融機関が実施する、新型コロナ対策のための資本性劣後ローンの導入や、経済産業省の事業再構築補助金をはじめとした政府の補助金を活用し、積極的に施設に投資することでポストコロナに備える必要性も説いた。
 最後に大西氏は鶴雅グループでの取り組みを紹介。JNTOが2023年度の重点施策として掲げるアドベンチャートラベルへの投資を強化しており、4月にアドベンチャーツーリズムの拠点として「洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌」を、8月には網走市に「オホーツク・イズバ」と「網走Adventure・Base SIRI」を開業する予定。2024年には支笏湖温泉に「支笏湖LOOPs」の開業を控えているという。支笏湖LOOPsについては施設内で夕食を提供せず、温泉街の店などを活用してもらう予定。大西氏は「北海道はバフェ形式の食事が多い」とし、連泊する宿泊者に対し多様な選択肢を提供していく考えを示すとともに「小さな温泉街のパブリック共用という考え方で進める」と地域との共生をアピールした。
アクセシブルな施設で訪日受け入れを、選択肢の多様化や独自性も重要
 日本宿泊ダボス会議では「宿泊業が使うべきインバウンド対応策」と題したシンポジウムも開催し、日本インバウンド連合会(JiF) 理事長の中村好明氏とJALF理事でやまとごころ代表取締役の村山慶輔氏が登壇して議論した。中村氏はインバウンドの受け入れにおいて、アクセシブルツーリズムの重要性を強調。交通面などのアクセスだけでなく、食やダイバーシティなどを含む旅行全体をアクセシブルにするという考えのもと、多様な人々を受け入られるよう取り組むことはビジネスの機会創出につながるとし、「アクセシブルツーリズムに本格的に取り組むことは宿泊施設の差別化になる」とアピールした。
 また、宿泊業界で課題となる宿泊単価を上げるための取り組みについても言及。一例として、福岡県の「柳川藩主立花邸 御花」を挙げた。御花は宿泊単価をあげるため、柳川藩が能をサポートしていた藩だったことから「殿様屋敷にて能を鑑賞」をテーマにした付加価値のあるプランを高単価で提供して成功を収めている。中村氏は「宿泊の幅広いモデル。宿泊だけでなくオンリーワンの体験プランを出した」と評価した。
 一方村山氏は宿泊単価を上げる方法として、オプションプランを積極的に展開することを提案。アクティビティに加え、食事でもグレードアッププランを設定するなど「値上げではなく選択肢を増やすべき」と話した。加えて、連泊やリピーター増に向けた取り組みについても言及。連泊については客単価を上げるために3泊すれば1泊無料にするなど「数字を追ったうえで1泊でも多くしてもらうための割引・メリットを提供できれば」とした。リピーターについてはインバウンドはリピートしにくいとしながらも、リピーター割引などの特典対象者を友人まで拡大するなど方法はいろいろあるとし、「ファンづくりに生かすと違ったプロモーションの仕方ができる」と示唆した。
 また、村山氏は決済方法についても触れ、東南アジアをはじめ各国独自のスマホ決済方法などにも対応できるようにすることを提案。さらに海外の中小旅行会社と取引する際、与信管理の関係でデポジットが必要の場合は時間がかかるが、DX化によりクレジットカード決済できる仕組みを整えれば取引しやすくなることを説明し、「カード会社が与信を担保してくれるし、富裕層を扱う世界の中小旅行会社とダイレクトに契約できる。DXはロボットやAIだけでなく、決済にも目を向けるとインバウンド誘客につながる」と語った。
 シンポジウムでは地域と宿泊施設の関わりについても話された。中村氏は地域に根差したコンシェルジュ機能の充実がリピーター化につながるとし、「お客様が相談すると特別な計らいができる機能を宿泊施設が持つことで、地域からするとホテルが町の財産にもなる」と話した。
 村山氏は地域旅館7社が出資して設立した「DMC天童温泉」を紹介。国の補助金をうまく活用しながらアクティビティの開発による周遊促進や共同仕入れによる単価の値下げに取り組んでいることを説明した。現在は連泊日数を1.5泊から1.8泊に増やすことを目指しているといい「地域全体で増やすだけで年間の売上が4億円変わる。そういう共通目標を持って取り組むのはすごいこと」と評価した。
 一方で、こうした取り組みについては地域全員でやることは難しいとし、「重要なのは地域を良くしたい、地域があってこそ自分の場所だという人が3人集まれば動くということ。足元が固まって本業が回っている経営者や支配人が地域に目を向け、アイデアを出して実行していくことでは地域全員を巻き込まなくてもできる」とした。
 また、同氏はインバウンドに注力しすぎることに警鐘を鳴らし、「ベースがあった上でのインバウンド。インバウンドに取り組むことは日本人もプラスになる」とアピール。「インバウンドだけでなく日本人対応にもつながると考えればモチベーションが上がるのでは」と話した。
https://www.travelvision.jp/news/detail/news-104584

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生物多様性の危機、直視を COND代表理事・矢動丸琴子さん

2023-03-25 | 先住民族関連
毎日新聞 2023/3/25 東京朝刊 有料記事 2765文字

一般社団法人「Change Our Next Decade」代表理事の矢動丸琴子さん=竹内紀臣撮影
 <未来をつくるSDGs>
 100万種の動植物が消滅の危機に直面し、恐竜が地球上から姿を消すなど過去5回あった大きな絶滅に続く「第6の大量絶滅時代」とも呼ばれる現代。若者の立場から自然環境保護について情報発信や政策提言を行う一般社団法人「Change Our Next Decade(略称COND、コンド)」代表理事の矢動丸琴子さん(29)に、生物多様性の現状や活動への思いを聞いた。【聞き手・大場あい】
 ――生物多様性の問題など環境保護活動を始めたきっかけを教えてください。
この記事は有料記事です。 残り2527文字(全文2765文字)
https://mainichi.jp/articles/20230325/ddm/010/040/019000c

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IPCC「第6次統合報告書」政策決定者向け要約(SPM)より

2023-03-25 | 先住民族関連
イーズ2023年03月24日
IPCC 第6次統合報告書
https://www.ipcc.ch/report/ar6/syr/
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が3月20日、気候変動について、科学的知見に基づき、現状の評価や対策をまとめた「第6次統合報告書」の政策決定者向け要約(SPM)を公表しました。
この第6次統合報告書は、2021年と2022年に公表された3つの作業部会の報告書をもとにしたもので、9年ぶりの統合報告書となります。3つの作業部会とは、「自然科学的根拠」「影響・適応・脆弱性」「緩和」です。
報告書のキーポイントはこのあと紹介しますが、世界の平均気温は産業革命以前と比べて、2011年~2020年に1.1℃上昇しており、このままでは、近いうち1.5℃に達する可能性が高いと警鐘を鳴らしています。
温暖化を1.5℃に抑えるためには、2019年レベルと比べて、2030年にCO2は48%、GHGは43%の削減、2050年にはCO2は99%、GHGは84%の削減が必要として、現在の各国の削減目標や削減実績では足りないと強調しています。そして、「この10年が勝負!」と繰り返し述べています。
統合報告書のSPMの概要(各セクション冒頭のヘッドライン・ステートメントの暫定訳)はこちらからご覧になれます。
https://www.env.go.jp/press/press_01347.html
「第6次統合報告書」政策決定者向け要約(SPM)の原文はこちらからどうぞ。
https://www.ipcc.ch/report/ar6/syr/
「第6次統合報告書」政策決定者向け要約(SPM)から、私が大事だと思うポイントを抜粋して紹介します。分量は多いですが、ざーっと目を通していただくと、報告書の伝えたいメッセージがわかると思います。
(早く伝えることを優先したため、翻訳や理解に誤りがあったらゴメンナサイ!お知らせいただけたらありがたいです)
<観測された温暖化とその原因>
・2011年から2020年にかけて、世界の表面温度は1850年~1900年を1.1℃上回った
・地球の表面温度は、1970年以降、少なくとも過去2000年間の他のどの50年間よりも速く上昇した
・世界の温室効果ガス排出量は増加し続けている
・1850年から2019年までの170年間の累積純CO2排出量は2400±240GtCO2であり、そのうち、約42%は最後の30年間(1990年~2019年)の間に出ている
・2019年、大気中のCO2濃度(410ppm)は少なくとも200万年前のどの時期よりも高く、メタン(1866ppm)と亜酸化窒素(332ppm)の濃度は少なくとも80万年前のどの時期よりも高い
・2019年、世界のGHG排出量の約79%は、エネルギー、産業、輸送、建築物を合わせたセクターから、22%は農業、林業、その他の土地利用(AFOLU)からもたらされた
・GDPのエネルギー原単位とエネルギーの炭素原単位の改善によって化石燃料の燃焼および工業プロセス由来の由来のCO2排出量は減っているものの、産業、エネルギー供給、輸送、農業、建物における世界の活動レベルの上昇による排出量の増加のほうが大きい
・2019年、世界人口の約35%は、1人当たり9tCO2-eq以上排出する国(CO2-LULUCF:土地利用、土地利用変化. 及び林業由来の正味のCO2排出量を除く)に住み、41%は一人当たり3tCO2-eq未満しか排出しない国に住んでいる。後者のうちかなりの割合が近代エネルギーサービスへのアクセスを欠いている
・後発開発途上国(LDC)と小島嶼開発途上国(SIDS)の1人当たりの排出量は、CO2-LULUCFを除く世界平均(6.9tCO2-eq)よりもはるかに少ない(それぞれ1.7tCO2-eqと4.6tCO2-eq)
・1人当たりの排出量が最も多い10%の世帯は、世界の消費に基づく家庭からの温室効果ガス排出量の34〜45%を占めており、下位50%の世帯は13〜15%を占めている。
<観測された変化と影響>
・大気、海洋、雪氷圏、生物圏に広範かつ急速な変化が生じている
・人為的な気候変動は、すでに地球上のあらゆる地域で多くの気象・気候の極端な変化に影響を与えている
・これにより、自然や人への悪影響や関連する損失・損害が広範囲に及んでいる
・現在の気候変動に対してこれまで最も寄与していない脆弱なコミュニティが、不釣り合いに大きな影響を受けている
・約33億〜36億人の人々が、気候変動に対して非常に脆弱な状況で暮らしている
・2010年~2020年、脆弱性の高い地域における洪水、干ばつ、暴風雨による死亡率は、脆弱性が非常に低い地域の15倍だった
・氷河の後退による水循環の変化や、永久凍土の融解による一部の山岳生態系および北極生態系の変化など、一部の生態系への影響は不可逆的なものとなりつつある
・気候変動は、食料安全保障を低下させ、水の安全保障に影響を与え、持続可能な開発目標を達成する努力を妨げている
・全般的な農業生産性は向上しているが、気候変動は過去50年間、世界的にこの成長を鈍化させており、関連する負の影響は主に中・低緯度地域で見られる
・海洋温暖化と海洋酸性化は、一部の海洋地域で漁業と貝類養殖の食糧生産に悪影響を及ぼしている
・現在、世界人口の約半数が、気候および気候以外の要因の組み合わせにより、1年の少なくともある時期に深刻な水不足に見舞われている
・すべての地域において、極端な高温事象の増加により、死亡率や罹患率が増加している
・気候に関連した食品媒介疾患や水媒介疾患の発生が増加している
・アフリカ、アジア、北米、中南米において、極端な気候や天候により移住せざるをえない人がますます増えている
・カリブ海と南太平洋の小さな島国は、その小さな人口規模に比して不釣り合いに大きな影響を受けている
・気候変動による経済的な被害は、農業、林業、漁業、エネルギー、観光など、気候変動の影響を受けるセクターで確認されている
・個人の生活も、例えば、家やインフラの破壊、財産や収入の喪失、人間の健康や食料安全保障などを通じて影響を受けており、ジェンダーや社会的公平性に悪影響を及ぼしている
<適応について>
・気候の影響やリスクに対する国民や政治の意識が高まり、少なくとも170カ国と多くの都市が、気候政策や計画プロセスに適応を含めるようになった
・効果的な適応策の例としては、品種改良、農場での水管理・貯水、土壌水分保持、灌漑、アグロフォレストリー、コミュニティベースの適応、農場・景観レベルでの農業の多様化、持続可能な土地管理アプローチ、農業生態学の原則と実践の利用、その他自然プロセスに働きかけるアプローチなど
・都市緑化、湿地帯や森林上流の生態系の回復など、生態系に基づく適応のアプローチは、洪水リスクや都市の暑さを軽減するのに有効である
・早期警報システムのような非構造的対策と堤防のような構造的対策の組み合わせは、内陸洪水の場合の人命損失を減少させている
・災害リスク管理、早期警報システム、気候サービス、社会的セーフティネットなどの適応オプションは、複数のセクターにわたって幅広く適用可能である
・進展があったとはいえ、分野や地域によって適応のギャップが存在し、現在の実施レベルでは今後も拡大し続けると思われる
・適応への主な障壁は、限られた資源、民間企業や市民の関与の欠如、(研究費を含む)資金の不十分な動員、低い気候リテラシー、政治的コミットメントの欠如、限られた研究・適応科学の取り込みが遅く少ないこと、および緊急性の低さなど
・適応に必要と推定される費用と適応に割り当てられた資金との間にある差は拡大しつつある
・公的及び民間資金源を含む現在の世界的な適応のための資金フローは不十分であり、特に途上国における適応オプションの実施の制約となっている
・気候の悪影響は、損失や損害の発生、国の経済成長の阻害を通じて、資金源の利用可能性を低下させ、それにより、特に途上国や後発開発途上国において、適応のための資金制約をさらに増大させることがある(悪循環)
<緩和について>
・緩和に取り組むための政策や法律は、前回の第5回報告書(AR5)以降一貫して拡大している
・2021年10月までに発表された各国の「国が決定する貢献」(NDC)では、2030年の世界のGHG排出量は、21世紀中に温暖化が1.5℃を超え、温暖化を2℃未満に抑えることが難しくなる可能性を示している
・資金フローはすべてのセクターおよび地域において、気候変動の目標達成に必要なレベルに達していない
・パリ協定は、ほぼ全世界の参加を得て、特に緩和に関して、国や地方レベルでの政策立案や目標設定につながり、気候変動対策や支援の透明性も向上した
・多くの規制・経済的手段が既に成功裏に展開されている
・多くの国において、政策によりエネルギー効率が向上し、森林破壊の割合が減少し、技術開発が促進された結果、排出が回避され、場合によっては削減または除去された
・少なくとも18カ国は、生産に基づくGHGと消費に基づくCO2の排出量を10年以上にわたって削減しつづけている
・いくつかの緩和策、特に太陽エネルギー、風力エネルギー、都市システムの電化、都市グリーンインフラ、エネルギー効率、需要側管理、森林や作物・草地管理の改善、食品廃棄物や損失の削減は、技術的に実行可能で、費用対効果が高まっており、一般の人々にも支持されている
・2010年から2019年にかけて、太陽光発電(85%)、風力発電(55%)、リチウムイオン電池(85%)の単価が持続的に低下し、地域によって大きく異なるが、太陽光発電では10倍以上、電気自動車(EV)では100倍以上というように、その普及が大幅に進んだ
・コストを削減し、導入を促進する政策手段には、公的研究開発、実証実験やパイロットプロジェクトへの資金提供、規模拡大のための導入補助金などの需要喚起手段などがある
・COP26前に発表されたNDCが実施された場合の2030年の世界のGHG排出量と、オーバーシュートがないか限定的で温暖化を1.5℃に抑える(50%以上)、または即時対策を想定し温暖化を2℃に抑える(67%以上)緩和経路のモデル化に伴う排出量の間には、かなりの「排出ギャップ」が存在し、21世紀中に温暖化が1.5℃を超える可能性が高くなる
・温暖化を1.5℃に抑えるためには、この10年間に世界 のGHG排出量を大幅に削減する必要がある
・2030年まではCOP26前に発表されたNDCに沿った形で、それ以降はさらに厳しい目標を設定しない場合のモデル経路では、排出量が増加し、2100年までの地球温暖化の中央値は2.8 (2.1-3.4) ℃となる
・多くの国が、今世紀半ば頃までに温室効果ガス(GHG)ゼロまたはCO2ゼロを達成する意向を示しているが、誓約の範囲や具体性は国によって異なり、それを実現するための政策は現在までに限定的である
・2020年末までに実施された政策では、2030年の世界のGHG排出量はNDCが示す排出量より多くなると予測され、「実施ギャップ」がある
・政策の強化がなければ、2100年までに3.2(2.2-3.5)℃の温暖化が予測される
・低排出技術の採用は、資金、技術開発・移転、人的能力が限られていることもあり、ほとんどの途上国、特に後発開発途上国において遅れている
・気候変動資金の流れの規模は過去10年間で増加し、資金調達チャネルも広がったが、2018年以降は成長が鈍化している
・化石燃料に対する公的および私的な資金フローは、気候適応および緩和のための資金フローよりも依然として大きい
・2018年、先進国から途上国への公的及び公的に動員された民間の気候資金の流れは、2020年までに年間1000億米ドルを動員するという気候変動枠組み条約及びパリ協定の下での目標額に達していない
<今後の気候変動>
・温室効果ガスの排出が続くと、近い将来に1.5℃に達すると推定される
・地球温暖化は、ほぼすべての検討シナリオとモデル化された経路において、主にCO2累積排出量の増加により、短期(2021-2040年)において進行し続けるだろう
・近い将来、地球温暖化は、非常に低いGHG排出シナリオ(SSP1-1.9)でも1.5℃に達する可能性が高く、より高い排出シナリオでは1.5℃を超える可能性が高いか非常に高い
・2081~2100年の温暖化の最適推定値は、非常に低いGHG排出シナリオ(SSP1~1.9)の1.4℃から、中間のGHG排出シナリオ(SSP2 ~4.5)の2.7℃、 および非常に高いGHG排出シナリオ(SSP5~8.5)の4.4℃にわたっている
・さらなる温暖化により、すべての地域で、気候の影響をもたらす要因の同時多発的な変化がますます起こると予測される
・複合的な熱波や干ばつは、複数の場所で同時に発生するなど、より頻度が高くなると予測される
・相対的な海面上昇により、現在の100年に1度の異常海面現象は、すべての検討シナリオにおいて、2100年までに全潮位計の半数以上の地点で少なくとも毎年発生すると予測される
・その他の地域的な変化としては、熱帯低気圧や亜熱帯性暴風雨の増加、乾燥度や火災気象の増加などが予測される
<影響とリスク>
・どの将来の温暖化レベルにおいても、多くの気候関連リスクはAR5で評価されたよりも高く、予測される長期的影響は、現在観測されているよりも最大で数倍高い
・気候変動によるリスクや予測される悪影響、関連する損失や損害は、地球温暖化が進むごとにエスカレートする
・気候変動リスクと気候変動以外のリスクはますます相互作用し、複合リスクやカスケードリスクを生み出し、より複雑で管理しにくいものになる
<不可逆的変化の確率とリスク>
・地球の表面温度を抑えられたとしても、数十年またはそれ以上の応答時間スケールを持つ気候システム構成要素の継続的な変化を防ぐことはできない
・深海の温暖化と氷床の融解が続くため、数世紀~数千年にわたる海面上昇は避けられず、海面は数千年にわたり上昇したままとなる
・1995-2014年と比較して、SSP1-1.9GHG排出シナリオでは、世界平均海面上昇は2050年までに0.15-0.23m、2100年までに0.28-0.55m、SSP5-8.5GHG排出シナリオでは、2050年までに0.20-0.29m、2100年に0.63-1.01mと考えられる
・今後2000年間で、温暖化が1.5℃に抑えられた場合、世界の平均海面は約2~3m、2℃に抑えられた場合、2~6m上昇する
・気候システムにおける突然の変化や不可逆的な変化の可能性と影響は、ティッピングポイントに達したときに引き起こされる変化を含め、さらなる地球温暖化によって増加する
・2℃~3℃の温暖化が持続した場合、グリーンランドと西南極の氷床は、数千年かけてほぼ完全に、かつ不可逆的に失われ、数メートルの海面上昇を引き起こす
・氷床プロセスに関連する深い不確実性のため、世界平均海面上昇は、非常に高いGHG排出シナリオ(SSP5-8.5)では、2100年までに2mに近づき、2300年までに15mを超える可能性も排除できない
・地球温暖化が1.5℃を超えると、小さな島々や氷河や雪解け水に依存する地域にとって、限られた淡水資源が、適応の厳しい限界となる可能性がある。このレベルを超えると、一部の暖流サンゴ礁、沿岸湿地、熱帯雨林、極地や山の生態系などの生態系は、物理的な適応の限界に達するかそれを超えることになり、結果として、一部の生態系に基づく適応策もその効果を失うだろう
・セクターやリスクを単独で取り上げ、短期的な利益に焦点を当てた行動は、長期的には不適応を招き、脆弱性、暴露、リスクの固定化を生み、変更することが困難な場合が多い。例えば、防潮堤は、短期的には人や資産への影響を効果的に軽減するが、長期的な適応計画に組み込まれない限り、長期的には気候リスクへの曝露を増加させ、固定化させる結果となりうる
・人為的な地球温暖化を抑制するためには、CO2排出量を正味ゼロにする必要がある。CO2排出量がゼロになるまでの累積炭素排出量と、この10年間の温室効果ガス排出削減のレベルによって、温暖化を1.5℃または2℃に抑えられるかどうかがほぼ決まる
・既存の化石燃料インフラから排出されるCO2は、追加的な削減を行わなければ、1.5℃のための炭素収支(気温上昇をあるレベルまでに抑えようとするときの、温室効果ガスの過去および今後の累積排出量の上限)の残りを超えてしまう
・物理科学の観点から、人類が引き起こす地球温暖化を特定のレベルに抑えるには、累積CO2排出量を制限し、少なくともCO2排出量を正味ゼロにし、さらに他の温室効果ガス排出量を大幅に削減する必要がある
・温室効果ガス排出量を正味ゼロにするには、主にCO2、メタン、その他の温室効果ガス排出量を大幅に削減する必要があり、CO2排出量を正味マイナスにする必要がある
・CO2排出量が正味マイナスになるためには、二酸化炭素の除去(CDR)が必要となる
・GHG排出量が正味ゼロを維持した場合、地球の表面温度は、早期にピークに達した後、徐々に低下すると予測される
・人間活動によって排出される1000GtCO2あたり、地球の表面温度は0.45℃上昇する
・2020年初頭からの残りの炭素収支の最良推定値は、地球温暖化を1.5℃に抑える可能性が50%の場合は500GtCO2、2℃に抑える可能性が67%の場合は1150GtCO2である
・2020-2030年の年間CO2排出量が平均して2019年と同じレベルにとどまった場合、結果として生じる累積排出量は、1.5℃に対する残りの炭素予算をほぼ使い果たし、2℃に対する残りの炭素予算の3分の1以上を使ってしまう
・中央の推定値のみに基づくと、1850年~2019年までの累積CO2純排出量は、地球温暖化を1.5℃に抑える確率が50%の場合の炭素収支全体の約5分の4、地球温暖化を2℃に抑える確率が67%の場合の炭素予算全体の約3分の2に相当する
<緩和の経路>
・オーバーシュートを起こさないか限定的で温暖化を1.5℃に抑える(50%以上)経路と、温暖化を2℃に抑える(67%以上)経路には、いずれもこの10年間にすべてのセクターで急速かつ深く、ほとんどの場合直ちに、温室効果ガス排出を削減する必要がある。これらの経路では、それぞれ2050年代前半と2070年代前半に、グローバルなCO2排出量ゼロに到達する
・オーバーシュートを起こさないか限定的で温暖化を1.5℃に抑える(50%以上)ためには、2019年レベルと比べて、2030年にCO2は48%、GHGは43%の削減、2050年にはCO2は99%、GHGは84%の削減が必要
・緩和の選択肢は、持続可能な開発の他の側面と相乗効果を持つことが多いが、選択肢によっては、トレードオフの関係になることもある
・持続可能な開発と、例えば、エネルギー効率や再生可能エネルギーとの間には、潜在的な相乗効果がある。同様に、森林再生、森林管理の改善、土壌炭素貯留、泥炭地の復元、沿岸部のブルーカーボン管理などの生物学的 CDR 手法は、生物多様性と生態系機能、雇用と地域の生計を強化できる
・植林やバイオマス作物の生産は、特に大規模で土地所有権が不安定な場所で実施された場合、生物多様性、食料と水の安全保障、地域の暮らし、先住民族の権利など、社会経済や環境に悪影響を及ぼす可能性がある
<オーバーシュート:行きすぎ>
・温暖化が1.5℃などのレベルを超えた場合、地球全体のCO2排出量が正味でマイナスになることを達成・維持することで、温暖化を再び徐々に抑制することができるが、オーバーシュートを起こさない経路と比較して、二酸化炭素除去のための追加的な展開が必要となり、実現可能性と持続可能性に大きな懸念が生じる
・オーバーシュートには、人間や自然のシステムに対して、いくつかの不可逆的な悪影響やさらなるリスクが伴い、これらはすべてオーバーシュートの規模や期間とともに大きくなる
・このオーバーシュートの期間に発生し、フィードバックメカニズムによってさらなる温暖化を引き起こす悪影響、例えば、山火事の増加、樹木の大量死、泥炭地の乾燥、永久凍土の融解などが、自然の土地の炭素吸収源を弱め、GHGsの放出を増加させると、復帰はより困難になる
・オーバーシュートが大きいほど、2100年までに1.5℃に戻すためには、より多くの正味マイナスCO2排出が必要になる
<対応>
・気候変動は、人類の幸福と地球の健康に対する脅威である
・すべての人にとって住みやすく持続可能な未来を確保するための機会の窓は急速に狭まっている
・この10年間に実施される選択と行動は、現在および数千年にわたり影響を及ぼすだろう
・この10年間で、深く、迅速かつ持続的な緩和を行い、適応策を加速的に実施すれば、気候変動に関連する人間や生態系の将来の損失や損害を軽減できる
・適応策には長い実施期間がかかることが多いため、この10年間に適応策を加速的に実施することは、適応のギャップを埋めるために重要である
・適応と緩和を統合した包括的、効果的、革新的な対応により、相乗効果を発揮し、適応と緩和の間のトレードオフを減らすことができる
(以上)
https://www.es-inc.jp/insight/2023/ist_id012520.html

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アラスカ・ベーリング海でズワイガニが消えた!?史上初の禁漁と「海洋熱波」 禁漁による損失額およそ1350億円

2023-03-25 | 先住民族関連
TBS3/24(金) 16:53配信
全米屈指の豊かな漁場、アラスカ・ベーリング海でズワイガニ漁が初めて禁止されました。なぜズワイガニが姿を消したのか。原因のひとつとして「海洋熱波」が指摘されています。
アラスカ州・コディアック島。カニやサーモンなどの漁業が盛んで、漁業生産量では全米トップ3を誇ります。
記者
「アラスカの海の沖合から漁を終えた船がいま、港に戻ってきました」
親子3代でズワイガニ漁を続けるプラウトさんです。翌朝、船を案内してもらいました。
タンクには1キロサイズのカニがぎっしり!1万5000匹も獲れたそうですが…
ズワイガニ漁師 ガブリエル・プラウトさん
「残念ながら、今年はほんのわずかしかお金になりません。(収入は)85%ダウンです」
実はこのカニ、いつも獲っているズワイガニとは別の「タナークラブ」という種類。連邦政府とアラスカ州は個体数が漁獲可能な基準値を下回ったとして、今季初めてベーリング海でのズワイガニ漁を禁止したのです。
漁師たちが「タナークラブ」の漁で得る収入は例年には遠く及ばず、漁船の維持費すらカバーできないといいます。
ズワイガニ漁師 ガブリエル・プラウトさん
「こんなことは初めてです。当てにしていたズワイガニ漁がこうした形でできなくなるのは、とてもショックです」
アラスカでは禁漁による損失額が10億ドル、およそ1350億円にも達し、アメリカ漁業史上最悪の規模になるおそれがあるとみられています。
今、何が起きているのか。ベーリング海の調査を続ける専門家に尋ねると。
アメリカ海洋大気局 エリン・フェドゥワ研究員
「2019年から2021年にかけての調査で、100億匹のズワイガニがいなくなったことがわかりました。『海洋熱波』が影響していることをはっきり示しています」
「海洋熱波」。異常に高い海水温が5日以上続く現象です。
ズワイガニの稚ガニは冷たい海水域を好んで生息しますが、ベーリング海では2018年に「海洋熱波」が発生。これにより個体数の激減につながった可能性が高いというのです。
地球温暖化などにより海洋熱波は世界各地で発生していて、日本でもサンマなどの極端な不漁の原因と指摘されています。
ベーリング海の中央に浮かぶセントポール島。ズワイガニ漁の最大拠点です。駆け抜けるトナカイの群れ。寝そべるオットセイ。多様な野生動物が生息し、「北のガラパゴス」と呼ばれるこの島も、かつてない危機に直面していました。
記者
「漁港には船の姿がありません。静まりかえっています」
かつて、多くの漁船がみられた港は閑散としています。
経済活動のおよそ9割がズワイガニ漁に関連するというこの島に生じた変化とは。
セントポール市職員 フィリップ・ザハディルさん
「税収の約60%が消えてしまいました」
人口330人の島は禁漁により財政がひっ迫。予算は大幅削減され、緊急医療サービスはボランティアでの対応となり、4人態勢だった警察官も1人しかいなくなりました。
代々、島で漁をしてきた先住民のリーダーはこう訴えます。
先住民 エイモス・フィレモノフさん
「今はゴーストタウンです。気候変動は当事者になってみないとわかりません。気づいた時には経済が成り立たなくなっているのです」
海の恵みと暮らしを守っていくために何をすべきなのか。今、問われています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b870d77e3f3ff021e268d5ad03f289b05397292

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中国代表、国連人権理で西側諸国の中傷に反論

2023-03-25 | 先住民族関連
新華社通信2023年3月24日 18時39分
 【新華社ジュネーブ3月24日】スイス・ジュネーブで開催中の国連人権理事会第52回会議で22日、一般討論が行われ、中国代表は西側諸国の中傷に反論した。発言の要旨は次の通り。
 中国は人民を中心として「国が人権を尊重し保障する」憲法の原則を堅持し、中国人民14億人余りの幸福な生活を最大の人権とすることを堅持し、中国式現代化の道を歩むことで、人権事業の発展を絶えず推進している。中国人民の充足感、幸福感、安心感は高まり続け、中国の人権事業が上げた成果は誰もが認めている。
 各国の歴史、文化、伝統、国情、国民の要求は千差万別で、世界には絶対的な人権保障モデルは存在しない。政治的な目的のために、一部の国は虚偽の情報を捏造(ねつぞう)、流布し、人権理事会で繰り返し中国関連の問題を持ち出し、中国を攻撃、中傷して、中国の発展を封じ込めようと試みているが、そうした企みは人心を得られず必ずや行き詰まる。人権理事会では新疆や西蔵(シーザン)、香港などに関する問題で、100カ国近くがさまざまな形で中国への支持を明確に表明し、人権理事会第51回会議は、新疆関連動議を断固として否決した。これらは国際社会の世論動向をはっきり示している。
 中国を中傷する国が最もすべきことは、自国に存在する人種差別や銃暴力、麻薬犯罪、強制労働、性暴力・性搾取など深刻な人権問題を解決するために適切な行動を取り、アフリカ人、アフリカ系住民、イスラム教徒、難民・移民、先住民、女性・子どもなどマイノリティー(少数派)や弱者の権利侵害をやめ、世界における武力の乱用や覇権主義的な振る舞いを放棄し、発展途上国に対する違法で一方的な強制措置を全て解除して、人権を口実に他国の内政に干渉し地域の安定を損なうことをやめることだ。
https://news.livedoor.com/article/detail/23930819/

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中国企業がボリビア・リチウム開発を落札=世界最大埋蔵量、10億ドル超投資、反対論も

2023-03-25 | 先住民族関連
RecordChina2023年03月24日(金)06:00
ボリビア有力メディアの報道によれば、同国のリチウム鉱床開発事業をめぐる国際入札でこのほど、中国の世界的EV(電気自動車)バッテリーメーカー「寧徳時代新能源科技」(CATL)率いる企業連合が落札した。落札を受け、同企業連合がボリビア・リチウム公社(YLB)との間で「直接リチウム抽出(DLE)」技術を使用するプラントを建設する協力協定を結んだという。
同協定によれば、中国企業連合は、世界的観光地ウユニ塩湖のあるボリビア西部のポトシ県と、もう一つの塩湖が存在する同国中部のオルロ県の2カ所で当初段階として10億ドル以上を投じて複数のプラントを立ち上げるほか、道路や電力供給などのインフラ強化、炭酸リチウムの開発と製品化を行う計画とされている。同企業連合にはCATLのほか、同社子会社でバッテリー原材料などを生産する「広東邦普循環科技」(BRUNP)とモリブデン生産大手「洛陽欒川鉬業集団」(CMOC)が参加している。
このニュースが注目を集めるのは、中国の南米進出という面だけでなく、世界最大のリチウム埋蔵量を誇りながら、技術・資金不足などから開発が遅れていたボリビアでいよいよ、その資源が商業化され、EVはじめ世界中のさまざまな産業分野に大きな影響が出る可能性があるからだ。
「外国企業の参加は違法」との声も
YLBによると、ポトシとオルロ両県で中国企業連合のプラントが完成すれば、純度99.5%の電池用炭酸リチウムをそれぞれ年間最大2万5000トン生産することが可能になり、生産量が飛躍的に増加するという。アルセ・ボリビア大統領は「2025年第1四半期に国産原料を使用したリチウム電池の輸出を開始することが目標」と強い期待感を示す。
だが、ボリビアのリチウム資源開発が中国企業の進出によってこのまま順調に行くかというと、必ずしもそうとは限らない。現地メディアの間では早くも反対論や批判が飛び交っている。例えば、ボリビアの有力紙「ロス・ティンポス」は「ボリビア・リチウム公社に関する法律では、いかなる外国企業もリチウムの抽出事業には参加できないと定められている」との識者の意見などを引用し、今回の中国企業による落札は「違法」と厳しく批判した。
アルセ政権がこれまでのところ、落札の経緯やYLBと中国企業連合との協定内容の詳細を公表していないため、野党勢力は協定の透明性が疑わしいとし、全容を明らかにするよう要求、反政府攻勢を一気に強める構えと伝えられる。
保守派は親中路線の政府を非難
ボリビアのマスメディアや野党勢力だけでなく、中国企業のプラント建設予定の地元でもリチウム開発に反対の動きが表面化しつつある。ポトシ県では先住民を中心とする市民団体が「伝統的生活が破壊される恐れがある」と反対、さらに開発による環境への悪影響を指摘する声も聞かれる。中国企業が使用する直接リチウム抽出技術は抽出過程を迅速化することで環境への影響が少なくなるとされているが、地元の環境保護団体の懸念は払しょくされていないようだ。
ボリビアでは2019年に当時のモラレス大統領がドイツ企業との間でリチウム開発協定で合意したものの、地元住民や環境保護団体の反対運動の高まりなどから、協定破棄を余儀なくされた例もある。リチウム開発に中国が進出することへの警戒感がボリビア国内にあることも見逃せない。これは、アルセ現政権が親中派とみられているからだ。同政権は2020年発足以来、親中外交路線に傾き、中国からの大型の経済支援を受け入れて関係を強めてきた。
ボリビアの保守派を代表する有力紙「エル・ディアリオ」は「アルセ大統領はわが国の貴重な天然資源を簡単な契約だけで中国に譲渡した」と非難している。ボリビアのリチウム開発が今後どうなるかは中国企業の動きとも併せ、国際的な関心を呼ぶことになりそうだ。
https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_911216/

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